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石田陽子のブログ

本を読んだり、映画を観たり。Loveをテーマにしたブログです。恋愛に役立つ楽しい情報もどんどんお伝えしていきます。

韓国で40万部を突破、2020年本屋大賞翻訳部門第1位の小説『アーモンド』(ソン・ウォンピョン著 矢島暁子訳)を読みました。タイトルのアーモンドとは、脳の左右にある神経細胞のかたまり、アーモンドのような形をしている扁桃体のこと。この物語の主人公の少年、ユンジェは、扁桃体が人よりも小さく、怒りや恐怖など感情を理解できないことからシングルマザーの母が“普通の子”に見えるように教育し、祖母が“普通の子”とは違う特別な個性を持った孫を“かわいい怪物”と呼びます。
 
感情がないので笑わないし、怒らない、恐怖を全く感じない少年に起こる悲惨な出来事と運命的な出会い。読み始めたら止めることができず、一気に読んでしまいました。
 

 

 

 

前回のブログで「マインドフルネス」という宗教性のない瞑想について書いたけれど、この「マインドフルネス」は扁桃体が活性化しすぎたときに怒りや不安、恐怖といった負の感情を鎮めるためにも効果があるそうです。

 

そう、現代に生きる私たちは小説『アーモンド』の主人公ユンジェとは逆に、SNSの情報などに過剰に反応しすぎてしまい、どうでもいいことに怒ったり、よく分からないことに強い恐怖を感じてしまいがち。自分の感情をコントロールするのに疲れやすくなっているのです。それは韓国も日本も同じで、学校に通う生徒たちも自分とは違い、表情がなく何を考えているのか分からない異質な存在を遠ざけようとします。

 

ユンジェの母が必死で“普通の子”のように見せるために「喜 怒 哀 楽 愛 悪 欲」を丸暗記させ、相手と同じ反応をするように教えた気持ちも分かるし、やたらと「共感」を求めたり、「同調圧力」が強すぎる窮屈な仲間に紛れて目立たないように過ごすより、個性を大切にしてもいいと伝えたかった祖母の想いにも強い愛情を感じます。

 

こんな生きづらい世の中で、特別視されやすく、みんなにうまくとけ込めないという、さらに生きづらい特徴を持って生まれた少年の将来を心配する親心。ま、本人は恐怖を感じないので、未来に不安もないけれど、そんな様子に より不安が募るものです。

 

感情のない少年に降りかかる悲劇と、彼の人生を変えていく出会いを描いている喪失と再生の物語。どの年代の人が読んでも、人は愛情や出会いによって変われること、相手を「こういうタイプ」などと簡単に決めつけることの愚かさ、普通に生きることの難しさなど、それぞれに深く感じることができると思います。

 

 

 

 

 

火曜日に久しぶりに病院に行ってきました。新型コロナ感染予防のため処方箋を特別に郵送してもらって、約2か月半ぶりの通院。身近に新型コロナに感染した人はいないけれど、私にとってもこの期間はかなりのストレスだったみたいで、自律神経の乱れを実感しました。
 
ずっとお世話になっているソーシャルワーカーのOさんと話をして、「マインドフルネスの本とか持ってる?」と聞かれ、「持ってないかな。あ、ヨガは好きだけど、最近は全然やってなくて」と答えたら、簡単に瞑想できるCDを貸してもらいました。
 
 
 

↑ 『ディープリラクゼーション ヨガニードラ 寝たまんまヨガで簡単瞑想』聴いているうちに寝てしまうCD

 

 

食欲もあるし、睡眠もたっぷりとっているけど、考えごとをし始めると寝ているつもりでも、睡眠が浅かったりするんですよね。リモートで生活習慣病についての講義を受けたり、筋トレをしたりして、体をもっと鍛えようと計画を立てていたところなので、とにかく心身ともに健やかになれることに集中したいと思って。

 

マインドフルネスについても自分なりに調べてみました。マインドフルネスとは、「今、この瞬間を大切にする生き方のこと」とあります。白か黒か、良い・悪いなどの価値判断をすることなく、ただこの瞬間の自分の状態に意識を向けることや「過去や未来にとらわれず、自分を信じてそのまま、あるがまま受け入れること」に注意を向けた心の状態にしておくこと。不安を強く感じやすいときこそ、気分が落ち込みすぎたり、否定的な思考が癖にならないように、その対処法として身につけるといいかもしれません。

 

マインドフルネスを実践するための方法がマインドフルネス瞑想。もともと仏教の瞑想法を取り入れて生まれたものだそうですが、宗教色はなく、とてもシンプル。これから蒸し暑くて寝苦しい季節になるので、リラックスできるCDを聴きながら乗り切れればいいですよね。ストレスに負けず、今この瞬間をもっと楽しく過ごせますように。

 

 

 

 

 

クエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポンア・タイム・イン・ハリウッド』(8月30日公開)に続き、ブラッド・ピット率いる制作会社PLAN Bがプロデュースを担当、ブラッド・ピット本人が主役を務める『アド・アストラ』が公開されました。

 

ブラッド・ピット史上最高の演技! と絶賛されている本作ですが、ハリウッドスターとして名実ともにトップを走り続けている彼の本当のすごさに心奪われる作品となっています。

 

(C)2019 Twentieth Century Fox Corporation

 

監督・脚本・製作を手がけたジェームズ・グレイとブラッド・ピットは長年ずっと一緒に映画を作ろうと話をしてきて、今回やっとスケジュールとタイミングが合ったとのこと。来日記者会見のときにもブラッド・ピットは監督との信頼関係について熱く語っていました。ジエームズ・グレイ監督は本作のアイデアについて、ジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』や映画『地獄の黙示録』の影響に触れていますが、近い未来の宇宙を舞台にしつつ、1人の男の心の葛藤や自分自身を発見するまでの旅を描いていて、孤独や自分の弱さについて誰もが考えずにはいられない物語となっています。ブラッド・ピットは複雑な物語にどうしても惹かれてしまうと会見でも答えていましたが、太陽系のはるか彼方で行方不明になった父の謎を追い、自分自身の内面を深く探る宇宙飛行士のロイの大胆で繊細なキャラクターをこんなにも美しく演じられるのはブラッド・ピットだからこそ。

 

未知なものに対して人は恐怖を感じるけれど、本当に怖いのは無知ゆえに恐怖で暴走する人間なのかもしれない。ブラッド・ピットが『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で演じたは、落ち目のテレビ俳優リック(レオナルド・ディカプリオ)の親友で、リックの付き人兼スタントマンのクリフ・ブース。めまぐるしく変化するハリウッドで生き残るために精神をすり減らしているリックとは対照的に、つねにマイペースで何事にも動じない男を演じています。虚実取り混ぜた物語の中でもチャールズ・マンソン率いる得体の知れない集団が棲息していたスパーン牧場の内部にクリフが一人で入りこんでいく不穏なシーンにはハラハラしました。

 

「怖いからやめておきなよ〜」とこちらが思っても、怯むことも臆することもなく前に進んでしまう男……それがブラッド・ピットの真骨頂。

 

宇宙を舞台に、地球をどんどん離れて孤独をとことん追求して、地球の危機を握る父の謎に迫っていく男を最高の演技で物語ってくれています。

 
(C)2019 Twentieth Century Fox Corporation

 

 

■作品情報『アド・アストラ』
2019年9月20日(金)公開
配給:20世紀フォックス映画
(C)2019 Twentieth Century Fox Corporation

公式サイト