書評 「日本列島の誕生」 平朝彦・著 岩波新書(1990)
著者である平朝彦さんは、地質学者で高知大学理学部助教授、東京大学海洋研究所教授を経て、独立行政法人海洋研究開発機構 地球深部探査センター初代センター長をされた方。四万十帯と呼ばれる南西日本の太平洋側に沿って伸びている地層群の研究をしてした。本著はその研究をまとめたものであり、研究を支えてくれた著者の家族へのメッセージでもあるとしている。
本著では日本列島の形成について出版当時最新の研究に触れつつ書かれている。まず、南海トラフにおいて、堆積物が海洋プレートの移動によって陸側のプレートに押し付けられた付加体の存在について言及し、その陸側である四万十帯がどのような地質学的意味を持つかを説明している。この後、章ごとに様々なトピックをもとに日本列島を「形成」していく。また、第3章においては日本列島の誕生を解明することでアジア地域(特にチベット以東)の成立にも言及している。また、後半にはまとめとして15ページもの図を用い日本列島形成を時代ごとにをおっていく。最後にこれからの日本列島誕生についての研究に関する計画について記されている。
本文中では日本列島の形成について筆者の経験を踏まえながらもわかりやすく説明されている。学術的な単語には何らかの補足がしてあり、学術的な本にありがちな辞書を片手に読むということをすることなくすらすらと読むことができる。
また、四万十帯の研究を通して日本列島の形成についても言及し、いかに四万十帯に日本列島の誕生要因が詰まっているのかもよくわかる。また四万十帯の研究から時系列をおって日本列島が今に至るまでを記しているので読んでいてとてもわくわくするような一冊であった。
最後に、著者のあとがきより、 日本列島に乾杯 。
著者である平朝彦さんは、地質学者で高知大学理学部助教授、東京大学海洋研究所教授を経て、独立行政法人海洋研究開発機構 地球深部探査センター初代センター長をされた方。四万十帯と呼ばれる南西日本の太平洋側に沿って伸びている地層群の研究をしてした。本著はその研究をまとめたものであり、研究を支えてくれた著者の家族へのメッセージでもあるとしている。
本著では日本列島の形成について出版当時最新の研究に触れつつ書かれている。まず、南海トラフにおいて、堆積物が海洋プレートの移動によって陸側のプレートに押し付けられた付加体の存在について言及し、その陸側である四万十帯がどのような地質学的意味を持つかを説明している。この後、章ごとに様々なトピックをもとに日本列島を「形成」していく。また、第3章においては日本列島の誕生を解明することでアジア地域(特にチベット以東)の成立にも言及している。また、後半にはまとめとして15ページもの図を用い日本列島形成を時代ごとにをおっていく。最後にこれからの日本列島誕生についての研究に関する計画について記されている。
本文中では日本列島の形成について筆者の経験を踏まえながらもわかりやすく説明されている。学術的な単語には何らかの補足がしてあり、学術的な本にありがちな辞書を片手に読むということをすることなくすらすらと読むことができる。
また、四万十帯の研究を通して日本列島の形成についても言及し、いかに四万十帯に日本列島の誕生要因が詰まっているのかもよくわかる。また四万十帯の研究から時系列をおって日本列島が今に至るまでを記しているので読んでいてとてもわくわくするような一冊であった。
最後に、著者のあとがきより、 日本列島に乾杯 。