※7の付く日にこの小説を掲載しています。
李華連は通訳をしているとき、私に出されたお茶がそのようなお茶でなかった事を知ってか、少し意地悪になって聞いてきた。
前編
三・烏龍茶(その2)
「残念ながら無いですね。そうだ、じゃあ、お土産はそのジャスミンの花茶にしようか。」
「賛成。日本人はいつも烏龍茶しか買わないでしょ。買っても普通のジャスミン茶だから、とてもいいお土産ね。珍しいしきっと喜ばれるわ。」
李華連はにこにこしながら嬉しそうに、
「ねえ、私いい事教えてあげたでしょ。」と、自慢げに私の腕を取って言った。
「はい、とてもいい事を聞きました。ありがとうございます。感謝します。」
私が、わざと丁寧な口調で返すと、
「どう致しまして。」
李華連はますます嬉しそうになった。
「でも、ペットボトルに入った水があるんだし、烏龍茶も造って売れば良いのにね。
国内で造れば安く売る事が出来そうだけど。」
李華連が嬉しそうにしたところで終われば良いものを、私はつい口が滑って続けて余計な事を言ってしまった。
よく中国人は議論好きだと言われるが、私もそれを知ってはいたものの、後の祭りだった。
私達はまだ勝利広場から出ていない。
私はバスの時間が気になり始めていた。
すぐ近くだがマイカルに行く時間も必要だった。
時計はもうすぐ正午を指すところだったが、李華連は構うふうでもなく
、
「中国人はわざわざペットボトルに入ったお茶を買ったりしないわ。コーラみたいに三元で売っても高いと思うわ。みんな自分でいれたお茶を口の広い瓶に入れて持ち歩いたりするのよ。だから緑茶も甘くしてジュースみたいにして売らないと誰も買わないのよ。」
私は納得して頷いてみせた。
そして、「それじゃあ、マイカルに美味しい日本の烏龍茶を買いに行く事にしましょうか。」と、そろそろこの日中比較議論を終結し、早くバスに乗って老虎灘へ行こうと思い、李華連に言った。
すると、「マイカルは日本のデパートでしょ。良い物が多いしみんな本物なのよね。中国はね、偽物が多いの。知ってる?色々な品物に日本語が書いてあるでしょう。そうすると日本の技術で造ったみたいだし、値段も少し高くしても売れるでしょ。でも、ほんとうは真似をして勝手に造っただけ。」
「ああ、そういえば結構書いてあるよね。カタカナの間違いが多そうだね。」
私は商店に並んである洋菓子や電気製品等のパッケージに、間違いだらけの日本語が表記されているのを見た事があったが、今度は別の議論に進展しそうで少し心配になってきた。
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