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野生農園日誌

自然農法の農園「野生農園ザ☆ばん」の日々の記録
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 そろそろ冬が終わります。
 畑の暇な冬の時期、係長補佐は果樹の剪定をしていました。
 昨年、DOHO STYLEの道法さんに習った剪定を実践。写真はビワの木。
 教わった通り幹に沿って剪定できた所は、枝の先端で作られた植物ホルモンが上から流れてきて切り口の周りが盛り上がり、きちんと修復されてきてます。

 間違った切り方のところは修復されません。
 通常は切り口に薬を塗って修復するのですが、植物の生理に沿った手入れをすれば、薬なんて必要ないんですね。きっと人間も同じなんでしょうね。

  こちらも失敗。高さを抑えようと切ったこの柚子は、切り口の下から新しい芽がニュイニュイ伸びてきてるのですが、太い枝と切り口の間に段差が出来てしまい、切り口がふさがっていません。

 失敗しながら剪定の練習をしていたのですが、その内「係長補佐の剪定は、まるっきりなっていない」から始まり「奴に触れられると枯れる」「触るな汚らわしい」「嫌らしい目で見られた」「変態だ」「サイコパスだ」「永遠に呪われろ」などと植物たちの間に根も葉もない噂が広がってしまいました。根も葉もある植物だというのに…。
 植物たちは根っこを通じて地中のネットワークでコミュニケションをとっていると言う説がありますが、人間界と同じでデマが広がるんでしょうか。
 

おかげで係長補佐は、全人類の罪を背負うはめになってしまい、柚子の木に串刺しにされ、仮想現実の世界を漂っていました。
 あちらの世界も悪くなかったのですが、植物たちからの誤解も解け、そろそろ確定申告も畑の準備もしなければいけないので、この過酷な現実世界に戻ってきました。でも、本当は今も係長補佐は仮想現実の中にいて、この文章も仮想現実の中で書いているのかもしれませんね。これを読んでいるあなたも・・・。

 一ヶ月遅れではありません。旧正月はまだこれからです。というわけで、ちょっと気が早いですが、あけましておめでとうございます。

 冬の間はあまり畑でやることのない野生農園ザ☆ばんですが、昨年から少し果樹の剪定をしております。ミカンや柚子、キンカンなどの柑橘系の樹が多いのですが、サルがいっぱいいる地域で、ミカンやキンカンなどの甘い果実は特に、熟すと食われてしまい、収穫はサルとの競争です。

 
 

 サルは果実を一口しか食べずにみんな捨ててしまいます。食われると腹が立ちますが、一見もったいないこのポイ捨て行為のおかげで、キツネやタヌキやイノシシなど、木登りの苦手な動物たちが果実にありつけるようです。自然はうまく出来てますね。

 人間の私としては、果物を食べるのも、他の動物を餌付けするのもやめて頂きたいのですが、サルにしてみれば奥山はスギ林にされて食うもの少ないし、里山は美味しい餌がたくさんあるのに過疎高齢化してて怖い人もいないしで、そりゃ食べに来ますよね。人間は世界を難しくする天才なのかもしれないなと思います。

 

 獣による農作物被害が増えているのは、犬を放し飼い出来なくなったことも一因という説があるので、名誉係長(写真)に復職して頂きたいところなのですが、ガラスの膝を抱えている上に、ビビりの彼女には、サルと闘うのは荷が重すぎます。

 
 

 それでも、たまに果樹園にお連れして、お散歩して頂こうと思います。私が遊んで頂いていると、興奮して服の袖をガブガブし始めるので、うまくいけば遠くで名誉係長を見たサルが、果樹園に来ると獰猛で屈強な犬に襲われると誤解してくれるでしょう。

 あっという間に今年もお仕舞い。

 これまで病むことの少なかった係長補佐。今年は天から「たまには病んでみなはれや」という試練を与えられる年だったのでしょうか。夏にはダニ刺されによる?謎のカイカイ病に苦しみ、そして大晦日の今日は滅多にひかない風邪をひき、咳に苦しんでいます。

 野菜たちにとってもなかなか過酷な年でした。今年の白菜は結球しないまま。食用ホオズキはたくさん実をつけたまま、寒さで枯れてしまいました。でも酷暑や長雨の中、ここまで頑張ってくれてありがとう。

結球しなくったって美味しく食べられるんですが、防寒対策のため、中の葉っぱを外の葉っぱでくるんで無理矢理結球させておきました。

 本体が枯れてしまった食用ホオズキは、実も未熟なままで大部分は非食用ホオズキ止まり。でも、早くに熟した幾つかの実で来年の種が取れました。

 

 そして今年は自家採種した小麦をまいてみたのですが、なぜか発芽率は驚異の0%!撒く時期が遅すぎたのか、酷暑の中、しばらくサウナみたいにあつくなる所に放置してしまって種がダメになってしまったのか、それとも発芽する力を信じてあげられなかったのかいけなかったのか・・・。

 やっぱり信じるって大事ですね。これからの人生ではこんな風に、もっと自分のことも生き物達の力も信じられるようになります。
 この一年、野生農園の野菜を食べて下さった皆さんも、お手伝いして下さった皆さんも、ブログを読んで下さった皆さんも、野生農園の存在にまだ気づいていない世界の大半の皆さんも、ありがとうございました。良いお年をお迎えください。

11月に入っても、なかなか気温は下がらず、生育が遅れ気味だった大根達も育ってきました。

なぜかカブをまいたはずの所にも…

 前回の日誌でタブーに触れてしまったせいなのかどうか。多分違うと思いますが、カブが大根に変わってしまうという事件も発生。野生農園では、こぼれ種から作物が育つことはよくあることなのですが、発芽した時点では同じアブラナ科でよく似ており、ちょうど発芽のタイミングも一緒だったので、気が付かない内に殆どのカブが大根に入れ替わってしまいました。

 

 そして、しぶとく生き残っていた夏野菜達。暖かいとは言え、さすがに11月の朝夕の冷え込みはきつかったのでしょうか。オクラ、カボチャ、ズッキーニと次々枯れていきます。

 10月にようやく実をつけ始めたズッキーニは、1~2個実をつけただけ、あるいは花だけ咲かせて実をつけない内に次々枯れていきました。3か月遅れでようやく実をつけようと言う時になって枯れていくとは、なんという運命でしょう。私も「あなたは大器晩成型ね」小学生の頃に先生に言われましたが、晩成しない内に人生折り返し地点を随分過ぎてしまいました。果たしてこの先成るのか、成らないまま枯れていくのか、あるいは気付かない内に既に成っているのか。いずれも味わい深い命の営みには違いありません。

 ジャガイモは前々回に書いたように、文明(ビニールマルチかけ)と、野生(マルチ無し)とで比較実験をしてみました。右はビニールマルチをかけたジャガイモ、左はかけなかったジャガイモ。ということで、今回は野生の勝利!と言いたい所ですが、文明農法、野生農法、両方合わせた収穫量は種イモの65%と、大赤字。初めての秋ジャガは、どちらも負けという結果になりました。寒さのためか、どちらも11月早々には枯れてしまい、十分な成長ができなかったようです。

9月に降り続いた雨は10月になっても止みませんでした。

各地で強力な台風の被害も出ていましたが、本当に世界はどうなってしまうんだろうという異常な天気が続きました。そんな中、係長補佐は不思議な経験をします。

 どうやら、神様は「ノアの方舟(はこぶね)」の大洪水を再び引き起こそうとしていたようです。日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、ノアの方舟は旧約聖書の創成期に描かれた物語です。堕落した人間を見た神様は、洪水で人類を滅ぼすことに決め、ノアさんに自分の家族と、すべての動物のつがいを乗せる方舟を作るよう命じました。ひどいことをしますね。
 

 ちなみに現代のノアの方舟と言われるのが、ビル・ゲイツ君が巨額の出資をする「あらゆる危機に耐えうるように設計された終末の日に備える北極種子貯蔵庫」。支配的な力を持つ大富豪のゲイツ君達、そして、ベトナム戦争で使われた枯葉剤の開発や、遺伝子組み換え作物をめぐる農家との軋轢、先頃発がん性をめぐる裁判で敗訴した除草剤ラウンドアップなどなど、悪名高いモンサント社(現バイエル社)も深く関わる事業なので、何かたくらんでるんでは?とついつい怪しんでしまいます。いや、よく知りもしないで疑うのはよくないですね。グレてた子がせっかく久々に学校に来たのに、「あの子はどうせ不良だから問題起こすに決まってる」なんて最初から疑いの目で見られたら、つい夜の校舎で窓ガラス壊して周ったりしちゃいますよね。ゲイツ君達もその意図が何であれ、きっと彼らなりの善意でやってるんでしょう。

 ただ、神様もバランス感覚のある人なので、権力者だけに任せておけず、何の権力もない係長補佐にも声をかけて方舟を作らせようとしたのかもしれません。しかし、係長補佐には少々荷が重かったようです。

 

結果的にそれがよかったのか長雨は終わり、藤野では10月の後半、秋晴れの日が続きました。
でも、残念ながら夏野菜たちには遅すぎたようです。トマトはようやく実が熟したのに枯れてしまうし、ズッキーニはせっかく実ったのにいつまでたっても大きくなりません。

でも、ニンニクは元気。マルチであったまった土からは、植えてないジャガイモやスイカの芽が出てきて生育中です。