私が好きな作家の一人で、食文化や文学をテーマに執筆するエッセイストの平松洋子さんが、読書エッセー集「本は誰かを連れてくる」(毎日新聞出版)を刊行しました。2017年以降に発表した文庫本の解説や新聞掲載の書評など37編を収録してます。鳥

 「本は誰かを―」のタイトル通り、平松さんのつづるのは作家の生きざまそのものです。向田邦子の脚本を読んでは「物音に耳をそばだて、気配ひとつ聞き逃さない姿」を浮き彫りにしたいとのこと。札幌出身の小説家宇能鴻一郎と対面し、その創作の根源に「戦争体験と生の欲望の両方」を見出してもいます。ニコニコ
 作品を読み進める自身の心情を描写しながら、思い切りよく書いています。すがすがしささえ漂う筆運びです。キューン
 

 「小説にせよエッセーにせよ、作品は書き手が『もうこれしかない』との思いで生み出したもの」と平松さんはインタビューで話しています。だから「真正面から相対するというのは最低限の礼儀」とも言ってます。対象の1冊だけではなく、過去に書かれた作品も読み込み、その表現に至ったことに思いをはせます。「心して読むうちに時には作家や編集者も気付いていなかったような発見もある」とのこと。音譜飛び出すハート

 

 アジアの食文化を深掘りして世に伝え、隣国・韓国の歴史にも触れます。ニコニコ
 

 アスリートの身体に迫るルポルタージュも手掛け「アプローチの仕方は変わっても、関心のありかは『人間』で、ずっと変わらない」とある雑誌で語っていました。!!
 

 名随筆家として知られますが「長く書いていると、いや応なしに技術がついてくる。でもその技術では書かない」と自らに課しています。「仕事に慣れたらおしまい。自分と文章の距離がないように」とインタビューで語っています。ニコニコ