赤鷲の伝説に終止符を打った後、俺達はリーチ地方の大都市であるマルカルスに行く事にした。どうしてそう思ったのかは分からない。行かなきゃいけない気がしたとしか言えない。
その前にカジートキャラバンを見かけた。実際に取引したことがなかったからいい機会だと思ってキャラバンのリーダーと思われるカジートの男性に取引を持ち掛けた。リサードという名前らしく、気さくに話してくれた。
カジートの故郷のエルスウェーアについて尋ねると、裁くと岩がちな渓谷が続く乾いた国であり、暖かい陽光がいつも燦々と降り注ぎ、古代の都市がいくつも砂に埋もれていることを教えてくれた。これ以上は里心がつくので教えてくれなかった。本で読むかいつかその国に行けたらいいかなと思った。
気になったことを後1つ聞こうと思った。どうして内戦が続き、ドラゴンが襲来するスカイリムにカジートキャラバンは商売しに来たのかという疑問についてだ。リサードは「賢い交易相は長旅の手間を惜しまず最高の商機を見つける」と言い、今はスカイリムが熟れきった果実であると例えた。
その脅威があるため近づかない交易商が多いが、勇気さえあれば大きく稼げるからだと胸を張って答えていた。商魂たくましいなぁと俺は思い、回復薬や魔術の薬に休息の薬を数日分買った。商品の中にスクゥーマがあったのは驚いたが...。町に入れないのも納得ではある。でも彼等の旅路が順調に運ぶことを願った。
取引を終えた後、マルカルスに向かうと別のカジートの男性とすれ違った。ムアイクという名前らしい。どうにもよく分からないことを沢山話す不思議なカジートだった。ミラークもセロも解せない雰囲気だったようだ。何かの暗号か?
気を取り直してマルカルスに入って宿を取ろうと思った。しかし、セラーナはここは歪んだ感じがすると言った。彼女の父であり俺の元の主でもあるハルコン卿もここには住みたがらなかったとも明かしており、曰く付きなのかもしれない。注意しよう。
正門付近に行くと、顔色の悪いドワーフの鎧を着こんだ男性が祈りを捧げていた。感染病に罹っているらしいがペライトの加護のおかげで何とか死なずに済んでいるらしい。
待ってくれ、ペライトだって?デイドラ・プリンスの一柱じゃないのか?疫病を祝福と称して、感染した信者を広めるなんて恐ろしい事をやっていると本で書かれていたぞ。支配領域はピッツと呼ばれており、奈落の次元だとか。
感染者の男性はハイロックに戻ると言っていた。自分達の羊飼いが道に迷ったとか言っており、ペライトの怒りが残った信者達を苦しめる恐れがあるからだとか。詳しくはケッシュから聞いて欲しいと言われた。今すぐにスカイリムを発たねばならないそうだ。
まぁ気が向いたら行くとしますかね。一応頼まれたし。その前にマルカルスで休むとしよう。
扉を開けたら夕方なのもあったまだ人が行き交い、出店で商売する者達も何人かいた。意外と悪くないなと思った矢先にダガーを片手に忍び寄るブレトンの男性を見かけた。咎めても聞く素振りもなくノルドの女性を刺し殺そうとしていたので俺は急いで止めることにした。
フォースウォーンの影
どうにも止まりそうになかったので俺は背後からドラゴンベインで心臓を一突きにして殺した。そのブレトンの男性は死に際に「リーチはフォースウォーンのものだ」と呟いて事切れた。そのすぐ後にマルカルス市警隊が現れ、事態を迅速に処理した。衛兵ではなく市警隊という組織編成なのは理由があるのだろうか?
その疑問を解消出来ぬままあるブレトンの男性が話し掛けてきた。エルトリスという名前らしい。彼はどうして俺が巻き込まれたのかと聞いてきたので、フォースウォーンだったと答えると何となくはぐらかす感じの返答をした後、メモを渡された。
俺が落としたメモだとメルトリスは言ったが、どう見ても直接渡されたものだから違うと返答しても受け付けなかった。仕方がないから持っておくことにしよう。フォースウォーンの凶行について知らないかと尋ねると、シルバーブラッドと呼ばれる酒場でハチミツ酒を飲んでいただけだと言った。彼ともまた話す必要があるかもしれない。
今度は被害に遭いかけたノルドの女性に話を聞くことにした。マルグレットという名前らしい。俺のことを命の恩人と言って感謝し、助けてくれたお礼としてエメラルドの銀の首飾りをくれた。吸血鬼なんだがその言葉とペンダントをありがたく受け取るとしよう。
その後どうして殺されそうになったかを尋ねたが、理由は分からず自分はシロディールから来たばかりで姉妹のためにペンダントを買おうとしただけなのだそうだ。
その後隣にいたノルドの男性にも話を聞くことにした。ホグニ・レッド・アームという名前らしい。先程俺が殺したブレトンの男性はウェイリンという名前であり、マルカルスの溶鉱炉で働いていた事を教えてくれた。そこにはフォースウォーンのシンパが大勢いるらしい。
フォースウォーンの目的はリーチからノルドを滅ぼし尽くすことであると言った。恐ろしい破壊者なので注意した方がいいと警告された。まぁ赤鷲の伝説を調べていた時もかなり殺気立って攻撃してきたからなぁ。まぁあれは縄張りに近づいた俺達にも責任はあるんだけどね...。俺はお礼を言ってその場を後にした。
ホグニの話を聞き終えた後にマルカルス市警隊に声を掛けられた。余所者が不用意に干渉するなと警告してきた。とりあえず俺は「確かに。関係ない話ですね」と返答した。市警隊もそうであると念押ししてその場を後にした。何か裏があるのは明白だ。調べる必要はある。
その後、俺はエルトリスから押し付けられたメモを読んだ。タロスの祠で会ってくれとだけ書かれていた。そこに向かうと彼は出会ったばかりに俺達にフォースウォーンが裏で悪事を働いているので何とかしてほしいとお願いしてきたのだ。何年も殺人と流血が続いているらしい。
マルグレットを襲ったウェイリンとフォースウォーンの陰に誰がいるのかを突き止めてほしいと言われた。これも何かの縁だ。何とかしてみよう。
調査を始める前に色々聞くことにした。
マルグレットはどうやら余所者らしく、それらの人々は大抵シルバーブラッドと呼ばれる宿屋に泊まるらしい。ウェイリンに関しては鉱山労働者である事とウォーレンズと呼ばれる建物に寝泊まりしていたようだ。
フォースウォーンが追い出されたのは、20年前にウルフリックと彼の配下(その時には反乱軍はなかったので便宜上配下と記す)とが戦った末に倒したからなのだとか。反乱を起こすから悪人だと思っていたが一概にそうとは言い切れないと俺は思った。
そして、フォースウォーンに拘るのは子供の頃に父親を殺されたからだと言っていた。忘れようと思っても父親にどうしてだと言われている気がするのと、結婚してもうすぐ子供が生まれるから何とかしたいという気持ちが勝ったからだと言った。ならばその想いに応えるように頑張ろうじゃないか。
手掛かりを探せ!
俺達は宿屋のシルバーブラッドへ向かった。そこで休んでいるマルグレットさんに話を聞こうとしたが、何かを隠しているのは明白だった。俺はその事を追求するとあっさり自分が隠し事をしていると認めた。初対面の時に助けたのが功を奏したのだろうか?何にせよ良かった。
マルグレットさんは自分はテュリウス将軍の使者で、トレジャーハウスとシルバーブラッド家と呼ばれるノルドの一族を調査するために派遣された事を明かした。帝国軍が介入してくるのか?だから殺されそうになったのだろうか?
それとマルカルスにはシドナ鉱山と呼ばれる、スカイリムで最も過酷な監獄があり、シルバーブラッド家の収入源でもあると言っていた。ここの宿屋もシルバーブラッドの名前が入っている。襲撃の背景にはソーナー・シルバーブラッドという名前のノルドの男性が関与しているらしい。
どうやらマルカルスを支配しているのはここの首長ではなく、シルバーブラッド家なのかもしれない。
その次はウォーレンズに行こうと考えていたが、出た矢先にマルカルス市警隊に呼び止められた。俺達が調査している事実が気に入らないらしい。俺は面倒を起こす気は無いと言ったのだが聞き入れる様子はない。
その真横でミラークが隠せない程の苛立ちを見せていた。いや、アンタが怒るとマルカルスが血の海になるからそれだけは止めてくれよな...。
マルカルス市警隊との一悶着した後にウォーレンズに向かった。そこは宿屋というよりも廃屋のような住居だった。中に入ると暖を取っていたガーベイという名前のブレトンの男性に話し掛けた。
ウォーレンズは労働者や病人、弱者が休むために利用されているらしい。ウェイリンは自分の鍵を他人に回していたようだ。恐らくそれで日々の糧を得ていたかもしれない。
俺にもその鍵を貸して欲しいとお願いしたが断られた。しょうがないので俺はゴールドで解決する事にした。日々の糧はガーベイも必要だからだ。300ゴールドで買収すると、鍵を貸すのではなくそのままくれた。余程生活苦だったらしい。何にしてもこれで部屋に入れる。俺達はウェイリンの部屋に向かい、彼の宝箱から手紙を見つけた。
その手紙には、Nと書かれた指示役に市場で暗殺を実行するようにと書かれた命令書だった。手掛かりになるのかは分からないが、進捗はあったと見るべきだろう。
ウォーレンズを出るとブレトンの男性が俺達の前に立ちはだかった。ドライストンという名前らしい。誰かの差し金なのは明白だがそれを白状する気がないらしい。そう言い終わるとドライストンは殴り掛かってきた。向こうがその気ならば仕方がない。
セロやセラーナ、ミラークに手出し無用だと指示を出して俺は殴り合いに応じた。格闘のみの戦いは不得手ではあったが吸血鬼の身体能力を活かして攻撃を躱しつつ拳を叩き込んだ。膝をついたドライストンに背後にいるのは誰かと問い詰めると、鼻利きネポスという名前のブレトンの老人に依頼されたと白状した。邪魔されないようにしろと指示されただけのようだ。俺はそれ以上聞く事がないと分かったので、ドライストンを問い詰めるのを止めてネポスの家に向かった。
ネポスの家に入るとウェイリーという名前のブレトンの女性にお呼びでないと断られたが、ネポス本人が俺達を招き入れると言って中に入れた。多分罠だな。
ネポスは俺達が知りたいと思うであろう情報を開示することを決めたようだ。かれこれ20年は真相を探る若者をフォースウォーンの名の下に死に追いやってきたようだ。この汚れ仕事に疲れ切ってしまったようだ。
フォースウォーンの王はマダナックという名前のブレトンの男性で、ぼろを纏った王という異名があるらしい。虐げられた人々の心に語り掛けることが出来て、フォースウォーンの敵を根絶やしにするように導いたとのこと。
そもそもマルカルスとリーチはフォースウォーンのものであり、正当な故郷を持っていないと主張していた。エルフの侵攻時にヌル度を追い出そうとしたが、ウルフリックとその配下の手によりマダナックとネポス、少数だけが生き残り、それ以外は処刑されたとのこと。
それを言うという事は何かあるはずだ。それを尋ねると全部話したのはここで殺すためだと明かした。ウェイリーやモルベンやタイナンという名前のブレトンの男性の使用人達もフォースウォーンであることが分かった。
だが、彼等は失念していた。俺達がただの冒険者ではないことを。ミラークは原初のドラゴンボーン、セロはモロウウィンド随一の傭兵、セラーナは純血の吸血鬼、俺は吸血鬼の王であり現ドラゴンボーンだ。なので多少の抵抗はあったがすぐに返り討ちに遭って死んでしまった。
後はマルグレットさんから聞いたソーナー・シルバーブラッドについて調べに行きますかね。
シルバーブラッド家の策略
俺達はソーナー・シルバーブラッドが経営しているトレジャーハウスに向かった。そこの受付をしているリアダという名前のブレトンの女性にここでの情報を尋ねる事にした。
シルバーブラッド家はマルカルスのほぼ全ての土地を経営しているとのこと。後援者達はリーチの地主達であり、鼻利きネポスは労働者達の扱いに長けていると言っていた。ありゃ、殺したのはまずかったか?政治絡みならソーンヴァーという名前の男性がアンダーストーン砦と呼ばれる場所で働いているらしい。
俺はソーナーに会わしてほしいとお願いしたが断られたので、ガーベイの時と同じように300ゴールドを賄賂として支払った。リアダは快く扉を開くことを許可した。賄賂の力は偉大なりってね。
ソーナーに直接面会し、フォースウォーンについて尋ねた。彼は怒りながらその質問に答える事にしたようだ。まぁ食事中に面会の許可なく上がり込んだのはこちらだもんね、申し訳ない。
フォースウォーンはリーチを支配している気になっているだけで、実質的に支配しているのは自分だと豪語した。シドナ鉱山を保有しているし、ゴールドの流れが正しくいくようにコントロールしているのも自分だと信じて疑わない様子だ。
それを言い終えると共に、トレジャーハウスに勤務しているナナ・イル―デンという名前のブレトンの女性とドンネルという名前の老人が突然襲い掛かってきた。その際にソーナーの妻であるベトリッド・シルバーブラッドという名前の女性が犠牲となった。
妻を失って悲観に暮れるソーナーに申し訳ない気持ちになったが、彼はマダナックとフォースウォーンに憎しみを募らせた。
落ち着いた時を見計らい、フォースウォーンについて再び尋ねた。マダナックを処刑しなかったのは汚れ仕事に利用するためだったらしい。面倒事を起こす人物や密偵、クズな人物(シルバーブラッド家の基準なのでどの程度の人物かは分からない)を処理するために都合がいいようだ。
せめてものお詫びとしてマダナックを殺そうかと持ち掛けたら怒りがぶり返したのか、卑しい犬であり、全部俺のせいだと言われてしまった。介入したのは事実だけどそこまで言わなくても。
シドナ鉱山送りにされるドラゴンボーン
ある程度情報が集まったのでタロスの祠に戻ると、マルカルス市警隊が3人集まっていた。その中央にはエルトリスさんの死体が転がっていた。ソーナーの指示なのかマルカルス市警隊の独断でこうなったのかは分からないが、これは流石に許せないぞ。
マルカルス市警隊は最近の殺人は全部俺達に被せるつもりらしい。エルトリスさんを殺したのはマルカルスを変えようとしてきた人達と同じ運命を辿ってもらったと嘲笑していた。ソーナーとマダナックといい取引を行い、美味しい思いをしてきたのだと明かした。いやはやとんでもないな。
そして、マダナックに会いたいならシドナ鉱山に行けばいくらでも会えると言った。俺はセロやセラーナ、ミラークに類が及ばないように俺1人だけが罪を被るようにマルカルス市警隊に取引を持ち掛けた。
それを聞いたマルカルス市警隊は受け入れて俺を連行させた。こうなったら意地でも解決するために行動するのみだ。