選択肢


心配しないでください

会えないと思ってた















出社すると、昨日誘われた歓迎パーティの様子がテレビから流れていた。


(やっぱり二人はお似合いだな‥)


皐月さんの腕に手を回したエリーはとてもきれいで、スーツ姿の皐月さんをいつも以上に輝かせているようだった。


(あの場にいなくてよかった‥。今以上に落ち込む自分が目に浮かぶな)


一度、あんな風にエスコートしてもらったことがすごく昔みたいに感じる。

職場の人たちも二人がお似合いのカップルだと囁いてるのが聞こえた。

主人公は朝から暗い気分になるのはよそうと、自分の仕事に集中することにした。


(皐月さんの記事を書き終えれば、全部が終わるんだ。そしたらこの気持ちも、きっと忘れることが出来る)


うーん‥こっち側からしたらもっと主人公頑張れよ!って言いたくなるけど・・・実際的に皐月さんみたいな人と付き合うにはいろんな壁にぶち当たるよねぇ‥


(だから、今頑張って皐月さんに呆れられないように、認めてもらおう。女性としてじゃなくてもいいから‥)


女性としてじゃないと、こっちが困るんですけど‥。(´д`lll)

ついつい落ち込んでしまっていると、編集長に呼ばれた。


「級で悪いんだが、○○が担当しているもう一つの記事が先方の都合で急遽締め切りが今日になったんだ」


「え!?そんな‥今日って‥‥何時までですか?」


「先方が出社するまでだから、正しくは明日の朝方だな。急に悪いな‥俺も粘ったんだけど、向こうがどうしてもって言ってきてな」


今日って‥せめて前もって言っとけよ‥いきなり過ぎだろ。(°д°;)

とりあえず今日中に終わらせようとすぐに仕事に取り掛かる。

気がつけばもう夜の11時。

夜食を買いに外に出ようとしたら、編集長が差し入れを持ってきてくれたw


「あれ‥!?もう帰ったんじゃないんですか?」


「部下に全部押しつけて、上司が帰るわけにはいかないだろ?」


編集長えらい!!部下に面倒事押しつける上司なんてけっこーいるもんだぞ!w


「あ、ありがとうございます!」


「そんなに意外だったか?○○の中の俺はどんな上司になってるんだか」


「えーと、案外テキトー?みたいなイメージですけど‥」


そんな本当のこと言っちゃダメー!!!!!(≧▽≦)←

でも芯はちゃんとした人だって分かってはいたけれどもww


「ったくかわいくねー部下だな。手伝ってやるって言ってんのに」


「でも、私の仕事ですし‥」


「それはそうだがな。まあ、今度昼飯でもおごれよ。それでチャラだ」


「はい!」


差し入れを食べた後、編集長と一緒に残りの作業を開始した。

結局最後まで付き合ってくれて、なんとか締め切りに間に合わせることが出来た。


「終わったな‥。お疲れさん」


「編集長のおかげです。ありがとうございました!」


「頑張ったのは○○だよ。んー眠いし、とりあえず帰るか」


「え、でも、始発はまだ動いてない時間ですけど‥」


「俺車で来てんだよ。送ってやるから、行くぞ」


「ほんとですか!?」


(いいのかな。このまま会社にいるわけにもいかないし、甘えちゃおうかな)


「ありがとうございます」


編集長に家の前まで送ってもらった。


「じゃあ、今日は昼からの出勤でいいからな。ちゃんと休めよ?」


「編集長も事故とか起こさないでくださいね?」


「不吉なこと言うんじゃねーよ。じゃあな」


「失礼します」


頭を下げ見送ると、クラクションが二度ほど鳴り、編集長の乗った車は見えなくなった。


「うーん、疲れた!」


(さて‥。お風呂はいって、すぐに寝て‥)


「○○さん‥」


「はい?」


振り返ると、今まで見たことのない困惑した皐月さんが立っていた。


(まさか、こんな時間に会うなんて‥どうしたんだろう)


「皐月さん、どうしてこんな時間に‥?」


「今の方は、お勤め先の編集長ですよね」


「はい、そうですけど‥」


(なんだろう。いつもの笑顔がないけど‥」


「カジノのパーティーで拝見したことがあります。あの日もお二人で来られていて‥」


皐月さん・・・・もしや餅焼いた?(・∀・)


「それはそうと、今まで連絡もせずにどちらにいらしたんですか?風子さんが心配されていましたよ」


「風子が‥」


というか、皐月さん‥もう11日目だし、いい加減名字呼び卒業しない?←


(仕事が終わらないこと、確かに伝えてなかったけど‥こんなこと、締め切りが近ければよくあることだし‥)


「私に何か用事だったんでしょうか?」


「はい。けれど、訪ねたらまだ帰宅されていないとお聞きして‥風子さんも連絡がないことを心配して、一緒に外を探していました」


えーと‥それより前に、主人公にメールか電話かした‥のかな??


「今までですか‥?そんなことしないで下さい‥」


「ずっとではありませんが‥。もしかして、迷惑でしたか?」


ここで選択肢。

A関係ないじゃないですか

B心配しないで下さい

C私も忙しいんです

なんでそんな冷たい選択肢ばっかー!!?


「迷惑じゃありませんけど‥。私も大人なんです。時には遅くなることもありますから、心配しないでください」


「しかし‥」


「あんまり心配されると‥‥こっちもつらいだけですから」


というか、皐月さん‥そんなに主人公が心配ならもっと積極的になればいいのにww

主人公の返し方もアレだけれども、それ以前に。


「どうして辛いんですか?」


「それは‥言いたくありません」


「何が辛いのか教えてください。私は○○さんの助けになりたいんです。それとも、私はそんなにも頼りないでしょうか?」


皐月さんだからこそ、言えないこともあるんだよー‥


「‥皐月さんは、一番頼りがいのある方です。でも、甘えてばかりいられません」


「甘えてください。○○さんのためなら、私は喜んでお力をお貸しします」


私の望みはただ一つ!皐月さん!もっとガンガン主人公に迫って行ってくれー!!!( ̄▽+ ̄*)←


「私のことは放っておいてください‥」


「残念ながら、それは出来かねます。なんと言われようと、私は○○さんを放っておくことはしませんよ」


(どうして‥私がこんなにひどいこと言っているのに‥‥笑っていられるの?)


「仕事で疲れたので‥失礼します」


「‥仕事?○○さん、今までお仕事をされていたんですか‥」


「はい。急に締め切りが今日になった記事が出てきてしまったので、それで‥」


「そうなんですね。‥まだまだ私も小さい男ですね」


気恥ずかしげに微笑む皐月さんの笑みは、紳士的な笑みとは違い、どこか力の抜けた笑みだった。

ほっとしたんですねww


「失礼します!」


(もう、嫌だよ‥。皐月さんを好きなのも、皐月さんが心配してくれている気持ちに素直になれないのも‥皐月さんに八つ当たりなんてしたくないのに‥)


素直になるのつていっじょーに体力使うよね‥‥私もこういう時、言いたいこと口に出せない派だから分かるわぁあ‥

自己嫌悪に落ち込みながら、部屋で過ごしていると風子ちゃんが来た。


「もう、○○心配したよー。電話にも出ないしさー」


「ごめん、ちょっと急な仕事が入っちゃって」


折り返し電話しろwでも帰ったらいるから、帰ったら聞こうと思ってたのかなー


「そっか。ま、仕事ならしょうがないよね。あ、そうそう。たまたま皐月さんが家に来て、○○がいないから一緒に探してもらってたんだよ。あとでちゃんとお礼言っとかなきゃね」


「そうだね‥。ちゃんと言っておくよ」


(でも、もしかしたら、皐月さん二度と会ってくれないかもしれないな‥)


落ち着いて考えると、本当にひどいことを言ってしまった。


(記事も今あるもので十分だし‥。このまま会わない方がいいのかもしれない‥)


こら、これでさよならするなら、ちゃんとお礼と謝罪を言ってけじめをつけてからさよならしなさい!!(それ、バッドエンドになってしまう‥)



ピンポーン


「こんな時間に誰だろう‥」


ピンポーン


重い足取りで玄関に向かった。

こんな時間って今何時なんだw

扉を開けると、皐月さんが立っていた。


「皐月さん‥どうして‥!?」


「今晩は。今、お時間大丈夫ですか?」


「は、はい‥」


(いつもと同じ皐月さんだ‥。あんなひどいこと言った後なのに)


「あの‥上がってください」


「いえ、このままで大丈夫です。今度、ゆっくりとお邪魔させてください」


「お仕事はもう終わったんですか?」


「はい。けれど、すぐに向かわなくてはいけないので、あまり時間がないんです」


「忙しいのにどうして‥」


「もう‥皐月さんに会ってもらえないって思ってました」


(たったそれだけのことなのに、今は嬉しくて‥涙が出そう‥)


何したってそうなるならさっさと告白して玉砕するなり、成立するなりしてしまえ!!!(第三者から目線)


「○○さんに会いたくないと言われるまでは、会いに来ますよ」


ほーぅ、それはなんでかな?w


「会いたくないって言ったら、会いに来てくれないんですか?」


「ふふ、○○さんが勢いで言ってしまったのなら、もちろん会いに来ます。けれど、嫌われたと思ったら迷惑でしょうから、会いには来ません」


(私の言葉が勢いだって、皐月さんは感じていたんだ‥)


「あの‥じゃあ、今日はどうして来られたんですか?」


「突然お邪魔したのは、これを渡すためです」


ここで花束を持ってちょっと照れてる皐月さんスチルー!!!!!

皐月さんは色とりどりの花束を主人公に渡してきた。


「あの‥これは‥?」


皐月さんは押しつけることなく、花束を抱えたまま主人公の手が伸びてくるのを待っていた。


「○○さんにプレゼントです」


「また‥急ですね」


「ええ、気がついたら手配をしていました」


気恥ずかしそうに笑う皐月さんの笑顔に、思わずつられて主人公も笑ってしまいそうになった。

青や白や黄色が並び、前回の花とどことなく形が似ていた。


(でも、前のよりも花弁がしっかりしていて‥可愛い。‥もらっていいのかな?)


皐月さんに対して素直になれない状態で、花を受け取るのに少し抵抗があった。


「本当に‥もらっていいんでしょうか‥」


「今回も○○さんのことを思いながら選びました。今回はクロッカスの花です。どうか、もらってください」


「ありがとうございます‥。でも、どうして今回はこんなにたくさん?」


「あなたを想い、買うとなった時、すべて買い占めたくなったんですよ」


衝動を抑えきれなかったんですねw


「ちょっと子供みたいなことをしてしまいましたね」


いいと思うw


でもそういう衝動が抑えきれなくて‥を主人公にしてやってくれw頼むww(おい)


皐月さんは照れくさそうに笑った。


(皐月さんに笑ってもらえるだけで、こんなに嬉しいのに‥‥どうして自分の気持ちに素直になれないんだろう‥)


自分の気持ちを隠すように、花束に顔を埋めるのだった‥。



次回予告。

気持ちのすれ違う日々が続く‥

そんなある日、編集長と二人で取材。

取引先で会っても‥‥どこか皐月さんとぎこちない‥?

そんな時、皐月さんに呼びだされて。


「○○さん!」


二人の距離を近づけるある出来事が!

やっとかぁああぁああ!!!!!!!(*´Д`)=з


最後に、クロッカスの花言葉は「あなたを待っています・私を信じてください・あなたを信じながらも心配です・信頼・裏切らないで・青春の喜び・楽しみ・切望 」です。

他キャラは何かしら強引な行動に出ることが多くて、最終的に主人公が押されちゃったー的な展開があったけど、皐月さんの場合は等身大のお付き合いというか‥こう‥ほんわかするような純愛をテーマにしてるのかしら?

それはそれでいいかもしれん。

だが、一発くらい強引な一幕をプリーズww

選択肢



ごめんなさい

楽しみにしてます











ピンポーン


部屋の中から呼び出し音だけが響き、人の動く気配がしなかった。


(皐月さん帰って来てないんだ‥。昨日のこと、謝りたかったのに‥)

一晩明けて、昨日、自分の態度が悪かったことを気にしていた。


(エリーさんがいるところだと謝りにくいけど、二人きりだったら素直に慣れた気がする)


エリーさんのこと気にしすぎな気もするけど‥でも、やっぱ気になるよねー実際には。


(あー、なんであんなこと言っちゃったんだろう!自分が嫌になる‥。仕方ない。会社に行こう‥)

「おはようございます。あの編集長ちょっといいですか?」


「おう、なんだ。ああ、昨日の記事見たけど、問題なかったぞ」


「ありがとうございます。それでですね、今日なんですけど、例のエリーさんに観光案内して欲しいと頼まれまして‥」


「ああ、聞いてるよ!北大路氏からも頼まれてな。これでさらに記事が書けるな!しっかり行ってこいよ!」


「はい。じゃあ、行ってきます」


(止めてくれるわけないよね‥。皐月さんの記事にできるんだから‥はあ)


仕事なんだからしゃきっとしろー!!!!!\(*`∧´)/

エリーさんを迎えにカジノに迎えに行くと、ロビーでエリーさんが待っていた。

そしてすぐに車に乗り込み渋谷へ。


「本当に渋谷でいいんですか?」


「うん。一番来たいって思ってた場所だから!」


「じゃあ、どこから行きましょうか‥」


「○○、あのファッション見て!ドールのような服を着てるわ!」


(ドール‥?あ、お人形か‥)


それくらいはわかってww


「ああ、ゴスロリですね?ゴシック・ロリータです。最近若い子に人気で」


「なんてファンキーなファッションなの!?日本って面白いのね」


こういう文化って割と外国人ウケいいらしいねw


「せっかくなんで、買いに行きますか?」


「ええ、お願い!」


セレブな人の買い方ってやっぱり‥‥と思ったら案の定だった。

見たもの全部レジに持って行って、ブラックカードで支払いをw


(まだ買うの‥?)


エリーさんの両手にはもう紙袋を何袋も持っている。

やっぱ自分の身近にはなかったものだから、余計に欲しがるものなんだってw


「あの少し持ちましょうか?」


「ううん、大丈夫、これは私が買ったものだしね。車に置いてくるから待ってて!」


ここで持たせない辺りがしっかりしとるなあ‥w


(元気な女の子だな~、それに、お金持ち独特の嫌なところがなくていい人だし)


「お待たせ。次はハラジュク?に行きたい!」


「はい」


それから原宿へと向かった。

平日とはいえ、原宿は人がごった返していた。

エリーさんはクレープを食べ歩きしたかったらしい。


「エリーさん、大丈夫ですか?」


「ええ、大丈夫よ。本当に人が多いのね。なんだか、お祭りがあるみたいでワクワクしちゃうわ」


「楽しんで頂けてるなら良かったです」


(私はエリーさんのクレープが落ちないかが心配で‥!)


どんな持ち方してんの?w


「いろんなお店があって、すごく楽しい~。今度は皐月と三人で来ましょうね」


「いえいえ!私は大丈夫ですので、お二人でどうぞ」


デート勧めてどうする~!!!Σ(゚д゚;)


「うーん、そうね。でも、皐月って食べ歩きとかしなさそうじゃない?」


(‥そうかな?お祭りの時とか、普通に食べ歩いてたような‥)


「だから、女の子がいれば二人で食べられて楽しいと思うのよね。でも、皐月って超スマートで最高にクールよね。それに日本人らしくて、いかにもって感じのエモーショナルさもないし。とっても新鮮!」


(エモーショナルさ‥感情的ってことか‥‥確かにそうだよね)


「あの‥好き‥なんですか?皐月さんのこと」


「もちろんよ」


「そう‥ですよね。あんな人、世界中探したってなかなかいないでしょうし」


(ハッキリ言えるんだ。それだけ本気で好きってことだよね‥?当然だよね、皐月さんって素敵な人だし‥)


いや、単純に人間としての好きか嫌いかってことだと‥思うんだけど?

というか、皐月さんを嫌いだ、なんていう人そうそういないと思うんだがw(ライバルとか以外で)

カジノに戻ると、皐月さんが出迎えてくれた。


「皐月、ただいま!」


「お帰りなさい。楽しかったですか?」


「とっても楽しかったわ。○○ともっとおしゃべりがしたいから、今度またどこかセッティングして」


「○○さんがいいと仰ってくだされば、いつでもセッティンしますよ」


(エリーさんは皐月さんに甘えることが出来るんだ‥)


主人公‥おっまえ‥いい加減覚醒しろーーっ!!!!!!←


「○○さん、今日はありがとうございました」


「いえ。こちらこそ色々と取材もできましたし、ありがとうございました」


「あまり元気がないように見えますが‥‥体調でも悪いのですか?」


「え‥?」


不思議に思ってると、皐月さんが手をおでこに当ててきた。


「熱はないようですけれど‥」


(エリーさんも見ているのに‥!)


「や‥止めてください!」


∑(-x-;)

思わず皐月さんの身体を押してしまう。


「○○さん‥?」


「す、すいません」


「私の方こそ。レディに対していきなりする行為ではありませんでしたね」


「私こそ‥押したりしてすいませんでした」


「○○さんは悪くありません」


「いいえ‥私が悪いんです‥」


(情緒不安定だって分かってるのに‥)


「では、二人とも悪かったということにしましょうか。そうしたら、問題ないでしょう?」


「皐月さん‥」


やさしいなぁあww


「○○さん、今夜エリーの歓迎パーティがあるんです。○○さんも参加されませんか?」


(なんか‥これ以上エリーさんや皐月さんと一緒にいると、もっと変なリアクションしちゃいそう‥)


「すいませんが、私は仕事がありますので‥」


「そうなんですね‥。お仕事なら仕方ありませんが、残念です」


「皐月、まだなの?そろそろ向かいましょうよ!」


「あ、エリーさんが呼んでますよ。あまりお邪魔しても申し訳ないんで、私はここで失礼します」


VIPルームから出ようとしたら、皐月さんが腕を掴んできた。


「エリー、先に部屋に行ってください。私は○○さんを送ってきますので」


「ああ、そうね!じゃあ、私部屋で待ってるから。○○、今日は本当にありがとう!今度は一緒に温泉に行きましょ!」


そ、それはそれで‥‥きついところがある‥ような‥‥エリーさん、ちょースタイルいいし‥(ごにょごにょ)←


「あ、はい。またぜひご一緒させてください」


エリーさんは主人公に手を振りながらエレベーターに乗って行った。


「あの‥」


「お送り致しますよ」


「‥あの、手を放して頂けないですか?」


「そうですね。掴むのはいけませんが‥これならいいでしょうか?」


皐月さんは主人公の手を取ると、優しく手を繋いだ。


「‥皐月さん!また、マスコミに勘違いされちゃいますよ!」


「ふふ、では、マスコミに見つからないように早く車に乗りましょうか」


「も‥もう!」


皐月さんに連れられて、彼のリムジンに乗り込んだ。



車の中ではさすがに手を放して座った。

放さなくていいのに。(´・ω・`)


(なんでいきなり手なんか繋いだんだろ?まだドキドキしてる‥)


「今日はエリーとどんなところに行かれたんですか?」


「最初は渋谷で買い物をして、そのあと歩きながら原宿に向かいました」


「女性の買い物は時間がかかるものですが、疲れませんでした?」


「そうですね‥。確かに少し疲れたんですが、気持ちが良いくらい迷いなく買うので、見ていて楽しかったです」


「なるほど‥。原宿でも買い物をしていたのですか?」


「はい、ちょっとだけ。あ、クレープを食べ歩きしたいっていうので、クレープを買いましたよ」


「クレープですか‥いいですね」


「原宿って人が多い中、歩きながら食べるのは楽しかったです」


「羨ましいです。私もいつか○○さんと二人でクレープを食べてみたいですね」


「いつか‥そんな日が来たらいいですね」


「いつかではなく、いつだって行くことができますよ」


「‥そうですね」


「では、私と二人で行って頂けますか?」


「え!その、皐月さんが私でよければですが‥」


「とんでもない。私は○○さんとなら、どこにでもご一緒しますよ」


「じゃ、じゃあ、楽しみにしてます」


「では、いつ、クレープを食べに行きましょうか?」


「えぇ?今、決めるんですか?」


「‥なんだか、エリーのことが羨ましいんです。ふふ、そんな風に感じる私は子供ですかね」


照れた様子で皐月さんは笑っていた。



会社に戻って来てから仕事をしていたけれど、頭の中にあるのは歓迎パーティのエリーさんと皐月さんの姿だった。


(今頃‥おしゃれをしたエリーさんと皐月さんが、いろんなセレブと食事してるんだろうなあ)


もやもやと心がすっきりしないまま記事を作成していると、何度も同じミスを繰り返してしまう。

もう一度やり直そうとすると、編集長が暗い顔してどうした?って近づいてきた。


「いえ‥記事がなかなか完成しなくて」


「ったく、お前は真面目すぎなんだよ。もうこんな時間じゃねーか。いくら頑張ったってダメなときはダメだ。そんなときはパーッと飲むに限る。というわけで、行くぞ!」


「え、私そんな気分じゃ‥あの!」


半ば無理やり居酒屋に連れて来られてしまった。


「そこ、段差気をつけろよ」


「はい‥!」


お疲れ様でしたと言いながらお酒で乾杯する。

エリーさんの話とか皐月さんの記事の話とかいろいろ話して、時々編集長のボケにつっこみつつお酒を飲むw

割とエリーさんみたいな人は俺みたいなのがタイプだって‥自分で言うなww

編集長との食事は、主人公が慣れ親しんだもので、気兼ねなく自分のペースで楽しむことができた。

結構飲んだ後、編集長と一緒に電車に乗る。


「いや~、結構飲んだなあ。だからって明日遅刻するなよ?」


「編集長も気を付けてくださいね」


「おう‥。今日ので少しは元気になったか?」


編集長はちょっと赤い顔で、主人公の頭をくしゃくしゃと撫で始めた。


「わ‥ちょっと、何するんですか!」


「お前は我慢強いが、あんまり一人で抱え込むな。あんまり詰め込み過ぎると、身体壊しちまうぞ」


編集長‥‥あんたできる男だね‥w


(編集長‥私のこと見てくれてたんだ‥)


「言いたくないことかもしれないが、相談したくなったら言うんだぞ」


はーい!!w(・∀・)/


「ありがとうございます‥」


編集長が先に降りて行って、電車の中で一人、どうしても皐月さんのことを考えてしまう主人公。

頭撫でられたときの手の大きさを思い出す。


(もう、隠せないよ。気がつかないふりなんてできない。エリーさんの気持ちを知って‥かなわないって思った‥。それって‥)


「私‥皐月さんが好き‥なんだ‥」


胸が苦しくなった。

自覚するのおそーーーいっ!!!!!!←



次回予告。

なーんかまたもや編集長が出張っておりますww

これか微妙な四角関係になりそう‥かな?

エリーさんと編集長の気持ちはさておきw

選択肢表記なし


画像の中のセリフは書いてませんので、あしからず。













1日目、主人公がミュージカルの審査に通ったところから始まります。

全然ダンスできなくて、審査役だった一磨さんになぐさめられ、一刻も早く忘れ去りたかったオーディションに受かったということで主人公は本当に信じられない気分。

しかも一磨さんの相手役。

うわーぉ、これまたバッシングの的にならないか‥?

他のオーディション受けた人たちからさあ;;

そして‥一磨さんに口チャックって言われて本当に口チャックする亮太くんかわゆすww(よく分からない)

って思ってたら、ダブルキャスト、一磨さんのもう一人の相手役として立花綾香が登場‥

まさか一磨さんルートで来るのか‥‥慎之介さんルートには出てきそうだなって思ってたけど‥

このルートの立花綾香はプロの俳優と渡り合えるほどダンス、演技がちょーうまい。


「うん、基礎は完璧だ。新人とは思えないね‥‥どこかでやってたの?」


「アヤなんて全然ですよ~小さいころから養成所通って、デビューするためにずっとレッスンをしてただけですし。アヤ思ってるんですよね。この芸能界でやっていくのに何の勉強もしないでデビューとかありえないなあって」


そう言って、じろっと主人公を睨んでくる。

うーん‥ずっとデビューするためにやってきた人にとっては、主人公みたいな子は目ざわりに思っちゃうのかな~;;

かといって、主人公も主人公なりに頑張ります。

共演者や咲野さん(有名な演出家)に認めてもらえるように居残ってダンスレッスン。

そのうちに一磨さんと一緒に毎日ダンスレッスンに明け暮れて、あまり褒めない咲野さんからもお褒めのお言葉をいただくんだけど・・・・アヤちゃんにとってはいらつくみたいで、そういう公私混同って好きじゃないなあ~って嫌味を一言。

お前‥‥主人公を嫌いなのは分かるが、共演者との前と主人公の前で態度豹変させすぎだろ‥もう慣れたけど。┐( ̄ヘ ̄)┌←

公私混同と言われ、主人公は一磨さんに迷惑かけてばっかりかも‥とマイナス思考に。

練習に付き合ってもらって、怪我して送ってもらう日々。

ただ迷惑しか掛けられてない自分‥


(確かに、公私混同なのかも‥‥)


「どうかした?元気ないね‥」


いつものように車で家まで送ってもらう道すがら。


「大丈夫です。ちょっと、うまくいかない部分があって‥‥家で調整しなきゃって考えてました」


「なら、いいけど‥」


納得の言ってない顔をしながらも一磨さんはそれ以上聞いてこなかった。


「でもね、俺も最初の舞台はすごく緊張してたから‥」


その代わりとでも言うように、一磨さんはミュージカルの話をしてくれた。

優しいね‥相変わらず‥(ノ_・。)

主人公はその話に思わず笑うも、公私混同のことはちゃんと考えなきゃと思うのだった‥

ここがレベル4、最後までなんですけどー‥まあ、綾香の気持ちはなんとなくわかる。

ずーっと芸能界に入るために養成所通ってきつい練習にも耐えて、やっとデビュー→まさかのダブルキャスト、しかもド下手なら‥嫌味のひとつも言いたくなる気持ちもわかるけどさー‥いちいちつっかかってくるところが若いっていうか‥‥やっぱ綾香のキャラだなあって思っちゃったり。

書かなかったけど、みんなの前で主人公がダメな子じゃんって思わせるような発言したりして‥‥まあ、裏工作して潰そうとしてないからまだマシだが。(本編のはうp主のトラウマ)

で、主人公‥一磨さんと一緒にダンスレッスンするの断りました。

足の痛み(ダンスの最中に捻挫しちゃって、一磨さんが気を遣ってくれてた)もマシになったから、帰りも一人で大丈夫だし、ダンスも一人でするー的なことを‥

でも、今まで二人でやってリズムが取れてたので、一人でのダンスレッスンはなかなかうまく行かず‥


(そっか、ここって一磨さんとの掛け合いなんだよね‥)


今、苦戦しているのは主役の一磨さんとの感情のぶつけ合いを歌で表現するシーンだった。

と、その瞬間、鏡越しに一磨さんの姿を発見。


(うそ‥‥なんで、一磨さんが‥?)


「あ、あの‥?」


「隣のスタジオで俺も一人で稽古してたんだ。でも‥‥どうせ、こうやってお互いに居残り稽古するんなら、相手がいた方がやりやすいと思うんだけど‥‥どうかな?」


「でも‥」


(そんなの、一磨さんの足を引っ張っちゃうし出来ないよ‥)


何も言えなくなって、黙りこむと一磨さんは真剣なまなざしを私に向けた。


「朝、言ったでしょ?良いミュージカルになるように頑張るって。それは俺も同じ気持ち。だったら、出来るときだけでもこうやって一緒に稽古してもいいと思うんだ」


ですよねーwどのみち本番ではそうなるんだし。

練習でもそうしてた方が、本番安心に思うよね。


(一磨さん‥)


一磨さんは笑顔で、譜面台から主人公の楽譜を手に取った。


「さっきは、ここで詰まってたよね‥じゃあ、少し前の俺のフレーズから歌うから合わせて?」


「‥はい!」


(良い舞台のため‥‥だから、これは公私混同じゃないよね?)


おう!!(・∀・)

で、一磨さんが主人公のこと心配ってことで結局送り迎え、続けることになりましたww

もう付き合っちまえよww〈まだレベル5〉

それから主人公は一磨さんのことを気がつけば考えることが多くなりました‥‥ああ‥山田ちゃんが勘付いてるような感じ‥;;

たまたま歩いていく一磨さんを発見して、共演者と仲良くなるのはいいがくれぐれも共演者としての立場を忘れるなって釘を刺されました。

ま、まだレベル5だしね!!


「じゃあ、第8場の頭から‥」


パチンと演出家の咲野さんが手を叩いて、盛り上がり始める後半部分の要になるシーンの稽古が始まった。

ミュージカルも本番に近くなって、今は主役の一磨さんとの恋愛シーンを集中的に集めていた。


「僕の気持ちは、最初から変わってなどいない。それはキミが一番分かっていると思っていたよ‥」


後半最初の山場。

主人公が相手役に向かって、明確な言葉を避けて想いを告げるシーンだ。

相手役は、主人公のためにその思いを諦めさせようとウソをつく‥


「‥私があなたの気持ちを分かっても、あなたは私の気持ちを何一つ気付いてくれなかったじゃない。だから、私は‥‥」


(本当の想いを押し殺して、ここで微笑みを見せる‥)


セリフを言い終わり、笑顔を浮かべた瞬間、咲野さんが手を叩いた。


「一旦、止めさせて!」


咲野さんは一磨さんと主人公の間に入っていく。


「うーん‥悪くはないんだが、このシーンの○○ちゃんにはもう少し情熱的な感じを出してほしいんだ」


「すみません‥」


(情熱的‥)


ラストシーンに向かって、駆けあがっていくための重要な山場。

咲野さんの言葉通りの熱量が必要なのに、足りなかったことに悔しくなる。


「あのー、気になったんですけどアヤは情熱って足りてますか?」


おっまえ‥他の人が演技して注意受けてるときに横やりいれてくんなよ‥‥私の方が上よーって遠まわしに嫌味じゃん。

咲野さんに向かって、小首を傾げて困ったような顔で聞いたのは少し前に稽古を終えたアヤちゃんだった。


(‥‥アヤちゃんと比べられたら、私‥)


「あー‥‥立花は、情熱というか執念が強すぎる。それはそれで味があるが、○○には違うプランで演出をつけたい」


咲野さん、直球ww

はっきりと咲野さんはアヤちゃんを制して主人公を見た。

つまり、同じ演技でも相手役が変わればがらりと演出が変わるっていうミュージカルなわけね。

同じミュージカルでも二度楽しめるってやつか。


「良くも悪くも立花の真似はするな。お前は、そうだな‥‥」


咲野さんは少し考え込んでから、ふっと笑顔になった。


「たとえば‥‥シェイクスピアの喜劇、『夏の夜の夢』の前半、恋に盲目なヘレナなんかを参考にするといいかもしれないな」


咲野さんの言葉に同意するように、スタジオにいた共演者の皆さんたちが感嘆の声を上げた。

・・・・最初は主人公のことよく思ってない感じの共演者たちだったけど、こういう反応するってことはちょっとは認めてもらえてる‥のかな??

一磨さんもアヤちゃんも頷いてるが、主人公は肝心の喜劇、夏の夜の夢を見たことがない。

はーい、一磨さんが持ってまーすww

ってことで、翌日持ってきてくれましたww


「‥‥○○ちゃん、おはよう」


「お、おはようございます。あ、これ‥」


「そう、昨日言ってたDVD‥‥」


差し出されたものは約束していたDVDのケースだった。


(本当に持ってきてくれたんだ‥)


「ありがとうございます!」


と、一磨さんからDVDを受け取ろうとしたところで、誰かに後ろから飛びつかれた。

驚いて後ろを振り向くと、



Kaleidoscope-110314_1637~02.jpg


触るな(,,#゚Д゚):∴;'・,;`:ゴルァ!!!!!←


「ア、アヤちゃん‥‥どうかしたの?」


「えー、○○ちゃんがソレ聞いちゃうの?」


(‥って、言われても‥‥)


ねーww


「アヤだって、同じ役なんだよ?○○ちゃんばっか一磨くんと仲良くするのはダメー」


あはは~wだからって責められる意味がわかりませんww


「そういうわけじゃないんだけど‥」


「ねえねえ、一磨くん。○○ちゃんと何の話をしてたのー?」


しかも言うだけ言って放置だしww

すると、一磨さんはテレビや雑誌で見るようなWAVEの時の笑顔を浮かべた。


「うん、ちょっと。‥‥でも、大した話じゃないから」


「ええ~何ソレ‥‥教えてくれないのお?」


語尾を伸ばすな、気持ち悪い。


「‥いいもん。○○ちゃんだったら‥‥」


くるっと一磨さんに背を向けた途端に、アヤちゃんの表情は一変した。

主人公を鋭く睨むように見てから


「アヤのこと仲間に入れてくれるでしょ?教えて?」


にっこり微笑んで、アヤちゃんは主人公の手を力いっぱい握りしめた。


(‥痛い!)


デタ。力技。

翔くん、慎之介さんルートしかり、何かと力技で解決しようとするよね~この子。(器物破損しましたこの子)

主人公はひきつりそうになる顔でアヤちゃんに向かって口を開いた。

ガマンするとこ間違ってるぜ‥主人公‥


「えっと‥別に、そんなアヤちゃんに言うような話じゃないよ?」


(きっと、話したら公私混同って言われちゃう‥)


ミュージカルに関係があることとはいえちょっと抵抗がある。

それになんだか一磨さんの優しさを無駄にするような気がして‥

ふと一磨さんを見るふっと優しげな微笑みを浮かべた。


(え、一磨さん‥?)


思わず目を丸くしてる主人公に向かって唇に人差し指を当てて頷く一磨さん。


(もしかして、ナイショってこと?)


一磨さんのメッセージにほっとする。


「‥‥えっと、話すほどの内容は本当にないよ?」



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はあ~?ウルサイッ!!(メ ̄Д ̄)ノシュッ===Σ(⊂囲⊃゚;)モゴッ お前の方が感じ悪いわ!!(・∀・)

少しいらついた様子でアヤちゃんが睨んでくる。


「だ、だから、それは‥」


睨みつけられて、思わず視線を外す。



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「昨日、咲野さんが言ったと思うんだけど」


「え?」


主人公じゃなく、一磨さんが話しだしたことに驚く綾香。



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「そういうことを勉強してきた、立花さんなら分かるよね?」


微笑んでるのに、どこか威圧感のある笑顔で一磨さんは言い切った。

一磨さぁああぁああぁあんwwо(ж>▽<)y ☆

遠まわしに「お前うざい、消えて」とおっしゃってくれましたよー!!!(※断じて言ってない)


「そ、それは分かってるけど‥‥」


小さな声でボソボソとつぶやく。


「‥‥いいけど、別に!○○ちゃんが隠し事するだけのすっごい演技するってアヤ、期待して見るだけだしっ!」


一瞬だけキッと主人公を睨んで退散~‥はいはい、人の恋路を邪魔するものは馬に蹴られて地獄に落ちちゃってね?w


つかさ、何話してたのかわかんない状態なのに、私に隠し事するなら隠し事するだけのすっごい演技してみなさいよって意味不明なんですけどw

とりあえず、ざまあww←


(うう‥何か今日のアヤちゃん、すっごく怖かった‥)


このルートで一番痛い感じが出てましたね~w

一磨さんが目の前でいたずらっぽく笑った。


「‥これのことは、○○ちゃんだから貸そうと思って。だから言いたくなかったんだ‥‥改めて、はい」


DVDケースをやっと渡してもらえたーと思ったら、なんか軽いと思って中身を見たらDVDがなかったw


「あれ‥?」


「え!?うわ、そうだ‥‥昨日、確認のつもりで観て‥中身、家だ」


確認のつもりで観たんかいなww


「ごめん!とりあえず‥稽古の休憩になったら取りに戻るってことでいい?」


「あ、いえ‥その、気にしないでください」


でも休憩時間にわざわざ取りに帰らすのは悪いってことで、稽古時間が終わった後一磨さんの家にお邪魔することにw

なるよねーww



(うわ、すごい‥)


稽古の帰り、主人公は一磨さんの家にお邪魔した。

夏の夜の夢だけじゃなく、亮太くんが出たという咲野さん演出のDVDもあって、割と短い舞台だからそのまま観ようかって話に‥‥そして、そのままずるずる舞台の話で盛り上がって別のDVDまでwそして気付いたらもう夜遅くww

これスクープされたら大変なんじゃw

ただDVDを観ただけじゃ悪いので、コップを一緒に洗うw(なにこの新婚さんww)


(あ、そうだ‥さっき言いかけてたこと‥)


「さっき観た部隊の告白シーンも、あのシーンに生かせそうです。ラスト直前に主人公がヒロインを好きというシーン‥‥観ていて痛いほど気持ちが伝わってきて‥」


「俺も、そのシーンすごく好きで何回も見返した。だから、セリフも全部覚えちゃったな」


言って、洗ったばかりのカップを手渡す一磨さん。

受け取ったカップを拭いていると、ふいに一磨さんが主人公の方に身体を向けた。


「気がついたら‥‥誰よりも好きになってた」


熱っぽいまなざしを真っ直ぐに向けられて、一気に鼓動が跳ね上がる。

カップを落としそうになりながら一磨さんを見つめた。


「‥‥‥」


「‥‥‥」


主人公たちは蛇口から流れる水の音だけがする中で、無言で見つめあう‥。


「俺‥」


一磨さんが言いかけたその瞬間、遠くでインターフォンの鳴る音が響いた。


「一磨、いるー?いるよね、いるってことで入るよ~」


亮 太 く ん ‥ o(TωT )



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まじましと顔を凝視されて、主人公は困惑の眼差しを一磨さんに向けた。

すると、一磨さんも困惑した顔で瞳を揺らす。



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何度も頷きながら、主人公と一磨さんを交互に見つめる亮太くん。


「もしかして、そういうこと?」


とにやりと人の悪い笑みを浮かべて、一磨さんの肩を叩く亮太くんに主人公は慌てて弁解するんだけど、この状況でそう言われても普通信じられないけど?って言われてしまう。

結局亮太くんに邪魔されちゃったので、夜遅いしってことで一磨さんの車で家まで送ってもらうんだけど・・・なぜかついてくる亮太ちゃん。

しかも、次の日一磨さんが迎えに来てくれた車にも亮太くんが乗っていた‥え、もしかして、パパラッチに狙われないようにしてる??

それからも何かと主人公にちょっかいを出してくるんだけど・・・・えーと・・・・・これは‥どういうことですか!?

数日後。

衣裳も決定し、本番も近いということで全体を通す稽古をすることになった。

ダブルキャストということもあって、全員揃っての通しけいこは一日一回ずつが限度。

そのあと自主練をしていたら亮太くんが来て、これからどっかいかない?と。


「この前、約束したドライブ‥‥行こ?」


耳 元 で さ さ や く な あぁああぁあ!!!!!!!!!!!!!!((((((ノ゚⊿゚)ノ


「りょ、亮太くん!?」


「あ、一磨見っけ」


抗議の声を上げようとする主人公から離れて、亮太くんはちょうど歩いてきた一磨さんに飛びかかった。


「うわっ!って亮太、お前なんでここに?」


「それはどうでもいいとして、今からドライブ行くことになったから」


「はあ?」


「ねえねえ、○○ちゃんからも一磨誘ってよ」


「え‥そんな、一磨さん疲れてるだろうし‥‥無理させるのは悪いよ‥」


(ただでさえ一磨さんは、2パターンの演出で大変なのに‥」


「いいじゃん、ちょっとドライブするぐらい‥俺、そんな無茶ぶりしてるつもりないけど?」


てか亮太くん、キミ仕事は??

結局亮太くんの押しに負ける形で三人でドライブすることになった。

横浜の海辺近くまでドライブして、ラーメン屋台で夜ごはんww

屋台かあ‥屋台のラーメンとかおでんとかって食べたことないんだよね‥ちょっとあこがれがww←


「あの‥一磨さん、疲れてませんか?」


「それなりに、ね。でもまあ‥‥こういうのもたまにはいいかもな。それにあの亮太には、かなわないよ」


(もしかして‥)


「‥『俺』って言ってる亮太くん、ですか?」


「‥‥そっか‥○○ちゃんは気づいてたんだね」


亮太くんは仕事場では一人称が僕、オフでは俺に変わります。

まあつまり、でっかい猫をかぶっとるんですわ。

ドライブの帰り。

途中で亮太くんは後部座席で爆睡してしまって、一磨さんと小声で会話。

リーダーってやっぱ大変そうですねっていう主人公に対し、WAVEのメンバーがすごいやつらばっかりで、俺はかなわないことだらけだけど‥だからこそ、こうやってリーダーでいられて幸せだって。

本家ルートと繋がるところがあるなあ‥w


「でも‥」


「でも?」


何か言いかけようとしたんだけど、途中でなんでもないとごまかされてしまった。


(でも‥ってなんだったんだろう?)


家について、走り出した車を見送ってからも、主人公はしばらく首をかしげてしまった。



信号待ちで車が停まった途端に、一磨は大きな溜息を吐いた。


「‥‥さすがに、今度は二人で行きたい‥とか、言えるわけないよな」


一磨はハンドルに腕を預けて、もう一度深い溜息を吐くのだった。

そんな一磨をいつの間にか起きていた亮太がじっと見つめて‥


「言えばいいのに‥」


そう小さくつぶやいたことに、信号が変わり運転に意識を向けた一磨は気付かなかった。

亮太くんは邪魔しようとしているのか応援しようとしているのかどっちなんだ??

この文だけ見ると応援してるようにしか見えないんだけど‥‥書いてないとこの端々で亮太くんの表情がなんかさぁあ‥



ミュージカル公演も間近。

午後からはリハーサルが予定されている。

そして今は、ダメだしの入る通し稽古の真っただ中‥


「僕の気持ちは最初から変わってなどいない。それはキミが一番分かっていると思っていたよ‥」


(‥今まで問題だったのは、この後の場面‥)


「‥‥私があなたの気持ちを分かってても、あなたは私の気持ちを何一つ気付いてくれなかったじゃない。だから、私は‥」


セリフ終わりに、主人公は艶っぽく微笑んで見せた。


「もう、あなたなんていらない。だって私は、幸せになりたいのよ。今のあなたには‥私を幸せになんて、出来ないのだから」


いつもはこのシーンで情熱的にと咲野さんに止められていた。


「それでも、僕の気持ちは‥‥ずっと変わらない!」


主人公がはけるのをみおくってから、主人公は顔を覆って泣き出した‥。

本番では、ここで暗転して場面転換する。

役の気持ちに入り込んで泣いていると手を叩く音がした。


(あれ‥‥もしかして、今って止められなかった‥?)


聞こえた音に我に返って、主人公は呆然と目を瞬かせた。


「○○、よく作り上げたな‥‥情熱のある大人の女性らしさが出ていたよ」


「ありがとうございます!」


なんとか主人公は、咲野さんのイメージの役を作り上げられたみたいだった。

ぼんやりと一磨さんを見ると、一磨さんが優しい笑顔でうなずいてくれた。


「ラストまで行きたいところだが、集中も切れる頃だし昼休憩にしよう」


主人公はほっと息を吐いて自分の荷物の置いてある場所に向かった。


(本当に良かった‥)


水を飲んでると、綾香が主人公の隣にしゃがみこむ。



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なんだよー(-з-)


「アヤちゃん‥?」


「もう本番間近だし、アヤ、言いたいこともやりたいことも我慢できないから言うね」


いつも言ってんじゃんww


「え?」



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お前が主人公のこと好きなルートってあんの??(京介ルートは割と好意的だったが、まだまだ油断はできん)←


「あ、うん‥」


正々堂々と面と向かって言われて、反応が遅れてしまった。


(まあ、薄々そうかなとは思ってたけど‥)


どうして今、そんなことを言い始めたのかはかりかねていると、綾香は言葉を続けた。


「だって、最初はド下手で‥‥なんで、こんな子とダブルキャストでやらなきゃなんないのか、すっごくむかついて」


(‥まあ、そりゃそうだよねえ‥)


ま、それは仕方ないな。(・∀・)←

主人公が何も言い返さないでいると、綾香が複雑な表情で深々と溜息を吐いた。



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「だから、前ほどは嫌いじゃないかもね?」


あーそりゃどうも?


「あ、ありがとう‥?」


「相っ変わらず、一磨くんのことは公私混同しちゃってるみたいだけど!でも、いいんだ。アヤのが実力は上だし、それくらいのハンデあったほうが張り合いはあるから」


かわいい顔ですごいことを言って、ふふと声をあげて笑うアヤちゃん。


(こんなこと言ってても、アヤちゃんってかわいいな‥)


だから!お前の綾香に対する脳内思考はそれしかないのか!?

もっと別に思うことがあるだろう!?

本家でもこっちでも、何かあるたんびにかわいいなあ‥と脳内でぼやきやがって‥‥いや、かわいいのは認めるけど。←

そう思いつつ、空笑いを浮かべていると一磨さんが近づいてきた。



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どことなく心配そうな一磨さんの声。

一磨さんをちらりと見ると、綾香は大げさに肩をすくめた。



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満面の笑顔で綾香は去って行った。

いや、もうすでに当て馬状態ですけどね!?(言うな)

呆然と見送ったところで一磨さんと目があった。


(うわ‥‥何か、恥ずかしい‥)


綾香が残した言葉の余波で変に照れてしまって主人公は視線を外してしまう。


「よくわからないけど‥‥大丈夫そうだね?」


「は、はい‥」


ちらりと一磨さんを見ると、なんだか困ったように微笑んでいた。


(‥‥って、あれ?一磨さん‥‥何か顔色が悪い?)


「あの、一磨さん‥‥体調とか悪いんですか?」


「え‥?」


驚いた顔をした瞬間、一磨さんはいつもの笑顔になった。


「大丈夫。もうすぐ本番だし、迷惑かけるつもりはないから」


はっきりとそう言われ、これ以上聞けそうになかった。


(そうだよね、一磨さんって‥絶対に弱音を吐かない人だった‥)


主人公ははあっと息を吐くと一磨さんを真っ直ぐに見た。


「一磨さん、でも‥‥無茶はダメって私にも言いましたよね?‥厳しいときは、ちゃんと休んでください」


「うん‥でも、本当に平気だから。‥‥心配してくれてありがとう」


そう言うと、一磨さんはスタジオを出て行ってしまった。

その後休憩が終わる時間になっても一磨さんは戻ってこない。

もしかして倒れてるんじゃと思い、控室に言ってみる。


「‥失礼しまーす‥」


ノックしても返事がないので、おそるおそる控室に入ると、机に突っ伏した一磨さんが目に入った。


(あ‥‥やっぱり疲れてるのかな‥でも、起こさなきゃ‥‥)


主人公は申し訳ない気持ちで、そっと肩に手を触れようと伸ばした。


「‥‥○○、ちゃん‥‥」


肩に触れそうになった瞬間名前を呼ばれた。

慌てて手を引いて、一磨さんを伺うと目を閉じている。


(今の‥‥寝言?もしかして、私の夢‥ってまさか、そんなはず!)


動揺して一歩後ずざると、かかとに置いてあった椅子にぶつかりその音が響いて一磨さんを起こしてしまった。


「ん‥‥」


ぼんやりとした顔で目をこすって、主人公をじっと見る一磨さん‥。


「ああ‥‥やっぱり、そこにいたんだ‥」


(やっぱり、って‥?)


「あ、あの‥?」


まだ完全に目が覚めていないらしい一磨さんは、私に向かって柔らかい微笑みを向けた。


(うわ‥‥って、違う!そうじゃなくって‥)


「起しちゃって、すみません。もうすぐ時間なんですけど、戻ってなかったので気になって‥」


「‥‥え?」


なんとか状況を説明すると、一磨さんは不思議そうな顔をした後で、ハッと息をのんだ。


「お、俺‥‥もしかして今、寝言‥言ってた?」


困惑しきった顔で口を押さえて、主人公を見てくる一磨さん。

言ってましたよ~ww( ̄▽+ ̄*)

でも主人公はなんだか言いづらくて、時計を見ずにもう稽古が再開する時間ですよ!とその場から逃げ出す。


「待って、○○ちゃん!」


次の瞬間、一磨さんに腕を掴まれて、その反動で後ろに倒れ込む。

一磨さんに後ろから抱きしめられるような形にw

おいしいシチュだな~ww

なんだかんだで稽古の時間なので戻ることになるんだけど、いったいどんな夢を見てたんだろうかw

その後のリハーサルは、このことがあってぎくしゃくしてしまってミスを連発。

咲野さんいわく、付き合い始めのカップルみたいな演技にww

だけど本番は待ってくれるはずもなく、ミュージカルの幕は上がる。

初日のキャストは綾香で、自分の実力の方が上だと宣言した通りの芝居を見せた。

初日は大盛況のうちに終わったのだった。


(いよいよ、明日か‥)


早くも、一瞬でも力を抜いた途端に震えが止まらなくなりそうなくらい緊張している。

交互にダブルキャストとして演じるため、二日目の明日が主人公にとっての初日。


(緊張してないで、とにかく練習しなくちゃ‥!)


主人公は本番終了後の舞台の上で、細かい動きを確認しながら自分のセリフを確認していく。

その途中、問題の多かったところで不安を感じてしまい、声が震えてきてしまった‥。


「触らないで!」


(ここで一磨さんの手を叩くんだよね‥)


このミュージカルは、時代や取り巻く環境に、想い合う恋人同士が翻弄されてしまう恋物語だ。


(私の役は、主人公を守りたい一心で本当の気持ちにウソを吐き続けて‥)


本心と真逆なことを、笑顔で一磨さんの演じる主人公に投げつけたりもする。

だけど、このシーンの前で私が演じる彼女が、自分のためにウソを吐いていたことを主人公が知って‥。


(真実を知られているとも知らずに彼女‥‥私は、またウソを重ねる‥)


「本当に失礼な人‥‥何を勘違いしているかわからないけど、あなたに私の何がわかるの?私の答えなんて、最初から分かっているでしょう?」


泣きそうになる気持ちをこらえて鼻で笑う。

だけど、全てを知った主人公は、もう揺らがずに、ただ彼女だけを取り戻そうとして動く‥。


(‥‥で、ここで一磨さんが‥)


頭の中で主人公のセリフを反すうした瞬間。


「知っているよ。キミの答えはきっと否だろうね。だけど、僕はもうそんな答えは絶対に聞かない‥‥」


聞こえるはずのない、一磨さんの声が背後から聞こえてきた。



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(ウソ‥‥なんで!?)


「僕は、全部知ってしまったよ‥‥さあ、本当の答えを‥」


「わ、私は‥」


主人公は動揺してセリフに詰まっても、一磨さんは表情を変えない。


(‥‥このまま、続けて‥?)


何も言わない代わりに、一磨さんは目で私に促した‥。


(‥よし、やってみよう‥)


お芝居の空気を壊さないように、静かに頷く。

そして、主人公はラストシーンのセリフを口にした。


「私は、私にはもう、選択することさえ許されていないのです。結局、私は何のためにこうなってしまったのでしょう?もう取り返しがつかないのに、今になって、昔のことばかりが脳裏をかすめていくんです‥」


「取り返しがつかないなんて、そんなことあるわけがない!だから、最後にもう一度、キミの本当の心を聞かせてほしい‥。僕がキミの幸せを与えてあげたいんだ」


「だけどもう、私は幸せになんて‥‥なれない‥」


役と感情が完全にシンクロして、胸が痛くて苦しくて涙がこぼれ落ちた。


「僕は、キミが好きだ。最初から今も変わらず、愛し続けてる。この気持ちは絶対に変わらない‥‥すれ違ってしまった時間は取り戻せないかもしれない。だけど、今もキミの心に僕を愛する気持ちがあるなら‥」


二人きりの舞台。

客席にも誰もいない静かな空間。

一磨さんが主人公に、一歩一歩と近づいてくる足音だけが響く。


「僕が何より一番大事なものはキミ以外に何もないから‥」


泣き崩れる主人公の背中に手を回して、抱きしめる一磨さん。

私は、ゆっくりと一磨さんの背中に手を回して‥


「最初から、私の幸せは‥‥あなたの席にいることしかなかったのに‥」


「こうやって愛は、ときとして真実の眼をくもらせてしまう。けれど、それでも人を誰かを愛さずにはいられない‥。だからこそ、どうか一番近くにある本当の愛から目を離してはいけない‥‥それだけは忘れないで‥‥」


一磨さんがラストのセリフを言った途端に、ガクンと膝の力が抜けて、主人公はその場に座り込んでしまった。


「○○ちゃん、大丈夫!?」


「すみません‥‥何か、完全に夢中で‥」


(でも何だろう‥‥すごくしっくりきた気がする?)


バラバラだったパズルのピースがキレイにはまったような充実感を感じた。


「うまく言えないんですけど、何か、すごかったです‥」


「今の、今までで一番良かったね‥」


(一磨さんも、そう思ってくれたんだ‥)


「これで今日は、心おきなく寝れるな」


一磨さんはイタズラっぽく笑う。


「もう、一磨さん!」


一磨さんと主人公は、顔を見合せて笑い合った。


「それじゃあ帰ろうか。送るよ」


そう言われ、もう照明が落ちた真っ暗な廊下を歩いて駐車場に向かう。


(何か、ちょっと怖いかも‥)


そう思った途端、一磨さんが手を握ってきた。


(え‥?)


「ここ段差あるよ‥‥足元、気をつけて?」


おおおおお!!(ノ゚ο゚)ノこれは今まで見たことないスチルだ!本家のシーズンであったかもしれないけど、まるでやってないから分からない‥←

駐車場に着く頃になっても、手は繋がれたままだった。


(えっと‥‥いつまで繋いでるんだろう‥)


いいじゃんwいつまででもww

ますます顔が熱くなっていくのがわかる。


「○○ちゃ‥‥」


振り返った一磨さんが、目を丸くして言葉の途中で途切れさせた。

それから一磨さんは、ゆっくりと繋いでる手を見つめて‥。


「うわっ‥‥ご、ごめん!」


一磨さんは慌てて手を離した。

離さなくてもいいのにー(・ε・)


「い、いえ‥」


(うう‥‥顔、真っ赤なの、気付かれちゃった‥)



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「いや、謝ることもないか」


照れた顔のまま、一磨さんは微笑んだ。


(え‥?)


「あんまり遠慮してると、また咲野さんに怒られるかもしれないから。‥‥付き合いたてのカップルじゃないんだから‥って、ね?」


(う‥冗談だって分かってるのに‥)


余計に心臓がドキドキするよねーw


「情熱的に、愛し合ってなきゃいけないんですもんね?」


「そう。でも‥‥やっぱり思い返すと、さっきのはちょっと照れるかな」


照れ笑いする一磨さんに、主人公もつられて顔が赤くなる。


「正直、私もです」


素直に白状すると、一磨さんは頭をぽんっと撫でた。


「‥‥明日は、俺たちらしく頑張ろう?」


(そうだよね‥。よし、明日の本番も私らしく頑張らなくちゃ‥)


主人公は一磨さんに大きく頷くと、心の中で気合いを入れたのだった。

選択肢

会えてよかったです

一人で帰れます














テレビにはまだ、皐月さんとアメリカのホテルチェーンの令嬢の姿が流れていた。


(あの人、一体誰なんだろう‥)


お、ライバル心に火がついちゃったか?w←


「険しい顔してどうした?」


「い、いえ。皐月さんの隣にいる人は誰なのかなって思って」


「ああ。彼女の名前はエリー・マッキンタイアーって、アメリカの財閥の娘だ。親日家で今回の同行の表の目的は、観光ってことになってる」


「詳しいんですね、編集長」


「当たり前だろ。っていうのはウソで、さっき別のチャンネルで言ってた」


「ああ‥そうなんですか‥」


「しかし、もしこの二人がくっついたりしたら、それは世界経済に大きな衝撃だな。日本の景気も一気に上がるかもな」


「皐月さんの結婚って世界経済を動かすものなんですね‥」


でかすぎる話で頭がついていかないw


「今さら何言ってるんだ?近くにいたんだから分かるだろ。最初っから住む世界が違うんだからな」


(最初は分かってたけど‥。いつからか、消えちゃってたな、その認識‥)


「しかし、これはいい記事になるな。○○、取材して来い」


「え‥?」


「え、じゃないだろ。北大路皐月の記事だよ。お前が行かないで誰が行くんだ?」


「そ‥そうですよね‥。行ってきます」


(私、何に傷ついてるんだろ‥。身分の差?それとも、知らない人をエスコートしてる姿?皐月さんに会えば、わかるのかな‥)


気がつくと、足取りが重くなっていた。

カジノに到着すると、予想以上のマスコミが集まっていた。


(すごい人の数!前が全然見えない)


「あっ!皐月さん‥と噂の女性だ‥」


二人は余裕の態度で仲良く話をしている。


「これは、本当に結婚までいきそうだな」


「経済界が大激震だな」


「これから、ライバル企業がどうでるかも、目を光らせておく必要があるな」


周りのマスコミの言葉にどんどんへこんでいく主人公。

負けるなあー!!!| 壁 |д・)

すると、皐月さんがマイクを持ってマスコミに向けて話を始めた。


「本日は、当カジノにお越し頂きありがとうございました。先日から様々な噂が飛び交っていますが、それに対してきちんとご説明をさせて頂きたいと思います。ますが彼女のご紹介を皆様にさせて頂きます」


思わず視線を逸らしてしまう。

でも、ひそひそと語り合う記者の笑顔が目に入り、どこも見たくなかった。


(みんなが祝福しているお付き合いなんだ‥)


いやいや、付き合ってないっしょ!!?


「ご紹介いたします。エリー・マッキンタイアーさんです」


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「日本の皆さん、こんにちわ!エリーです!日本に来れてハッピーです!」


全身も出るんだけど、ちょーぼんきゅっぼんないいスタイルしとるw(親父くさい)


「彼女は今回、日本に観光で訪れました。皆様が噂されているようなことはございませんので」


「そうでーす!今回は日本をエンジョイしに来ました!」


明るく挨拶すると、皐月さんの腕に抱きついた。

ゴラァアアア!!!!!!!!ヾ(。`Д´。)ノ←

その瞬間、シャッター音がひときわ大きく響き渡る。


「エリー、ここは日本です。みだらに男性に触れてはいけません」


「さすが、サムライの国ね。でも、つまらなくないの?」


「サムライはもういませんが、つまらなくはありませんよ」


「私が恋人なら、退屈しちゃうわ」


「恋人になら、いいかもしれませんね」


ううーん、これは狙ってる発言なのか‥単にジョークなのか‥‥分からんなあw

納得したのか、皐月さんからの腕から離れた。


「お二人は大変仲がよろしいようですが、婚約しているのですか?」


「ふふ、残念ですがそれはありません。今回はビジネスと観光ですね」


「では、北大路皐月との婚約は、将来的にどうお考えですか?」


「うーん、どうって言われても、恋人じゃないしね」


せっかちすぎだろ、このマスコミどもww


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で、これが通常の立ち絵‥かな?


「皐月の対応しだいってとこかしら?」


「エリー、記者の方が信じてしまいますよ?」


「ふふ、どこの国のマスコミも、簡単に人を信じてしまうのは一緒ね」


(マスコミに対してもしっかり受け答えしていて、ちゃんとしてる人なんだな。もっと遊んでるようなイメージがあったけど)


私も今のところやな感じはしない‥かな。

やけに抱きつく人っぽいけど、それは欧米式だし。


「それでは、今日はエリーを紹介した、この会見を開かせて頂きました。ですので、今日のところはこれで修了させて頂きます」


マスコミがざわつき始め、皐月さんとエリーが立ち去るのを邪魔しようと二人を囲んでしまった。


「恐れ入りますが、通して下さい」


「これだけ答えて頂けませんか。北大路氏の中では、お付き合いのことなど考えておられるのでしょうか?」


「今は何ともお答えできません」


というか、一日でなんでそんな質問内容になるんだw


「では、彼女のことをどう感じておられますか?」


「とても素敵な女性だと思っていますよ。けれど私は‥あ‥」


困った表情を浮かべていた皐月さんが、一瞬で笑顔になった。


(気のせいかな‥。目が合っている気がするけど)


「○○さん‥!」


(気のせいじゃない。‥気がついてくれたんだ)


皐月さんはマスコミの人たちを退け、主人公の方に近付いてきた。


(こっちに来てくれるのは嬉しいけど‥いいのかな?マスコミもいるのに‥)


「動かないでくださいね。今、お迎えに上がりますから」


でも皐月さんが動くのと同時にマスコミたちも動くので、主人公巻き込まれてもみくちゃにww


(く、苦しい‥!みんな私より身長が高いから余計に‥)


満員電車で酸素がない状態と同じ状態?

あれかきついよねー‥私、背が小さいからよけー酸素が;;

苦しいと思っていたら、皐月さんに抱きかかえられ苦しみから解放された。


「大丈夫ですか?やっと、○○さんにたどり着きましたね」


「会えてよかったです。今日はもう会えないと思っていました」


「そうですか?私は会えると思っていましたよ。けれど、こうして近づけるとは思っていませんでしたけれど」


皐月さんは腕に力を込め、にこりと笑った。

おーい、マスコミ空気ww


「あの‥私は大丈夫ですから‥」 


(危ないからだってわかっているのに、緊張しちゃう)


「こうしていないと、○○さんがどこかに行ってしまいそうです」


「行きませんよ‥」


「北大路さん、質問があります‥!」


突然、マスコミが皐月さんとの間に入ってきて手が離されてしまった。

あまりのマスコミの勢いに押し出され、皐月さんに近付けなくなってしまう。


(はあ‥すごい人‥。でも、この中で見つけてもらえただけで嬉しかった。もう、十分取材はできたから帰ろうかな‥)


「よっ!」


おおおっ遼一さん!お久しぶり!!ヘ(゚∀゚*)ノ


「ひっ、廣瀬さん‥。どうしてここに‥」


いつから見ていたのか、なんだか何もかもお見通しという顔で面白そうに笑っている。

主人公の気持ちにも気づいてるんだろうなーw

からかわれ、ライバルのこと知りたいだろ?知らないと嫌なことばっかり想像するだろうし、傍で見たら違う考えが生まれるかもしれないぞ?って連れて行かれた場所はVIPルーム。

どうやら主人公を連れ去る役を遼一さんに皐月さんが頼んだらしい。


「それで、先ほどは大丈夫でしたか?」


「大丈夫です。こう見えても、頑丈にできてるので。私よりも皐月さんの方が大丈夫ですか?」


「ふふ、私も男ですから、丈夫にできていますよ。ご心配頂いて、ありがとうございます」

「よかったです」


「皐月、彼女を私にも紹介してよ!しゃべりたくて仕方ないわ」


いたー!!?((((((ノ゚⊿゚)ノ

突然エリーさんは皐月さんの腕に絡みつき、話に割って入ってきた。


「ああ、すいません。○○さん、彼女が今回日本に遊びに来たエリーです。有名なホテル経営者の令嬢です」


「初めまして、エリー・マッキンタイアーよ。エリーって呼んでね」


大輪の花が咲いたようなキレイな笑顔を浮かべる人だった。


「エリー、この方が私を記事にしてくれた○○○○さんです」


「初めまして、○○○○です」


「○○‥可愛い名前だわ!○○って呼んでもいい?」


「もちろんです、エリーさん」


「さん、はいらないわ○○。私たちお友達になりましょうよ」


あれ?なんかいい人っぽいぞ?←(単純)


「そんな!友達になんてなれません‥」


そ、それはそれで失礼なような‥


「どうして?」


ほらぁああ!悲しそうな顔しちゃったじゃないかあああ!!!!でもふつくしいという罠。←


「どうしてって‥住む‥」


(住む世界が違う‥。どうして、言葉が詰まるの‥?)


「もしかして初対面だから遠慮してるとか?すごい!これが噂の大和撫子なのね!奥ゆかしくてとっても好きになってしまったわ!」


「ええ!?」


果てしなく、風子ちゃんと気が合いそうなタイプだww

皐月さんの腕を放し、今度は主人公の腕に絡めてきた。


「せっかく日本に来たんだから、大和撫子に日本を案内してもらうのが『粋』よね」


「なんの話ですか?」


「明日エリーを観光に連れていくことになっていたんです。恐らくそのことを言っているのではないでしょうか」


「私が、エリーさんを案内ですか?そんなことできません」


「どうして?」


エリーさんの悲しそうな立ち絵を見ると胸がしめつけられるのはなぜ‥?


「仕事が‥」


「○○は記者よね?私のことを単独で記事にできるって言えばオフィスはOKしてくれるんじゃないかな」


「そ、そうかもしれませんけど‥」


「いいんじゃないの?こいつは記者だし、有名スポットとかも知ってるだろ」


「あ、あのですね‥!」


「決まりね!お願い、私アナタに案内してもらいたいわ」


そこまで言われて断れず結局案内することに。

というか主人公、気持ちは分かるか複雑な心境を表に出し過ぎww

皐月さんルート、もしかして書いてる人違う?

主人公は資料集めで会社に戻るっていうとエリーさんはすごく残念そうにしてくれる。

エリーさんいい人なだけに余計もやもやしてしまう主人公、そそくさと部屋を後にすると皐月さんが追いかけてきてくれた。

もう遅い時間だし、家まで送ると言われるも一人で帰れると断る。


「もう、他の方の取材を始めてしまったのですか?」


「え‥?違います‥。今日の会見の様子を記事にすることになると思います」


「でしたら、私が質問にお答えいたしますよ」


「今は‥放っておいてください。失礼します」


「○○さん!!」


はーぅーわぁあぁあ‥;;

皐月さんが追いかけてこないことはわかっていた。


(無理強いなんてしない人だもの‥)


それでも、早くカジノから出たくて走った。



次回予告。

エリーさんに観光案内。

自分の気持ちに素直なエリーさん。

そんなときに編集長が‥


「そんなときはパーッと飲むに限る!というわけで行くぞ!」


話は意外な展開に!?

え、もしかして編集長も参戦?もしそうだったらすっごい面白いことになりそうww


選択肢


来てくれただけで、十分です

嬉しいです












(たくさん寝たのに、なんだか変な感じ‥‥気を抜くと、皐月さんの顔が浮かんできて、頭から離れない)


いつも皐月さんと朝食をしているかrか、なんとなくお化粧に時間をかけてしまう。


(別に‥皐月さんは関係ないんだけど‥)


さすがにすっぴんで家族以外の人と会えないっていう気持ちはわかるけど、この場合、関係あると思うんだがなあw


(って、言い訳にしか聞こえないかな)


うん!w←

その時、皐月さんが朝食を持ってきた。

いつもありがとうございますっていうと、好きでやってるんですよって‥‥なんか、もう主夫だww

というかいつも主人公が、ケータリング頼んでるような感じになっとるww


「では、頂きましょうか」


「はい、頂きます!」


(今日のメニューは和食か‥。初めての味噌汁だな‥ん?)


じっと見てくる皐月さんの視線を感じ、思わず俯いてしまう。

皐月さん、主人公の食べてるときの姿好きだろw


「あ、あの‥食べているときに見られると‥」


「ああ‥すみません‥‥気にせず食べてほしいのですが、気になりますよね‥」


そりゃもうww

気を紛らわそうと醤油に手を出すと、皐月さんと手が重なった。


「‥っ!すいません‥」


「私こそ、すいません」←顔赤いw


(なんだろう今の間‥まだ指先が触れてる‥皐月さんも照れてるのかな‥)


ぎこちないけどいい雰囲気ですねーw


「‥お先にお使いください」


「あ、ありがとうございます‥」


照れくさい空気が流れる中、もう出勤の時間。

一緒に行こうってなってリムジンを呼ぼうとしたけど、でも庶民留学中なので歩きで行くことになった。

歩きってことはいつもより多く一緒にいられるって思う主人公は、思わず笑顔になるのだったww(わかりやすいw)


「気持ちのいい朝ですね。あの家に引っ越してから、時間がとても緩やかに感じます」


「そうですよね‥」


(だんだん庶民に近付いてくれているように感じるけど‥今の生活、地味とか思ってないかな?)


「あの、今の生活は退屈、とか感じてませんか?」


「そんなこと一度も感じたことありません!むしろ、新しい世界を毎日見ていて、楽しくて仕方ありません。それに‥○○さんの傍にいられますしね」


「も、もう!それは、私の反応を見て面白がっているとかですか?」


「ふふ、違いますよ。あ‥‥○○さん、猫が」


猫‥といえば、虎太郎(皐月さんが飼ってるホワイトタイガー)どこにいった?w

皐月さんが小さな猫の頭を撫でる。


「人懐こくて可愛い猫ですね。ふふ、こら、動いたら撫でれないですよ」


(猫と遊ぶ皐月さんってかわいい‥!)


「小さなレディなんでしょうか?それとも、小さなジェントルマンですか?」


「ニャ~」


そんなことを行っているとどこかに行ってしまった。

猫ちゃんと遊んでいたので、気付けばもう遅刻寸前。

速足で主人公の会社に着いた。

って‥皐月さん、自分これからどうやってカジノに‥‥え、やっぱ歩き!?


「○○さん、今夜お仕事の後にディナーに行きませんか?」


「えっ?」


「いつも○○さんにはお世話になっていますから、そのお礼もかねまして」


いやいや!それはこっちの方で‥むしろ、朝食代がいつも浮いて大助かり状態では‥←


「それに、たまには贅沢するのも、庶民でしょう?」


「わ、わかりました」


「では、今夜お迎えにあがらせて頂きますね」


「ま、待ってます」


皐月さんとわかれ仕事場に向かった。

そしてその夜。


「うーん、おかしくないかな‥。頑張りすぎ?スカートよりパンツの方が‥」


仕事から帰り、シャワーを浴び、何度も着替えなおしていた。

「やっぱりワンピースにしようかな‥」


「それでいいと思うよ」


「きゃっ!ふ、風子‥びっくりさせないでよ‥」


「何回も声かけたのに、○○が気付かないんじゃーん」


「ご、ごめん‥」


「ううん。別にそれはいいけど、その衣装はぜーんぶ皐月さんのため?」


「うん‥。今日、夕御飯を一緒にって誘われて‥」


「なるほど。そのあとどうなったのか気になるから、詳しく聞かせてよ!」


(聞かせてよって言われてもな‥)


「進展はあったんでしょ?」


「進展って‥何もないよ。一緒に買い物行って、お祭り行ったぐらいかな。あ、あと毎日朝ご飯は一緒に食べてたよ」


「何それ!いい年齢の男と女がほとんど毎日顔合わせてるのにそれしかなかったの?」


風子ちゃん、よく言ってくれた!(・∀・)

そうだよね~‥8日目にもなって、ほのぼのも嫌いじゃないけど、さすがにそろそろ強引な皐月さんとか見てみたい‥!←


「中学生の恋愛じゃないんだから、もっと積極的に行かないと!」


「ちゅ、中学生って‥。皐月さんはただ紳士なだけだよ」


「紳士ねえ‥」


「皐月さん以上の紳士はいないよ」


「意外と皐月さんって奥手?」


「それとも、今日豹変する気だったりして‥。キャー!なんか楽しみね」


でもねー、前の次回予告で不吉な文章があってね‥きっと豹変するところは見れないんだろうな‥←←

その時、皐月さんから電話がかかってきた。


「○○さんですか!?すいません‥今夜の約束なんですが」


「はい」


「その‥どうしても外せない重要な会議が入ってしまい、今夜のディナーにいけなくなってしまいました」


ほらぁあぁああ‥‥言ってる傍から‥o(;△;)o

また日を改めてお誘いしますっていうけど‥おそらく、これからすれ違いタイムが始まっちゃうんでしょう‥‥もしくは、社長令嬢が間に入ってくるか。

風子ちゃんに今日の話がなくなったっていうと


「なーんだ、残念!せっかく今日は○○が女になれる日になったかもしれないのに」


ちょwあれ、でも主人公って大学時代恋人の一人はいたんだよね??(そこはつっこむな)


「ちょ、ちょっと」


「冗談よ。じゃあ、私とデートしようか」


するー!!!ヘ(゚∀゚*)ノ

そう言って、風子ちゃんと飲みに居酒屋へ。

いつもは家で飲むからこうやって外で飲むの久しぶりらしい。


「それはそうと、○○!アンタ、もっと頑張らないとダメよ!」


「が、頑張るって何をよ?」


「そんなの皐月さんに決まってるじゃない!紳士ってのは、草食男子な傾向があるからね。○○が肉食になって、ガンガン行きなさい!」


いや!皐月さんは肉食男子のはずだ!!‥たぶん。

それから風子ちゃんのお説教になり、気付いたらもう閉店の時間になった。

へろへろになった風子ちゃんと一緒に自宅に帰ると、ピンポイントで皐月さんが来た。


「ど、どうしてここに‥お仕事だったんじゃ‥」


「今夜のことを直接謝りたくて、来てしまいました。本当に申し訳ありませんでした」


(気にしてくれていたんだ‥)


「本当に気にしていません。だから‥あの‥また、誘ってください」


「はい‥もちろんです」


「会議は上手くいきましたか?」


「え‥」


ん?何この反応。


「あ、聞いてはいけなかったですか?」


「いえ‥まあ、なんとか、滞りなく終わりました」


あー‥社長令嬢と会ってたのか‥な?


「お仕事のこと、聞いてしまい、すいませんでした」


「そんなことありません。私こそ不安にさせるような態度を取ってしまい、申し訳ありません」


「私は、皐月さんが来てくれただけで十分です」


「‥嬉しい言葉をありがとうございます」


「う、嬉しいですか?」


「もちろんです。けれど欲を言えば、もっと他の言葉も聞きたいですね」


うん、肉食系だ。(!?


「我がままでも、甘えでも何でもいいんですけれど‥。○○さん、お詫びと言っては何ですが‥‥貴女に贈らせて下さい」


皐月さんは主人公に見えないように隠していた、一輪の花を差し出してきた。


「どうしたんですか急に‥?」


皐月さん、なんか不倫して、心苦しさから彼女に優しくする夫みたいな行動せんで‥(・∀・)←


「女性に花を贈るのに理由なんてないですよ」


ごめん、不倫とかほざいてごめんなさい!(今日はどうした)


(セレブの世界だとそういうものなのかな‥?慣れているし、そうなんだろうな)


「‥ありがとうございます」


チューリップに少しだけ似た、黄色い花に手を伸ばし受け取った。


「あの、この花はなんていう花なんですか?」


「これはステルンべルギアという名前の花です」


「へえー、初めて見ました。どうしてこの花を?」


「そうですね‥ヒントは、○○さんを見ながら選びました」


花言葉に何か意味が?

ってことにググってみた。

花言葉は
「じれったい」「期待」「あなたを愛してます」「無駄なこと」「待ちきれない」

つまり、主人公とそうなりたいっていう意思表示なわけですね!!わかりました!!!(〃∇〃)←


「私ですか?形とか色ですか?」


主人公‥


「さあ、どうでしょう‥」


(よくわからない‥けど、私のことを想ってくれたんだ‥)


あー‥こちら側は分かってるのに、あちら側は分かってないというこのもどかしさをどうしてくれよう!!

嬉しくて、胸が幸せでいっぱいになっていった。


「あの‥お花、ありがとうございました。とても、嬉しいです」


「○○さんに私の気持ちが届くといいなと思っていたのに‥」


そう言いながら、皐月さんは私の頭を撫で始めた。


「幸せそうな顔を見たら、どうでもよくなってしまいました」


そこ!なっちゃだめだから!!ならないでー!!!(落ち着け)

花を貰って喜んでる主人公に、そんなに喜んでくれるなら、四季折々の花を贈るのもいいですねって話をしてたら皐月さんの携帯が鳴った。


「はい‥、分かりました。すぐに戻ります」


もしや、その会議とやらの最中でちょっと抜けてきちゃった感じ?


「すいませんが‥」


「大丈夫です。お仕事頑張ってください!」


皐月さんを見送り、しばらく玄関で花を見つめていた。



会社に来て休憩のたびにテレビを見るふりをして、花のことを考えていた。


(ふふ、自分が花もらって素直に喜ぶなんて、知らなかったな)


「昨夜未明、北大路皐月氏が世界的にも有名なホテルチェーンの社長と会談をしたとの情報が入ってきました」


(あ、皐月さんのニュースだ。すごい、こんな人と会議してたんだ)


「また、社長令嬢をエスコートする北大路皐月氏の姿を捉えた写真をお見せします」


テレビの中の二人は、とてもお似合いのカップルのように見えた。


「この姿を見る限り、お二人の中が親密なものだと判断できそうですね」


「はい。ビックカップルの誕生ですよ」


ちょw会談しただけでカップル登場とか‥どんだけやねん!!w


「白人のご令嬢もすごく背が高くていらっしゃるんですが、それにも見劣りしない北大路皐月さんのまたご立派なこと!」


「二人のこれからは全世界が注目することでしょうね」


(確かに、カジノ王と社長令嬢は、誰が見てもお似合いかも。やっぱり‥住む世界が違うんだな‥)


テレビに映し出された皐月さんの顔を見つめ、距離を感じてしまうのだった。



次回予告。

!!!!?

さっそく金髪美女の立ち絵登場!!

ルイフェイさんじゃなかったのか‥

社長令嬢のエリーが登場し、二人の恋の行方は?


「動かないでくださいね。今、お迎えにあがりますから」


素直になれない自分。

そんな主人公に皐月さんは‥


「○○さん!」


走って追いかけてくる皐月さんの姿が目に入った。

ちょー気になるんですけどー!!!