久しぶりに巨椋修さん(漫画家、作家、映画監督、格闘家)が不登校についてお書きになっていたので転載します。
巨椋修さんが監督をした「不登校の真実」という映画を、未来の会の十周年記念事業として上映し、
講演もお願いしたことがある。
その映画を知ったのは、巨椋さんが綴っていたブログだったと思う。
それ以来、時々ブログやFacebookを拝見させていただいている。
以下、転載です。
不登校“実質100万人”の時代に、私たちはどう向き合うべきか
■ 学校に行けない子どもが100万人?
久しぶりにこのブログを書きます。
文部科学省の発表によると、2023年度に小中学校で「不登校」とされる子どもは約34万6482人でした。
これは、過去最多の人数です。
でも、実はもっと多いと考えられています。
※学校に行ってはいるけれど……
- 保健室や別室にいて授業に出られない
- 週に何日かしか行けない
- 毎朝「行きたくない」と泣いている
- 心や体がつらくて、休みがちになっている
こういった「隠れ不登校」の子どもたちもたくさんいるのです。
こういった「隠れ不登校」の子どもも合わせると、全国には小中学校あわせて100万人規模の「実質的な不登校」状態の子どもがいるとも言われています。
これは児童生徒の約10.8%(約1割強)、10人に一人以上という数値になります。
■ 小学生の10人に一人、中学生になると10人に2人が抑うつ傾向
では、なぜこんなにも不登校の子どもが増えているのでしょうか? 文部科学省の調査では、主な理由は次のようになっています。
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主な理由 |
割合 |
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学校生活がつらい・楽しくない |
32.2% |
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不安や気分の落ち込み |
23.1% |
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生活リズムが崩れてしまった |
23.0% |
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いじめや人間関係の悩み |
12.6% |
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特に最近は、「学校に行きたいけど、行けない」という子が多いのです。
「行かなくてもいいのでは?」と思う一方で、「本当は行きたいけれど、心と体がついてこない」という悩みを抱えている子もいます。
いまの親御さんたちが小中学生だった20年前30年前の頃と、いまの小中学生の学校生活はまったくといっても違ってきているのです。
いまの時代、小学生の10人に一人、中学生になると10人に2人が抑うつ傾向があると言われているのです。
そして小学生の1.6%、中学生のがうつ病を発症していると推測されているのです。
現代社会は、より一層、子どもたちにとって生きづらい環境にあると言ってよさそうです。
■ 親の戸惑いと悩み
子どもが学校に行けなくなると、親はどうしても不安になってしまいますよね。
- 「このままで将来どうなるのだろう?」
- 「何とか行かせた方がいいのでは?」
- 「自分の育て方が悪かったのかもしれない」
こう思ってしまうのは、当然のことで、親だって苦しいのです。
しかし、子どもに無理やり学校に行かせようとすると、心を閉ざしてしまうこともあります。
ときには、体調を崩したり、最悪の場合は自ら命を絶ってしまうケースもあります。
■ 我が子が不登校になったときの選択肢
「学校に行かせなきゃ」と焦る気持ちはわかりますが、今、社会全体が「学校だけが正解じゃない」という時代に変わりつつあります。
たとえば、次のような選択肢があります。
「学校に行かないこと=失敗」ではありません。今は、「別の学び方」が認められる時代になりつつあります。
■ 親ができること
不登校の子どもと向き合うとき、親ができることはたくさんあります。
- 子どもの気持ちに寄り添う
「どうして学校に行けないの?」と責めるのではなく、
「つらい気持ちを教えてくれてありがとう」と受け止めてあげましょう。
- 専門家に相談する
学校だけでなく、カウンセラーや医師、地域の相談機関も活用しましょう。
親だけで抱え込む必要はありません。
- 情報を集める
フリースクールやオンライン学習、通信制高校など、今はさまざまな選択肢があります。
「行かせる」だけでなく、「どんな生き方が子どもに合うか」を一緒に考えることが大切なのではないでしょうか?
■ 「不登校100万人時代」をどう生きるか
今は、「学校に行けない子ども」が特別な存在ではありません。社会全体で、「子どもたち一人ひとりに合った学び方」を選べる時代になろうとしています。
「行けない」ことを責めるのではなく、「どうすれば安心して生きていけるか」を一緒に考える。
それが、これからの時代の大人に求められていることなのかもしれません。
■ 最後に
「不登校100万人時代」は、「異常事態」ではなく、社会の価値観が変わりつつある証拠です。
大切なのは、「学校に行かせること」ではなく、子どもが自分らしく生きられる場所を見つけることであると思います。