穏やかに走り続けるリレーランナーのように、やさしさを繋ぐ12編のショートストーリー。人との関わりを温かく語ってくれています。![]()
東京の川沿いの桜並木がよく見える「マーブル・カフェ」とシドニーを巡る話しで、各章の主人公達と年齢・性別・状況は違い、取り立てて大きな出来事が起こるわけではない話しですが、それぞれの話しに人間関係の繋がりの「色」があり、気持ちをとても和ましてくれるオムニバス小説集。絵本みたいなメルヘン感が不思議です。![]()
青山さんの人生が詰まったような話しで、人に優しくできるときは、周りが見えているときや自分に余裕があるときが多いのだと思います。エピソードが少しずつつながっていく構成はよくできていて、疲れた心に寄り添ってくれる温かい「ココア」のような小説です。![]()
初めて子供の弁当を作るキャリアウーマンの苦戦を夫の言葉が救った「きまじめな卵焼き」には共感しました。また、結婚50周年の夫婦と話した時の赤い糸の話し、 好きな場所にいるだけで元気になることもあると言う、穏やかな視点をくれる作品です。![]()
人の気持ちはままならなく、時にいき違うこともありますが、些細なことに反応を起こし動き出すこともあります。他人から受ける優しさが小さな幸せに変わっていく様子が印象的で、未来に希望を感じる気持ちになれました。![]()
現実は、このストーリーのようにはうまくまとまることは少ないのですが、だからこそ、こういう話しを読んで少しでも癒されたい人は多いのではないでしょうか。![]()
*表紙のミニチュア写真のそれぞれの色を着た人達、裏表紙のココアさんたちとココアが入っ
た木のマグカップの構図、表現が微細で感心しました。