そんな中展示車両について触れていこうと思います。
※一部、京王研修センター(京王資料館)保存時代に撮影した画像もあり、現在は同じ視点から撮影できないものもありますことをご了承願います。
その①は年功から2400形デハ2410号車です。
京王研修センター時代のデハ2410 2012年4月8日撮影
2400形は、京王電気軌道時代最後の新造車400形として1940年度に10両が導入されました。京王で初めて片側3扉になるとともにドアエンジンを装備し、扉開閉が自動化されました。但し、資材不足で当初は主電動機を持たない制御車(いわゆる“クハ”)として導入され、1942年に電動車に改造されました。
まもなく迎える戦時体制の中、京王電気軌道は陸上交通事業調整法によって1944年に東京急行電鉄(大東急)に合併されることとなり、合併した他社車との車号重複を避けるために旧京王に割り当てられた2000番台のデハ2400形に改称されました。合併前は社名に“軌道”の文字が入るように、京王線は“地方鉄道”ではなく路面電車と同じ“軌道”でしたが、1945年に適用される法律が軌道法から地方鉄道法に変更されています。ちなみにほぼ同時期に、京成電気軌道も軌道法から地方鉄道法に変更され、会社名も京成電鉄になっています。
終戦から約3年後となる1948年に“大東急”が東京急行電鉄、京王帝都電鉄、小田急電鉄、京浜急行電鉄と東横百貨店に分離されることになるのですが、この時、京王は旧京王電気軌道時代の路線だけでは規模が小さ過ぎるということで、本来、小田急に属すべき井の頭線(帝都電鉄として開業→小田急帝都線→東急井の頭線)を京王に付けることとなり、1998年までの社名であった“京王帝都電鉄”を名乗ることになりました。ちなみに現在、京王電鉄の京王線系統は、京王線、相模原線、高尾線、競馬場線、動物園線の5路線約72㎞の路線で構成されていますが、分離当時は休止路線の御陵線(のちに一部が高尾線として復活)を除けば新宿駅～東八王子駅間の京王線と、現在の相模原線の一部となる調布駅～京王多摩川駅間の多摩川支線の40㎞に満たない路線でした。
デハ2400形は全10両中、1両が戦災に遭い大東急分離後に車体を新造して復旧しています。
元来、両運転台の車両でしたが、後年、一部車両が路面電車然としていたポールだけの仕切の乗務員室から、片運転台化と乗務員室扉と仕切壁を整備しています。更にそれらの車両が架線電圧昇圧後も支線運用車として活用されることになり(京王電気軌道時代からの車両は、原則的に昇圧までに廃車か2010系と2000系の付随車に改造)、デハ220形とクハ230形に改造、1969年まで活躍していました。また、廃車となった車両は4両が現在は鉄道を廃止した庄内交通と、えちぜん鉄道に移行した京福電気鉄道福井支社に譲渡されました(どちらも現存せず)。
ここに展示されているデハ2410号車は、京王電気軌道が410号車として導入し、デハ2410号車を経てデハ222号車として1969年まで活躍していた車両で、廃車後、当時の桜上水工場でデハ2410号車への復元改造の上1972年から1997年まで多摩動物公園駅前で保存展示、その後会社創立(大東急からの分離)50周年記念事業として京王研修センターの敷地内で2010系デハ2015号車や5000系クハ5723号車とともに保存されていました。
経年が高い車両だけに、車体の傷みが心配になるところですが、京王研修センター時代と、京王れーるランドに移動する時に補修しているようです。
特に屋根や雨樋は、木造のため痛みやすいところで、やむを得ず現役当時と異なる形状になっている部分がありますね。
一応、車内にも入れることは入れるのですが、板張りの床の状態がよくないのか、連結側扉付近にしか立ち入れません。
後年の改造で連結面には貫通路が設置されていますが、扉は設置されていないので、かつて使用していた窓付きの貫通路塞ぎ板で塞がれています。
京王研修センターにて2010年4月4日撮影
車内側から
連結側天井
時代を感じる非常用ドアーコック銘板
旧社章入りの扇風機
社章の部分以外は国鉄の扇風機と同型でしょうか?
そして鉄コレ
1100円也
明日は台風直撃とも言われています。外出される方、通勤通学の方は十分ご注意を・・・
電車など公共交通機関も遅れや運転見合わせなどがあるかも知れませんので、余裕を持って行動しましょう。