夜空を眺めてみる。

 

実に美しい。(この仕事やっているとそういう時間が削られるから痛い・・・)

 

この宇宙は、百年ほど前までは、「定常宇宙」と言って

遥かな過去から、はるかな未来までずっとそのままで、

はるかに無限の彼方まで広がっている・・・と、そう考えられていた。

(今でも、そう感じてる人は多いと思う。)

 

しかし、その単純な考えに疑問を抱くものが現われたのだ。

 

ドイツのアマチュア天文学者である

ヴィルヘルム・オルバースである。

 

(彼は医師であり、天文学者ではなかった。ギムナジウム(進学校)で天文学の知識を教えてくれなかったからだ。

世が世なら、天文学者になっていたであろう。ただし、彼は小惑星パラスとベスタを発見するなどして、一応権威とみなされてはいた。

 

そのオルバースが、論文を発表した。

ほぼジャスト200年前の、1823年である。

題意は「宇宙空間の透明度について」(Ueber die Durchsichtigkeit des Weltraumes) 

 

ある時に、オルバースは夜空を眺めて考えた。

 

「もし宇宙が無限に広がっているのなら・・・・」

 

「どこを眺めても必ず恒星にたどり着くことになって、夜空は無限の明るさを持っているはずだ。」

 

 

「だが、実際に夜空が暗いのはなぜだ??」

 

これがかの有名な「オルバースのパラドックス」である。

 

その理由を

「宇宙は星間物質に満たされており、透明度が著しく低いからなのか?」

としておいた。

 

だが、この考え方はドイツをはじめとして、世界中で議論を巻き起こした。

 

あの天才数学者、ガウス君も反論したくらいだ。

 

その100年後、星の寿命に注目し、

パラドックスに必要な十分な放射に変わりうる物質が宇宙には不足している、と解釈したのは

ウィリアム・トムソン男爵

あの絶対温度で有名なケルヴィン卿である。

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その後、このパラドックスは、150年もの間、議論の話題になった。

 

この問題の解決策は2つだ。

①恒星→銀河→銀河群と段階を上げていくほどに、恒星の密度は低下していく。

②遠くの星はまだ誕生しておらず、暗いから。

 

①はまだ分かる。(かのヨハネス・ケプラーも支持したくらいだ)が、問題は②だ。

 

まだ誕生していない星があるということは、

宇宙には年齢がある、ということだ。

 

宇宙はとにかくバカでかいが、

その宇宙に年齢があり、それはまだ人間の尺度で測れるほど浅い、ということは

前代未聞の大ニュースになるほどだったのだ。