12月7日、最後の「きたひろ笑劇場2025」の公演があった。
数日前の北海道新聞に、この演劇集団のことが紹介されている。

「きたひろ笑劇場」今年で終幕 市民劇団、7日公演へ練習に熱 「力出し切る」2025年12月5日  
 【北広島】市職員らでつくる市民劇団「笑ウィンドふぅー」が2002年から師走に毎年続けているコメディー演劇の公演「きたひろ笑劇場」が、今年でラストステージとなる。
劇団の大黒柱で、初期から演出を担当してきた香いちろうさん(90)=本名・佐藤香一郎=が、今回で勇退するため。団員たちは終演を惜しみつつ「今年も笑いで多くの人に一年を締めくくってほしい」と、7日に芸術文化ホールで開かれる公演に向け稽古に励んでいる。
 劇団は、笑いでマチを盛り上げようと、市職員有志らが立ち上げた。毎年市内外から500人程が集まる人気イベントで、当初は空知管内栗山町や恵庭市の劇団も参加していたが、12年以降は笑ウィンドふぅーの単独公演となった。劇団名には「笑いの風を巻き起こす」との意味が込められている。
 劇団員は、現在市職員や市内の会社員ら20~90代の男女26人。吉田智樹教育長(60)をはじめ、メンバーの多くが多忙な管理職になり、仕事との両立が難しくなってきたのも終演の理由。元市職員の香さんは「最初はみんな素人だったが、成長を重ねて毎年いい舞台をつくることができた。ここまで続けてこられて感謝しかない」と話す。
 今回の演目は、三つの演劇や歌唱ショー、ダンスで構成。演劇はそれぞれ団員が脚本を手がけたオリジナル作品で、秘境にあるホテルで巻き起こるドタバタ劇や、架空の会社で起こったハラスメントをユーモアを交えて演出している。
 脚本が完成した秋以降、団員たちは仕事終わりに週2回ほど同ホールに集まり、2時間以上の稽古を続けてきた。11月下旬以降は、毎日顔を合わせてきた。今回で8回目の舞台となる市内の会社員太田優子さん(48)は「毎回(芸術文化ホールの)大舞台に立たせてもらって胸がいっぱい。最後の最後までみんなに笑ってもらえるように、力を出し切りたい」と力を込める。


この「笑ウィンドふぅー」を立ち上げて脚本や演出をになってきた香いちろうさん(90)=本名・佐藤香一郎は、

私の中学時代の先生だった。
担任ではなかったが社会科の先生で、生徒たちには人気があったと思う。
教師をやめて北広島市の社会教育主事となり、

多分仕事の一環とご自分の得意分野で市職員などを巻き込んで「笑ウィンドふぅー」を立ち上げたのだろうと思う。
思い返せば、中学校の文化祭では先生たちの演劇が出し物の一つだった。
それも、香一郎先生の企画演出だったのだろう。
香一郎先生が担任したクラスの友人たちは、毎年この上演に合わせて集まってミニクラス会をしていた。
私も、共通の友達がいるので演劇を見てその後の集まりに何度か参加したこともある。
しかし、この十年くらいはご無沙汰していたのだが、今年が最後ということなので見に行った。
先生は2年ほど前に脳梗塞(だったかな?)で倒れたということで、
教え子たちは心配していたのだが懸命のリハビリで復活。
最後のカーテンコールには出演者たちと一緒に舞台に立ち、ご挨拶もされた。
90歳とは思えない姿勢の良さと張りのある声で、
もともと背が高くてカッコいい先生だったのだが、
最後までダンディーで素敵な姿に、とても感動してしまった。
その挨拶で、長年の中心メンバーがみんな役職を持ったり多忙になってきたことも解散理由と知り、
市の職員が集まって「市民に笑いを!」という演劇を続けてきたことに感動してしまった。
毎年、北広島市長も飛び入り参加をしているそうで、今年も秘境の村の村長さん役で登場し、会場を沸かせていた。
北広島市は日本ハムファイターズのエスコンの誘致を成功させたのだが、
それにはこの市長をはじめとする市の職員が、この演劇にかけると同じような情熱で走り回ったからだろう。
北広島市は、色々な面で周囲の市町村と比べて文化度が高いんだなと、少し羨ましくなってしまった。
様々な人たち60数名が関わったこの笑劇場、また違う形でその精神を引き継いでゆくのではないかと思う。
香一郎先生、本当に長年お疲れさまでした。
先生の活躍は、私たち教え子への何よりの励ましや応援となっていました。
本当にありがとうございました。