※7の付く日にこの小説を掲載しています。
私が李華連の背中に半身の状態で背中を合わせると、温かさが増してきて微かな眠気を催してきた。私はうつろに半分程、瞼を閉じかけ、李華連の話が講義のように聞こえながら聞いていた。
前編
三・烏龍茶(その6)
「あのね。私は通訳の仕事をしているでしょう。そうすると、仕事の通訳ばかりじゃなく、時々観光の案内や食事のお供といった事もあるのね。」
「はい。」
「こういう時こそ、お金を稼ぐチャンスになるのよ。仕事の通訳では規定の料金があるでしょう。だから、せいぜい食事を無料でご馳走して貰えるくらいなのよ。それでも、その食事は中国人から見ればとっても贅沢なものだけど。」
「そうなんだ。でも、このあいだ仕事の後で行った店なんかは、中国人もたくさん居たよね。殆ど中国人みたいだったけど。」
「あれは、会社のお金よ。ああいう高いお店で、個人で払う人なんか誰もいないわ、中国人で。皆、一所懸命会社のお金で食事するのよ。
税金払うより食事した方が良いでしょ。奥さんも喜んでいるわ。食事代が助かるって。」
「ふーん。そういう事でしたか。」
「そうねえ、三、四人とかそう多くない人数だけど、仕事が終わると観光したいという人が多いのよ、日本の人は。
そうするとバスじゃなくタクシーを使うでしょ、一日いくらで。だから、私が電話で前もってタクシーをチャーターするのよ。
その時に運転手に話すの、バックマージンを。
大体、二百元とか三百元とか。それでも一日使って六百元とか七百元くらいだし、四人だと一人二百元しないでしょう。日本人から見れば中国のお金なんて紙みたいなものなのよ。みんな何も言わず喜んで払うわ。
それに、運転手もバックマージンは当たり前と思っているから、誰でも協力してくれるのよ。」
「なるほど。」
「もっと稼げるのは、レストランなのよ。大連は海鮮物が多いでしょ。日本人はエビとか蟹とかとっても好きだし、海鮮専門の大きなレストランはいつも日本人がたくさん来るのよ。
観光バスで五十人とか百人とか。普通は電話して行くんだけど、この時もお客さんに大体の予算を聞くのね。
そうすると、殆どはあなたにお任せしますよと言うわ。みんな仕事だし会社のお金でしょ。領収書だけ下さいしか言わないの。」
「そうかもね。初めてだと解らないし。」
「じゃあ折角だから、特別美味しくて良い物を食べましょうか。大連はエビとか蟹とか鮑とか捕れるんですよ、魚も高級なひらめとか河豚とか、とにかく美味しい物がたくさん有るんですよ。と、言うとみんなもう大賛成よ。」
「僕の好きな物ばかりだね。」
「そうですね、一人五百元もあれば充分だと思います、と言って、レストランには三百元くらいでお願いするの。五人だと二千五百元でしょ、千元はバックマージンになるのよ。
それに、お酒も飲むからみんな良い気分だし、会計の時にお酒の分が少しオーバーしましたけど、
と言っても誰も気にする人はいないのよ。結局、三千元ぐらいの支払をするのね、ピッタリじゃなく。丁度ピッタリだとおかしいでしょう。」
「ふーん。じゃあ、支払の半分はバックマージンという事だね。」
「そうね。レストランには後で返して貰うの。店の人だって、五人で千五百元のお客さんを連れて来て貰えれば嬉しいでしょう。ちゃんと返してくれるのよ。またお願いします、と言われるわ。」
「みんなグルになってやるんだ。」
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