要塞化でスイカを守る | 野生農園日誌

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自然農法の農園「野生農園ザ☆ばん」の日々の記録
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 7月は連日異常な暑さが続きます。そして全然雨が降りません。

 7月上旬にはジャガイモの収穫体験。陽気な皆さんが掘ってくれました。

 この頃はまだ、こんなカラカラの7月になるとは知る由もありませんでした。日本各地で災害級の豪雨が降る中、この地域は7月に入ってから殆ど雨が降っていません。しかし草ボーボーの野生農園では、土をむき出しにしていないのがいいのか、キュウリも枯れずに生きてます。とは言え、やはり水が足りないので、実ってもなかなか大きくなりません。スイカも同様、今期は全般的に実が小さいですが、砂漠出身だけあって大体は元気です。

 今年はスイカ、大幅に作付けを減らしました。一昨年から電柵もアライグマに効かなくなって、たくさんスイカ作っても全滅しちゃう可能性があるからです。そして、ビニールマルチを張る時間がなかったため、昨年よりマルチ無しの畝も増やしました。
 以前はビニールマルチ無しでも小さいスイカは出来ていたのに、マルチを張らないと殆ど育たなくなったという話を昨年も書いたと思います。今年は草の管理が追い付いかなかったこともあるのかもしれませんが、マルチ無しの畝では一株も育ちませんでした。毎年自分の畑のスイカから種取りを続けているので、スイカが完全にマルチ栽培に適応してしまったのでしょうか。
 戦争を起こすことで得をする人達がいる限り、いつか本当に第三次世界大戦が来るかもしれません。そうなったらビニールマルチを入手するのも一苦労でしょうね。戦争じゃなく噴火や大地震などの天災が来ても、簡単にはビニール資材が入手できなくなるかもしれません。それに備えて何とかビニールなしでも育つようにしたいので、引き続きマルチ無しの栽培も続けてみますが、来年はもう少し工夫が必要になりそうです。そんなわけで、ただでさえ少ない今年のスイカですが、電柵に頼れなくなった今、どうやってアライグマを防ぐかです。昨年は電柵とネットの二重の防護にしてみたけど効果なし。周辺で罠もかけられ、アライグマがかかることもあるようなので、この辺りに出現するアライグマも前の家族とは別系統になっているかもしれません。全てのアライグマに電柵が効かなくなったわけではないと思います。
 スピリチュアルや自己啓発の世界でよく言われる「百匹目の猿」現象というのがあります。
 海水でイモを洗うようになった天才的なサル(塩味がついて美味いことを知ったため?)の行動を真似るサルが増え、その数が閾値に達すると島全体や、遠く離れた地域のサルまでこの行動をとるようになる…という話で、意識進化の例として自己啓発セミナーなどで盛んに広められてきました。
 島内のサル達にイモ洗いが伝播したのは本当ですが、ある時に一気に広まったとか、遠く離れた島外のサルまで同じ行動を始めたとかいうのは作り話のようで、幸島で研究していた動物行動学者も明確に否定しています。
 集合的無意識というのは存在するかもしれないし、進化に自然淘汰だけでは説明できない事象があるのも事実だと思いますが、電撃を我慢できるアライグマが百匹に到達しても、全てのアライグマに電柵が効かなくなるわけではありません。
 ということで、今年は電柵が効くようになってる可能性もありますが、電柵張るのも電柵の下の草を刈り続けるのも結構手間だし、電池だって必要なので、もうやめることにしました。
 代わりに今年はスイカの数も少ないし、物理的に実を守ってみようと、一つ一つの実の周りにバリケードを築いて要塞化することにしました。



 針金で巻き、釣り糸で巻き、ガムテープで巻き、唐辛子を貼り…しかし、これでは時間がかかり過ぎる上、意外と隙だらけにも見えます。そして、盲点でしたが(普通の人には盲点じゃないことも、特殊能力を持つ係長補佐には盲点になることがあります)、熟したかどうか見るのも大変!ということで、最終的に収穫が近くなったスイカを土嚢袋に入れてみることにしました。
 知能が高く、手先も器用なアライグマにこんなのが通用するのでしょうか?
 7月末現在、この土嚢袋が効いたのかどうか分かりませんが、3個収穫出来ました!一個は何故か収穫後に行方不明ですが…。

 しかし、今年はあまりの高温と水不足で、色んなものが枯れ始め、さすがのスイカにもヘロヘロで死にそうな株も出てきました。アーナック係長もボックル監査役も夏バテで毎日しんどそう。

 あまりにも雨が降らないので、ムビラ(ジンバブエのショナ族に伝わる楽器)奏者、実近修平さんのCDに収録された「ちょうどよい雨がふることを祈る曲」をかけてみました。ムビラは精霊に祈りを捧げる儀式で使われる楽器。何か効果があるかもしれません。

 すると、数時間後蝉の小便のような雨が一瞬降りました。更にその数時間後、犬の小便のような雨が10分くらいパラパラと!
上で百匹目の猿現象は嘘だと述べましたが、既存の科学の言葉で説明のつかない怪しい話は嫌いじゃありません。
一応二回降りはしましたが、そんな小便雨では焼け石に水にもなりません。その後も何度かCDをかけてみましたが、もう効果は出ませんでした。
 それでもしつこくかけていたところ、ついに今晩いきなりの雨予報。雷がなってアーナック係長が怯えておられます!ゴロゴロいうばかりで今のところ降ってくれませんが、今度こそ本当に降ってくれるのでしょうか?
 地震はいつか来るので、しつこく地震の予言を続けているといつか当たるでしょう。それと同様、いつかは雨が降るので、今晩降ったとしても雨乞いの曲の効果だったというつもりはないですが、そうだったら面白いですね。