5月12日(金)公開のロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』を観ました。
(C)ROH Johan Persson
ロイヤル・バレエでの初演にあたる1946年の『眠れる森の美女』の上演から70年となる記念碑的作品。オリジナルの原曲から綿密に作り上げられた鮮やかな舞台です。1946年といえば第二次世界大戦直後で、当時は衣装のレースの部分の素材が足りず紙ナプキンを使うなど、戦争による影響があったそうですが、だからこそこんな夢のある美しい物語が求められたのでしょう。
『白鳥の湖』『くるみ割り人形』と並び、チャイコフスキー三大バレエの一つである『眠れる森の美女』。邪悪な妖精の呪いによって眠り続ける王女と、彼女を救おうとする王子。ディズニー映画のアニメとしても愛され続ける作品で、バレエでは邪悪な妖精カルボスと善の力を象徴するリラの精との対立、オーロラ姫が王子と踊る優雅なシーンなど、見所が多すぎて圧倒されます。
(C)ROH Johan Persson
なんといっても素晴らしいのはオーロラ姫を演じるプリンシパルのマリアネラ・ヌニェス。今回、上映されるこの作品では、マリアネラ・ヌニェスほか王子役のワディム・ムンタギロフ、リラの精のクレア・カルヴァート、カラボス役クリステン・マクナリーなどのインタビューもあり、見せ場が多く華やかな演出の裏側が語られます。
たとえば、1幕でオーロラ姫が4人の王子(イギリスの王子、フランスの王子、インドの王子、ロシアの王子)に求婚されるローズ・アダージョは有名。片足で立ち、王子の手をとってバランスをとりながら優雅に踊るあのシーンだけでも、1つの演目を踊り切るくらいの消耗があるそうです。
強い精神力と特別な技術が要求される難しい役だからこそ、踊れることが嬉しいというマリアネラ・ヌニェスの舞う姿はオーロラ姫そのもの。おとぎ話の世界を完全に自分のものにして、観客の心をつかんで離さない……彼女の表情から美しさは強さのことをいうのだと感じました。
(C)ROH Johan Persson
ロイヤル・バレエでの初演にあたる1946年の上演から70年。こんな素晴らしい作品を見られるのも平和だからこそ。『眠れる森の美女』は、たくさんの人を幸せにする強いエネルギーに満ちた作品です。
<ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』作品情報>
【振付】マリウス・プティパ
【音楽】ピョートル・チャイコフスキー
【指揮】クン・ケセルス
【出演】マリアネラ・ヌニェス(オーロラ姫)、ワディム・ムンタギロフ(王子)、クレア・カルヴァート(リラの精)、クリステン・マクナリー(カラボス)
(C)ROH Johan Persson
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