※7の付く日にこの小説を掲載しています。
4月27日をすっかり忘れていたので 本日掲載します。
勿論、私は買わずに帰ったが、こんな事は日本人と見るとよくある光景かも知れない。私はそんな思いがしていた。
前編
三・烏龍茶(その5)
勝利広場からマイカルへは、中山路に架かる歩道橋を渡るか、地下街を抜けてかなり道幅の広い勝利街を通っていくのが一般的である。
私達は歩道橋を渡り、勝利街の入口へ来たところだった。
勝利街は歩行者専用の街路で、床には石やタイルが敷き詰められており、中央付近には円形の噴水があった。
ここの縁石に観光客や買い物客が腰をおろして休憩する姿が見られ、また、街路の両端にはパラソルを立てたベンチが規則的に並べられてあり、ここでハンバーガーを食べたりコーラを飲んだりしている光景も見られた。
この街路にはデパート、ホテル、ファーストフード、ブティック等が軒を連ね、大連では最も開発が進んだモダンなショッピング街であった。
ゆっくりと歩きながら、李華連は言った。
「観光地のお土産を売ってる商売人なんかは、日本人と見るとすぐに幾つで千円と言ってくるわよ。千円は七十元くらいでしょ。そんなの中国じゃ半分もしないのよ。だから、京ちゃんも注意してね。」
「そうなんだ。」
私はそう言いながら、かなり以前の事だったが、上海の観光地で千円を払った自分を思い出しながら、コーラの件といい、間抜けでお人好しの日本人は此処にも居ますよと、言いたくなって、
「実は、僕も千円払った事があるんだ。上海でね。それも二回もね。ずっと前の事だけど。」と、白状した。
「えっ、そうなの。」
李華連は気の毒そうに言った後、少し間を置いて、
「じゃあ、京ちゃんだから本当の事教えてあげるわ。」と、
言いながら空いているベンチを指差し、
「あっ、丁度いいわね。あそこに座りましょうよ。」と、言ってベンチへ足早に急いだのだった。
私達は、街路のベンチに座った。パラソルの日陰に入ると、私は急に軽い疲労感を覚えた。ベンチには背もたれがなかった。
「ちょっと疲れたかな。」
私が独り言のように言うと、李華連は、
「じゃあ、こうしましょうか。」と、言って背中を少しだけ斜め後ろ向きにした。
「京ちゃんも同じようにして、寄りかかるといいわ。少し楽になるでしょ。」
私が李華連の背中に半身の状態で背中を合わせると、温かさが増してきて微かな眠気を催してきた。私はうつろに半分程、瞼を閉じかけ、李華連の話が講義のように聞こえながら聞いていた。
◆春といえば 新年度と行楽シーズン
レンジでもチンとできるお弁当箱はいかでしょう。
日本の季節を感じる花模様のお弁当箱。電子レンジ使用可能なため、行楽時だけでなく、普段から... |