米ネット新勢力、M&Aで成長 株式公開で資金力 | マクロ経済のブログ

マクロ経済のブログ

株式市場で注目されそうな経済のニュースを取り上げています。個人的な独断が多少入っていますが(^^)



>米ジンガが買収する英ナチュラルモーションの人気ゲーム「CSRレーシング」


 米国の新興インターネット企業の間で大型のM&A(合併・買収)が相次いでいる。ビジネス向け交流サイト(SNS)を手掛けるリンクトインやオンラインゲームのジンガなどが数百億円規模の買収を決めた。各社は新規株式公開(IPO)により資金余力を高めており、これを活用して成長の維持を狙う。

 「今回の買収により、求人情報の提供を増やすことなどが可能になる」。リンクトインは6日に決算説明会を開き、ジェフ・ウェイナー最高経営責任者(CEO)が米ブライト(カリフォルニア州)の買収について説明した。

 買収金額は1億2000万ドル(約120億円)で、リンクトインにとって過去最大のM&A(合併・買収)になる。

 2011年5月に上場した同社は株価が公開価格の約5倍まで上昇し、新興ネット企業の「勝ち組」とされる。ネット広告に加え、求人・求職支援サービスと会費収入を収益源としており、バランスのよさが強みだ。なかでも求人・求職に強く直近の決算でも売上高の55%を占めており、買収でこの分野をさらに強化する。

 同社は現金と自社株の組み合わせによりブライトを買収する。12年5月に上場したSNS最大手のフェイスブックや口コミサイトのイェルプも同様の仕組みで企業を買収し、スマートフォン(スマホ)など苦手分野の強化や、国外事業の拡大につなげた。上場により自社株を「資金」として活用することが可能になり、M&Aを後押しした。

 こうした動きは足元の業績が苦戦する企業でも増えている。ジンガは1月末、スマホ向けゲームなどの開発に強みを持つ英ナチュラルモーションを5億2700万ドルで買収すると発表した。買収金額は13年10~12月期の売上高の約3倍に達し、ジンガのこれまでのM&Aで最大になった。

 ジンガはSNSを通じて遊ぶソーシャルゲームで人気を集めたが、スマホなどモバイル機器への対応で遅れた。10~12月期まで4四半期連続で二ケタの減収と最終赤字が続いており、13年7月には米マイクロソフト(MS)出身のドン・マトリック氏を新CEOに迎えて再建中。買収を機に、スマホ対応を加速する。

 クーポン券共同購入サイトのグルーポンは1月、韓国の電子商取引(EC)企業、チケットモンスターを買収した。同社も主力のクーポン券販売が苦戦しており、衣料品や家電製品などの販売に事業の軸足を移そうとしている。M&Aにより業態転換を急ぐ。

 もっともすべてのM&Aが狙い通りに成功することはなく、ジンガは12年に推定2億ドルで買収したスマホ向けゲーム開発会社を2年足らずで事実上清算した。

 ただ新興企業がさらに若い企業の買い手となることにより、起業の加速につながるといった効果も期待できそうだ。

稼ぐ力、広告がカギに フェイスブック株高値/ツイッター急落

 米ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)企業の2013年10~12月期決算は各社とも大幅な増収となったが、株式市場の評価は分かれた。特に対照的だったのがフェイスブックとツイッター。決算発表翌日の株価ではフェイスブックが上場来高値を更新した一方ツイッターは大幅に下落した。

 上場後に下落局面が続いたフェイスブックに対し、ツイッターは昨年11月の上場以来、株価は上昇基調で「上場は成功」と評価されていたが、両社の評価は逆転し始めた。

 SNSは普及が進み、利用者数の増加ペースには鈍化の兆しが見られる。特に利用者が12億人を突破したフェイスブックの月間利用者数の伸びは前年同期比16%まで落ち着いてきた。

 ツイッターは30%増だったが、前の3カ月と比べるとフェイスブックと変わらない1桁台の水準まで伸びが鈍化しており、5日の決算発表後、投資家は警戒感を強めている。

 今後の成長性を占う上で、焦点は規模の拡大から利用者あたりの広告単価に移る。フェイスブックは5割増の高い収益性を維持しており、ツイッターも7割増とまだ勢いがある。

 今後も稼ぐ力を維持できるかは、広告を利用者が邪魔だと感じないようにいかに効果的に表示・配置できるかといった「デザイン力」がカギになる。

 一方、広告単価が下がっているリンクトインは非広告事業に活路を見い出す。ビジネスに特化した強みを生かし、法人への人材の採用支援サービスで稼いでいる。



ペタしてね