ナイトホークス エンジェルフライト 暗く聖なる夜 | ミステリ好き村昌の本好き通信

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ナイトホークス】 

 ハリー・ボッシュシリーズ第1作で1992年本邦初刊行された。ロスアンゼルス市内の、手の込んだ銀行強盗事件を、粘り強く捜査し事件を解決するまでを、(意外などんでん返しを含めて)テンポよく描いた作品である。

 この第一作が、面白かったので、ボッシュシリーズを続けて読もうと思った。

 発行順に読もうとしたが、なかなかそうはいかなかった。

 ボッシュシリーズは、複数の出版社が出版権を持っており、正確な刊行順で読むのは、なかなか難しい。

 また、作者のコナリーも、ボッシュシリーズのスピンオフ作品として、ボッシュ以外が主人公の作品(『リンカーン弁護士』『ジャック・マカボイ』『ミッキー・ハラー』シリーズ等)を複数書いている。                       それらの作品にボッシュを登場させたり、あるいは、ほとんどボッシュ登場シーンがない(ハリーボッシュシリーズとはいえない)作品もある。                                    このような理由から、ボッシュが関係した事件を、時系列的に追っていくのが難しいのである。

 とはいえ、初期作品はなかなか見つからないので、できるだけ日本での刊行順に読んだ作品について感想を述べる。

 

エンジェルフライト】人権派弁護士殺人事件を捜査するボッシュたち。様々な紆余曲折を経て、とてつもないほど意外な、真犯人にたどりつく。

 それと同時にロスには大暴動がおこり、大変な状況になる。

 やや細かすぎる捜査過程の描写を読者はどう思うか?好みが別れるかもしれない。

 

【暗く聖なる夜】退職して、私立探偵になったボッシュが、刑事時代の未解決事件と、ほぼ同時に起こっていた現金強奪事件との関連を調べるが‥‥。

 ハリー・ボッシュという主人公の人間性や考え方。そして、彼の人生を取り巻く近しい人々‥‥‥。    

 この作品を読めば、ボッシュシリーズの世界観が理解できる一冊。やや冗長という印象もあるが、大事な作品であると思う。