ーー博麗神社ーー
「君の全力はこの程度か?」
懐は埃を払う仕草をしながら言った
「く・・・まだよ!」
紫は別のスペルカードを唱えた

境符『四重結界』

紫の周囲に幾つもの結界が出現し、それらを重ね懐に放つ
そして懐の手に一本の槍が出現する
その槍の穂先は5本に別れ光輝いている
「なん・・・で・・・」
その槍を見た紫は驚愕する
槍はかつて神が所有していた秘宝の一つ『ブリューナク』だった
「さぁ・・・神の槍・・・その身で受けてみるか?」

懐は紫の結界をかわし、投擲の構えをとる
だが紫は逃げない、自分が逃げればその矛先は霊夢に向けられると思っていたからだ
「く・・・来るなら来なさい・・・」
紫は覚悟していた・・・ブリューナクの2つ名は「貫くもの」であり敵を死に至らしめる槍とも言われている・・・つまりいくら結界を張ろうとそれを破り自分を貫く・・・当然その先など容易に予想できる
「良い覚悟だ・・・刺し貫け『ブリューn「ちょっと待った!!」誰だ?」
制止させる声が響き懐は構えていた槍を下ろし
その声の主を探す
紫ではない・・・霊夢でもない・・・リリスは止める必要すらない
イリス「ねぇ・・・その考えだと魔王がシオンと言う事になるわよ?おまけにアンリと同格があと二人・・・最悪の展開ね・・・」
アンリと対決した事のあるイリスは苦い顔をする
??「えぇ確かにアレがあと二人なんて最悪最低ね」
イリスに同意したのは魔理沙でもこーりんでもない
褐色の肌に白髪の長髪、赤い服に白いミニスカートの女性
その手には古びた本を持っている
魔理沙とこーりんは突然現れた女性に驚く
イリスも驚いていたが、それは突然現れた事よりも自分に気付かれずに手に持っていた本を盗られた事に対してだった
イリス「何者かは知らないけど・・・私達の敵なのかしら?」
??「敵?何を基準にしているかわからないけれど私はある人を守るだけ・・・その過程で何が起きるかわからないけどね」
その女性は最後の一言の時に満面の笑顔になった
それは端から見れば綺麗だと見惚れるかもしれない或いは癒しすら与えてくれるだろう
しかし三人が受けた印象は違う・・・あるのは恐怖と戦慄、彼女は場合によれば自分達の命を容赦なく狙うだろう・・・そんな錯覚すら覚えてしまう
イリス「とりあえず名前教えて貰えるかしら?」
それでも平常心を保つイリスは流石だろう
魔理沙は八卦を握りしめ、こーりんに至っては顔面蒼白と言う言葉が似合う位に顔色が悪い
??「そうね・・・とりあえずアーチャーと名乗っておくわ」
取っ組み合いをしている霊夢が勝ち誇ったように
「あんたのお仲間は負けたようね、土下座して謝るなら許してあげるわよ」
その言葉を聞いてもリリスは余裕の表情を崩さす
「クスクス・・・良いことを教えてあげる♪」
「何よ?」
「懐は無傷だよ」
「え?」
霊夢は懐が居た所を振り返る
そこはまだ燃え盛っていて人影すら見えない
そしてその炎をじっと見つめている紫
最初こそ余裕の表情だったが、次第に険しい表情になっていく
その目線の先は炎上している電車の下
そこには泥のような闇が電車を少しずつ呑み込んでいき、その中心に懐だけが残る
「流石だな、少し危なかった」
「・・・まさか怪我どころか火傷一つ無いなんて・・・」
紫の額から汗を流し、後ずさる


ーー闇夜の狭間ーー

羽入の口を大きく開け硬直している
「みっともないわよ」
ベルンは呆れながら羽入に注意する
「あう・・・あう・・・」
恥ずかしさで顔を赤くなる
「そんなに驚く所あったかしら?」
首を傾げながら疑問に思う

「シオン無傷なのですよ?普通あり得ないのです」
「とりあえず紛らわしいから今は懐と呼びなさい、あり得ないなんて事があり得ないのよ」
「あう・・あう・・でも懐の場合はどうしょうもなかったはずなのです」
「そうね・・・懐は●●だから無事だったとだけ言うわ」
「あうあう(汗)リカはイジワルなのです」
「久しぶりにキムチが食べたくなったわ」
「あうあうあう(泣)」