選択肢
京介くんを見る
京介くんも一緒に行こうよ?
個別のCM撮影は順調に進み、今日は最後にみんなそろってのシーン撮影。
JADEやWAVEがスタジオ入りする中、主人公はあのSAYAさんと雑談をしていた。
SAYAさんの歌の話??
「あれ、いつの間に○○ちゃんとSAYAちゃん、仲良くなったの?」
JADEの夏輝さんが笑顔で会話に加わってくる。
「いつの間にって‥‥そりゃ撮影が始まってからだけど‥私たち気が合うんだもんねえ?」
「そうですね。入って最初のころには仲良くなったような‥」
そこへWAVEメンバーも来た。
「‥久しぶり」
ちわーすっ!!ヘ(゚∀゚*)ノ←
「あ、はい。お久しぶりです」
「何なに、ふたりしてライバル宣言でもしちゃってるのー?」
「ライバル宣言‥?」
「なあに、それ?どういうこと?」
「だって‥京介とSAYAちゃんが仲良くしてたところに、○○ちゃんがばったりって感じだったんでしょ?」
「ばっ‥お前、何言ってるんだよ」
慌てる翔くんの後ろから、肝心の京介くんがやってくる。
「別に俺は、彼女と仲良くしてるわけじゃない‥‥そうだよね?」
そう言って彼がSAYAさんに目を向けると、彼女はふっと笑ってみんなを見た。
「え、何?もしかして、私と京介くんの噂でも立ってるわけ?嫌だなあ、ちょっと雑談してただけでしょ?京介くんとの仲を疑うんなら‥」
彼女は近くにいた夏輝さんにそっと寄り添う。
「夏輝くんとにしてほしいなあ」
ちょ!!既婚者ー!!!!!!w
「えっ!?‥な、なんで俺?」
しかも夏輝さん顔赤いしーっ!(*´艸`)
そして京介くんはどこか冷やかな視線を二人に向けている。
え、お姉ちゃん取られて寂しい??(・∀・)にやにや
主人公と目が合うと、京介くんは顔を近づけてきた。
「こっちも誤解されたら迷惑。‥だよね?」
顔が近い京介くんにどきっとしていると、近くにいた一磨さんが少し慌てた様子で主人公たちを引き離す。
「おい、京介‥‥お前、そういう‥」
「やだなあ、一磨。冗談だって言うのに何、ムキになってんの?」
「う‥‥」
一磨さんが言葉を詰まらせると、京介くんの瞳が妖しく揺らいだ。
「なあに?もしかして一磨も○○ちゃんのこと‥」
「おい、京介。お前、言っていいことと悪いことが‥」
(うわ、一磨さん、怒っちゃったんじゃ‥‥)
それからも徐々に空気が悪くなっていく発言を繰り返すので、夏輝さんが間に入って止めてくれた。
「ごめんごめん。もとはと言えば、私が変な冗談言っちゃったからだよね。こうして一緒に撮影するのも何かの縁だし、みんな仲良くしよ?」
そんなSAYAさんの明るい声に、その場の雰囲気が変わる。
「あ、いや‥‥こちらこそすみません。場の雰囲気を無くしてしまって」
「いいえー」
なんとなく場がなごみ、主人公はほっと息をつく。
(すごい‥なんかすっかり場が収まっちゃった‥)
すると、京介くんが主人公にそっと耳打ちした。
「ごめん‥‥ついムキになって」
「え?ううん‥私は大丈夫だけど‥。それに私よりほかの人に‥」
「あとで、一磨と‥‥夏輝さんに謝っておくよ」
彼はそう言うと、いつものやわらかい笑顔になる。
その表情にほっとすると、京介くんがSAYAにはあんまり近づかないでほしいって。
・・・そんな自分の家族のこと口出しして欲しくないのかぁ‥;;
CM撮影が終わり、SAYAさんが話しかけてきてくれて、暇ならうちに来ない?って誘ってくれた。
一瞬迷ったものの、頷く。
「さっき言ったこと、聞いてなかったの?」
少し低い声が聞こえてきて振り向くと、不機嫌そうな京介くん登場‥。
「それとも、それがさっきの俺の意見に対しての、○○の答え‥?」
「でも、どうしてそんなこと言うの?SAYAさんは京介くんの‥」
「‥‥○○」
少し咎めるような言い方に、主人公は慌てて口をつぐんだ。
「ねえ、今の話‥‥京ちゃん、○○さんに何か言ったの?」
(‥京ちゃん?)
思わずSAYAさんと京介くんの顔を見ると、彼は少し渋い顔をする。
「その呼び方‥‥やめてほしいんだけど?そっちだって、プロフィールは非公開でしょ?ばれたら面倒くさいのはお互い様のはずだし?」
その言葉にSAYAさんがくすくすと笑う。
「相変わらずね。‥私が非公式にしているのは、夫や子供のためよ。別に今日ちゃんとのことは、オープンにしてもいいんだけど?」
SAYAさんの言葉に京介くんは少し複雑そうな表情を浮かべ‥‥大きな溜息をつく。
「いいよ‥‥さっきも言ったように、あくまでも俺の気持ちだから。‥○○の意志まで縛りつけたくはないし」
彼はそう言って主人公たちから離れていこうとした。
(あ‥‥)
「ま、待って‥」
主人公はとっさに彼の腕をつかむ。
「ね、京介くんも一緒に行かない?」
京介くんの目が見開かれる。
「俺が?‥‥なんのために?」
(なんのためって‥)
「その‥私、京介くんのことなんにも知らないから‥‥少しでも何か聞けたらって‥」
すると、彼の表情が切なげにゆがんでいく。
「いいよ‥‥別に、知らなくても」
「え‥」
「京ちゃん、そんな言い方‥」
「だから、その呼び方やめろって‥」
少し痛んだ胸を押さえながら、やっぱり一緒に行こう?と誘う主人公。
SAYAさんにも遊びに来るくらいいいんじゃないの?彼女だって京介くんのこと知りたいのよと言われ、京介くんは渋々SAYAさんのお家にお邪魔することになった。
そしてSAYAさんの家に着くと、中から小さな女の子が飛び出してきた。
「ママー!」
女の子は力いっぱい叫ぶと、SAYAさんに抱きつく。
後から続くように年配の女性が出てくる。
女の子の名前は広美ちゃん。
ついさっきまで寝そうになってたんだけど、お母さんが帰ってきたと知って起きて飛び出していったらしい。
SAYAさんは広美ちゃんを抱き上げ、京介くんに差し出す。
「はい、って‥ちょ、ちょっと俺は‥」
「あらあら、子供の抱っこもできなかったら、いいパパになれないじゃない」
「あー‥‥?」
広美ちゃんはにこにこと京介くんを見つめた。
京介くんはそんな彼女のことを見返していたが、やがてスッと目を伏せる。
「そんな‥‥俺は、子供苦手だし‥パパになるなんて興味ないから」
「え‥?」
ちょっ‥それは主人公ショックじゃ‥;;
子供かあ‥‥自分がまだそういう歳じゃないのかもしれないけど、自分がいつか結婚して、子供産むのかなあって思うと本当に未知の次元過ぎて想像ができない‥(笑)
(興味‥ない‥?)
そう思った瞬間、アヤちゃんの結婚式でブーケを受け取った時に見た、京介くんの顔が思い浮かぶ。
(あ‥だから、京介くん‥)
ずっと引っかかってきた京介くんの言動が、今やっとひとつに繋がったような気がした。

