マデリンとの生活も安定してきたボッシュが、20年前のロスアンゼルス暴動の渦中で殺害された、デンマーク人ジャーナリスト、アンネケ(女性)の未解決事件を追求する作品である。
当時、遺体の第一発見者であるボッシュは、遺体の近くに落ちていた薬莢を見つけた。
彼はその薬莢が、殺害されたジャーナリストの命を奪った凶器であることを粘り強い捜査でつきとめ、20年前アンネケがロスまで来た動機を調べた。
その過程で、湾岸戦争に従軍した四人のアメリカ兵と被害者の関係を追求し、そして…
たいへん丁寧かつ、じっくりと地道なボッシュの捜査過程をリアルに描き、解決に持っていくまで、読者を夢中にさせる作者「マイクルコナリー」の筆力はたいしたものである。ボッシュの人柄とそれにかかわる人々との日常的なドラマも、たいへんわかりやすくリアルでよい。
このシリーズを読み続けて、よかったと思う。