~前回記事からの続き~
6日の22時過ぎに浜松に到着し、遠鉄電車新浜松駅近くの某ネットカフェで1晩明かし、早朝から遠州鉄道で撮り鉄活動開始です。
電車に乗って撮り鉄する場合、鉄道会社の社員が言うのもナンですが(笑)、乗る度の乗車券の購入がわずらわしかったりしますよね?(あっ、だから買わないはダメですよw)
そんな訳で、ワタクシはフリーきっぷがあればそれを使いますし、カード式乗車券(磁気・IC)が使えればそれを使います。
遠州鉄道では、電車・バス共通のICカード乗車券ナイスパスがあるのですが、購入の時に定期券のように申込用紙を書いたりする必要があり、それがちょっと面倒にも感じられたので、天竜浜名湖鉄道にも乗れる共通フリーきっぷを買うことにしました。
表面
この乗車券は、遠州鉄道全線と、西鹿島駅で接する天竜浜名湖鉄道の東側(掛川駅~西鹿島駅間)か西側(天竜二俣駅~新所原駅間)が1300円で利用当日限り乗り降り自由となっています。
天竜浜名湖鉄道の有効区閑が全線ではないのは、おそらくこの金額に収められなくなるからかと思います。
ワタクシが買ったのは、画像にある東ルートの方です。
遠州鉄道の新浜松駅~西鹿島駅間の片道運賃が460円で、往復しても920円ですから、単純に往復しただけではモトが取れないのですが、途中下車を無視しても1往復半乗っていて1380円、それに天竜浜名湖鉄道線の西鹿島駅~掛川駅間も乗っていますのでモトは取れていると思います。
で、新浜松駅7:24発の西鹿島行きに乗車し、さぎの宮駅で下車、自動車学校前駅方向に歩いた場所で開始です。実はココ、去年の4月に職場の仲間と大井川鐵道と掛け持ちで撮り鉄に来た場所でもあります。あの時は、CFカードの画像取り込み時に、誤って画像データを消去してしまうと言うアクシデントがありましたので、そのリベンジという意味合いもあります。
いきなりお目当て登場!…まぁ、八幡駅ですれ違っているんですがw
30形クハ85の西鹿島行き
今回のお目当てでもある30形は、1958年から1980年に導入された電車です。
導入が長期に亘っているため、側面の扉が片開きだったり両開きだったりとか、前面と側面の方向幕があったりなかったりとか、台車が空気ばねだったりコイルばねだったりとか、冷房の有無など、バリエーションが多くありましたが、最終増備となったモハ51=クハ61以外はツリカケ駆動を採用し、しかも電気ブレーキを常用しているのが大きな特徴です。車体そのものは、かつて名鉄の支線用として導入されていた3700系列とどことなく共通する部分があります.
画像のクハ85とモハ25の編成は、ツリカケ駆動を採用した最終編成にあたり、1978年の製造です。当初より冷房装置を搭載し、空気ばね台車を履いています。
機器流用でない1978年製造のツリカケ電車というのは、電気機関車や路面電車、路面電車的性格を併せ持つ江ノ電、いわゆるナローゲージと言われる電車などを除けば非常に珍しい存在です。
30形は、最終増備となったカルダン駆動のモハ51=クハ61と入れ替わるように、最初期の車両から廃車が始まっていて、現在はモハ51=クハ61とツリカケ駆動2編成の合計3編成が残存するのみとなり、現在は全列車4両編成となる平日朝ラッシュ時のみの活躍となっています。今後も、VVVF制御の2000形導入があれば代替で廃車になるものと思われます。
1000形モハ1001の新浜松行き
1000形は、新浜松駅付近高架化を控えた1984年に登場した電車です。
ガラス面積を大きくとった前面形状に直線を活かした意匠の外観など、それまでの保守的というか野暮ったさの残る30形とは打って変わって“都会的”を意識した電車です。内装も当時の大手私鉄の最新型に引けをとらないものとなっています。
性能的には、30形唯一のカルダン駆動車モハ51=クハ61と同様ですが、ブレーキ指令方式は、従来からの自動ブレーキから全電気指令方式となり、30形との併結はできません。
1996年までに7編成が導入され、遠鉄電車の最大派閥になっています。
30形のような増備途上での大きな外観の変化はないですが、台車は途中から国鉄205系みたいなボルスタレスに変更されています。
1000形は、日本車輌製(っていうか、遠鉄電車は日本車輌製ばかりです)ということもあってか、同じく日本車輌のお得意様である新京成電鉄の8800形と、どことなく似た雰囲気があります。登場はこちらのが早いのですが・・・
新京成電鉄8800形クハ8888の松戸行き 常盤平~五香間にて2010年7月25日撮影
2000形は、1000形の増備車として1999年から導入されている電車です。
車体外観は、パンタグラフがシングルアーム形に変わったこと以外、1000形そのものという感じですが、性能面で遠鉄電車初のVVVF制御を採用しています。
1000形と併結運転が可能で、実際に4両編成運転では2000形同士の4両編成よりも1000形との併結の方が多いと思います。
モハ2001=クハ2101の編成は、運転台がデスク型ながらもツーハンドル(東京メトロ03系VVVF車みたいなタイプ)ですが、モハ2002=クハ2102の編成からワンハンドル形になっています。
画像のモハ2005の編成は、去年11月から運用されている最新編成です。
1958年から長期に亘って導入されてきた30形の最終増備車で、1980年に導入されました。
外観は、既存の30形をベースとしつつも、前面形状や側面の裾形状が異なり、連結面も遠州鉄道の電車としては唯一貫通路がキノコ型ではなく、幌も常識的なサイズwとなっています。
性能的には、遠鉄電車初のカルダン駆動車です。
去年11月に定期検査出場しているようで、まだまだ車体や床下の塗装がきれいです。
遠鉄電車の特徴?として、進行方向北側となる西鹿島方の前面窓には、日除けがありません。
2000形モハ2002の新浜松行き
ヘッドマークは、昨年11月の連続立体化区間開通記念のものです。
このあと、西鹿島駅まで乗車し、せっかくだからと天竜浜名湖鉄道へ“浮気”
天竜浜名湖鉄道は、国鉄時代の二俣線を転換した第三セクター路線です。
とりあえず、西鹿島駅から程よいタイミングで天竜二俣行きがあったので乗車します。
二俣本町駅と天竜二俣駅の間にある二俣川の橋で撮れそうと読んで、天竜二俣駅から二俣本町駅方向へ歩いていきます。
天竜浜名湖鉄道TH2100形
転換当初のレールバスを大型化したような富士重工製LE-DCはすでになく、新潟トランシス製のNDCが活躍しています。
交通バリアフリー法施行を受けて、ローカル線で活躍するこのような車両にもバリアフリー対策が求められるようになりました。
ここまで歩いてくると、天竜二俣駅に戻るより二俣本町駅へ出た方が早い(もっとも、両駅の間隔は意外と短いですが)ので、二俣本町から西鹿島駅に戻る形で乗って、西鹿島駅から新浜松駅まで遠鉄電車に乗車します。
西鹿島駅併設の車庫でモハ51がお休み中
新浜松駅到着後は、遠鉄電車高架下のラーメン店でつけ麺を食べて、またまたさぎの宮駅まで乗車し、朝とは逆サイドから撮影します・・・とはいうものの、こんな感じにしか(笑)
このあと、遠州西ヶ崎駅へ向かい、構内に留置されている保線用の機関車を
ED28 2とバラスト散布用貨車
はここまでで終了し、あとは西鹿島駅から天竜浜名湖鉄道へ乗り換え、掛川駅から東海道線を乗り継いで帰ってきました。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。
遠鉄はまた陽が延びてきた頃に行きたいですね。