「なんだその塾、詐欺じゃないか。辞めちまえ!」

一度そう言われたことがあります。もちろん直接ではなく。

ある塾生の父が、娘に塾の様子を尋ねて、その子が素直に言ったことで「父から暴言を吐かれた」とその子から聞いたわけです。

 

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その子は、中学3年の10月に塾に来ました。

成績は下の下。定員割れしてる高校でも「どうかな?」というレベルでした。

これは単に「勉強していないだけ」であって、答えチラ見で大量にやれば伸びるものです。

 

志望校は筑紫台高校特進・アドバンスクラス(偏差値64)

旧帝や早慶、医学部にすら合格者を出す選抜クラスです。

その理由が「何となくカッコいいから♡」というもの。(笑)

 

ところがその子は、小学生の時にはかなり真面目にやってたようで、「答えチラ見」にものすごく抵抗感がありました。

娘「答え見たらカンニングじゃないですか!」

私「小学校の単なる計算問題じゃないんだぞ!解法を知らなければ、連立方程式や一次関数は解けないのだから。知らずに解けたらそれこそ数学の天才だ!」

これは一般入試(5教科)ではなく、専願入試(3教科)でないと間に合わない、と判断し、教材を解説の詳しいものに替えました。

 

これで、わからなくとも自分で解答を読み、自力で解決できる問題が多くなってきました。

 

私は本人が言わない限り、たまに見て指示するだけ、という状態です。

 

するとめきめきと得点力が上がり、専願なら合格ライン直前まで行ける、と感じてた12月のクリスマスの頃。

父親に成績が伸びてることを褒められ

「どういう授業を受けているんだ?」

と言われた彼女は、シンプルにこう答えました。

娘「先生は授業なんてしないよ。問題解いてわからなかったら答えを見て、復習するだけ。」

父「先生は何をしてるんだ?!」

娘「たまに後ろから眺めてるだけ。」

そこで

父「何だその塾は!詐欺じゃねぇか!!辞めちまえ!」

となったわけです。

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中国の思想家「老子」にこういう一節があります。

「大国を治むるは小鮮を烹るが如し」

(たいこくをおさむるはしょうせんをにるがごとし)

小魚を煮る際に引っかき廻したら頭も尾も皆とれてしまいます。

大国を治めるには形をくずさぬように無為自然に治めるほうがよいという意味です。

本人が調子に乗って勉強を進めているなら、そこで干渉したりせずに、その流れに任せておく方が効率的です。

私にうるさく教えられるよりも、自分で解説読んで理解するほうが楽しく嬉しいに決まってますからね。

 

そして目標は

「勉強ができるようになる」

ことではなく

「志望校に合格する点を取れるようになること」

なのです!

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そして筑紫台高校アドバンスクラス、B奨学合格しました。

中学の先生は「奇跡だ!」などと騒いでたとか。

 

そしてその父親も、合格のお礼に塾にやってきました。

そこで言ったのが

父「いやぁ、A奨学生だったらもっとよかったのですがねぇ。」

(S奨学は全額タダ、A奨学は全額の半額、B奨学は施設費を半額と、成績順に学費を割引していた。)

200名中190番台から、上位60名クラスのレベル校に合格したのですよ・・・・・・・・・

 

本当に痛感しました。

「塾にCS(顧客満足度)は通用しない」

 

成績を上げたら、もっともっと上に行って当然、なのですよね。