昨夜の事を書いておこうと思う。


不倫である以上、普通のカップルであれば当たり前の事が当たり前でなかったり、時に都合のいい男になってしまう事や、その事実に対して複雑な感情を抱いてしまう事もあるって事は以前の記事でも何度か触れた通り。

昨夜、それらの感情で、ついに堤防が決壊してしまう出来事があった。


昨夜は、お互いの仕事が終わった後に飲みデートの予定だった。


一軒目に行くお店の最寄り駅で落ち合うと、僕はバレンタインのお返しとして事前に用意していたホワイトデーのプレゼントを彼女に手渡し、お店へと歩き出した。


バレンタインの事は過去の記事に書いた通りだ。『バレンタインのこと』今年のバレンタインデー、彼女はチョコを用意してくれていた。バレンタインデー当日は平日でお互い仕事だったので、その週末17日土曜日のデートの時に渡してくれた。ド…リンクameblo.jp

予定のお店に着いたら、2人はいつものように乾杯しいつものように飲みながら談笑する。


「今日は、終電までハシゴしようね!」


事前にそう約束していた。


ところが、3軒目のお店を出て、次のお店をどこにするか考えていた時に彼女が不意に言い出した。


「ねえ、ホテル行きたい…旦那にも急に実家に泊まる事になったって言えば今ならまだ間に合うからさ…朝まで一緒に居ようよ。」


朝まで一緒に居たい…そう、それは僕が何度も切望しながらも叶わずずっと我慢してきた事…


僕はずっと我慢していたのに、それが彼女にとってはたった一言のワガママだけで叶おうとしている…


そんな状況に僕はつい理不尽さを感じてしまいこう吐き捨てた…


「ホント、毎回毎回都合いいよね…いい加減にしてくれる?」


「今まで、毎回毎回ずっと君の都合に合わせて来たよね?俺…」


「今日だってさ…一晩は一緒に居れないって、そうわきまえて会いに来てんのにさ…」


当然彼女は反論する。


「なんでよ!?良かれと思って、私なりによい方法考えて提案してるのに…」


「それなのに、都合よく扱おうとしてるとかって…酷い!」


僕は更に畳みかける。


「良かれと思ってだって?」


「そういう、この人は私次第でいつでも私と一晩過ごしたいと思ってる筈、っていう考えが前提なのが不愉快…」


「なんか、もう、酔いが覚めた…帰るね…」


僕がそう呟くと、


「ねえ!待ってよ!」


そう制止する彼女を振り払い、僕はタクシーを拾い乗り込んだ。


「良かれと思って良い方法考えたのに…」


実際のところは本当にその通りなんだとは思うし、僕もそれを素直に受け止めるべきだったんだとも思う。


でも、それを額面通りに捉えられない、割り切れない僕の気持ちも、それはそれでやむを得ない事ではないだろうか?


タクシーはそんな僕1人を乗せて夜の街を走り出したのだった…