Fallout4(フォールアウト4)コンパニオンクエスト編 第5話 パラディン・ダンスの忠義 | TES&fallout forever

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 僕はキュリーとの旅を再び始めようと思っていた時に、Pip-BoyからB.O.Sの緊急無線が入った。その内容はエルダー・マクソンから個人的に話したいことがあるといった内容だった。

 組織というものに関わり合うのがもう嫌になっていた僕は気が向かなかったが少しだけならいいだろうと思い、プリドゥエンに向かった。

 エルダー・マクソンは今回は自室で話がしたいと言った。どんな内容だろうかと思って話を聞くと、僕が持ち帰ったネットワーク・スキャナー・ホロテープの暗号解読をプロクター・クインランが完了したらしい。その一部に行方不明か地下施設から逃げ出した人造人間の一覧を見つけたのだという。

 そして驚愕の事実をエルダー・マクソンは言った。パラディン・ダンスは人造人間だと!そんなことがあるのか?

 僕は「何かの間違いでは?」と問い返すと、プロクター・クインランが間違う事は無いと断言し、持ち帰ったデータには各被験者のDNAが記録されており、全ての兵士に対しても同じように記録しているのだと言った。そしてパラディン・ダンスのDNAデータは「M7- 97」と呼ばれる人造人間と一致すると僕に突き付けた。信じられない...。

 

パラディン・ダンス処刑命令

 僕はパラディン・ダンスにチャンスをと思ったが、悪いことに彼は無許可離脱してしまい、「M7-97」であることが確定事項になってしまったのだ。何て事だ...。

 エルダー・マクソンはB.O.Sにとって人造人間は忌むべき象徴であるとして、インスティチュートとその創造物を破壊するべきだと言った。そして最後にこう命令した。「パラディン・ダンスを処刑せよ」と。

 僕はそれに対して「チャンスがあってもいいはずでしょう!」と答え、第1印象こそ悪かったがキュリーも「我々の仲間です」と言って抗議した。

 それを聞いたエルダー・マクソンは僕の師匠を努めたパラディン・ダンスを殺すのを躊躇う気持ちは分かるし、その重責はかなりの物であると理解を示しつつも、特別扱いは出来ないと拒否した。兄弟を殺す事になっても強いままであり続けるために...。

 捜索にはプロクター・クインランの指示を仰ぐ必要があると言った。気は進まないが行くしかないのだろう。

 このやり取りを聞き終えたキュリーは自分の体験を話しつつ「パラディン・ダンスはB.O.Sの役に立ったんです。どうして人造人間かどうかで、問題になるんですか?」と憤っていた。僕も彼が尽力したのは知っているから尚更分からない。出自はどうあれ組織に貢献したのは事実ではないのか?と思わずにはいられなかった。

 プロクター・クインランの下に赴くと僕に対してすぐに気付けなかった事を謝罪してきた。彼のせいではないのに。

 職務報告にはそれらしき情報が無かったので、パラディン・ダンスが訪れた場所を調べ上げるしかない。それも相当な時間は掛かるだろう事は予想がついた。

 その会話の最中にスクライブ・ヘイレンが僕に対して罵声を上げながら近づいてきた。普段の彼女からは想像がつかない剣幕だった。プロクター・クインランはその怒りの原因がパラディン・ダンスの正体に関する事であると察しがつき、かなり正確な情報であると言い、彼女を諫めた。

 スクライブ・ヘイレンは「B.O.Sに秘密は無い」と言い、僕とエルダー・マクソンのやり取りを把握していた。パラディン・ダンスに対して僕がとんでもない事をしようとしていることに対して更に罵声を浴びせてきた。実際その通りになりかけているので返す言葉が無い。

 言い返せない僕を見ていたプロクター・クインランは「いい加減にしないか、スクライブ・ヘイレン!高官である彼の正しさに敬意を示せ!」と彼女に怒った。これも普段の彼からは想像もつかない剣幕だった。

 怒りが少し静まったスクライブ・ヘイレンは捜索に関する情報があると言った。プロクター・クインランは「なぜ最初にそれを言わない?こうして口論したり、互いに怒る必要もなかったはずだろう?」と困惑していた。

 彼女はフライト・デッキにて話し合いたいと言った。ベルチバードのガンシップにデータを保管してあるのだそうだ。行って確認する必要があるだろう。僕は了承し、彼女についていくことにした。

 スクライブ・ヘイレンについて行くとフライト・デッキには行かず、下層の方に案内された。彼女はイニシエイトの頃からパラディン・ダンスを知っていると話し、訓練ややり方を教えて貰った事、大失敗した時は立ち上がって前に進む事を教えて貰ったと振り返った。そして、称賛、尊敬、友情が生まれたと言った。

 パラディン・ダンスは1番純粋な人間で、信念のために自分の命を危険に出来る人間であると言い、1人の人間としてチャンスを与えて欲しいと嘆願した。もし言い分に納得出来なかったり、完全に人格を喪失している場合は、成すべき事をすればいいと彼女は言った。やはり、パラディン・ダンスは高潔な人だと僕は思った。人間だろうが人造人間であろうがだ。キュリーもそれに同意した。

 スクライブ・ヘイレンはパラディン・ダンスが潜伏していそうな場所として、ケンブリッジ警察署を失った場合の退却地点を決めていた事を話した。コモンウェルスの北部の最前線にある古いアメリカ軍の前哨基地、監視施設ブラボーと呼ばれる基地だと言った。

 パラディン・ダンスとチームを共にした人間だけしか知らない情報なので信憑性は高いと見るべきだろう。だが心理状態はどうなっているかは分からない。彼は僕達を信用しているかは分からないからだ。慎重に行くべきだろう。

 

パラディン・ダンスを説得せよ!

 監視施設ブラボーに行くと、レーザータレットやプロテクトロンが迎撃してきた。僕達はそれらを返り討ちにして施設に侵入した。最深部にてパラディン・ダンスを発見した。彼はエルダー・マクソンから受けた仕事を「彼は割に合わない仕事は自分ではやりたがらない」と言っていた。それはエルダー・マクソンの人柄を良く知る話し方で、友人のそれに近しい事が伺い知れた。

 僕は「人造人間であるならば言ってくれても良かったのに」と言った。パラディン・ダンスは「自分が誰かを知っていたらそうしただろう」と答えた。彼自身知らない事実だったのだ。それを知るまでは人造人間は敵だと思っていたが自分もその1人であったなんて夢にも思わなかった事だろう。

 この会話さえ、スクライブ・ヘイレンのためではなかったら話す事は無かったとパラディン・ダンスは言った。僕はエルダー・マクソンから処刑命令を受けているが逃げ道を探すべきだと彼に助言した。それを聞いた彼は僕との関係を「良い友人」と評しながらも、これが難しい事柄だと諭した。

 自分自身が人造人間である以上は、破壊されるべきだと結論付けたのだ。それに背くことは、エルダー・マクソンだけでなく、B.O.Sとその支持者全てを裏切ることになるからだと僕に言った。

 人造人間は信用出来ない事は自分も含めてであり、コントロールする必要があると言った。手に負えないテクノロジーは世界を屈服させ、人間を絶滅させるだけだとB.O.Sの規範を持ち出してそうあるべきだと言った。特別ではなく、自身が手本になろうとしているのだ。やはり、彼は根っからのB.O.Sの兵士なのだ。本当に高潔なんだと僕は思った。

 パラディン・ダンスは覚悟が出来ていると言った。だが僕がどうして躊躇うのか理由が知りたいようだった。僕は「仲間だから、友達だから殺したくない。だから見て見ぬふりは出来ない」と答えた。

 それを聞いたパラディン・ダンスは「確かに見て見ぬふりは出来ない」と考え直し、自分の死で気にかけてくれる人達の事を考えるべきだと言った。

 これからどうするべきかを考えていると、パラディン・ダンスはコモンウェルスを離れようと思うと言った。彼のホロタグを持って行けば処刑任務は完遂したことになるはずだと彼は考えている。それが上手くいかなければ別の誰かを送り込むだろう事は明らかだ。時間との勝負なので僕はそれを受け取り、早急にプリドゥエンに戻り報告し、その間にパラディン・ダンスは逃亡しなければならない。

 

エルダー・マクソンと交渉せよ!

 パラディン・ダンス逃亡を手引きするために地上に出るとそこにはエルダー・マクソンが待ち構えていた。しまった!追跡されていたのか!

 彼は今まで以上に眉間に皴を寄せており、僕達の背任行為を暗に咎めていることが伝わった。僕はチャンスを貰えるようにと交渉したが受け入れられない。パラディン・ダンスが人間として生まれてこなかった事、人間とマシンが相容れることが無い事、インスティチュートが生命の尊厳を奪い、計り知れない堕落をもたらしたと僕達に突き付けた。

 それを聞いたパラディン・ダンスは「B.O.Sのために今まで尽くしてきた。多くの血も流してきた。それを何だと思っている!?」と怒りを露わにした。エルダー・マクソンに対して敬語で話さない彼を見たのは初めてだった。それでもエルダー・マクソンは忌むべき象徴であるとして、信念を曲げないと言って応じなかった。

 科学が人間の自制を上回ったことで、このウェイストランドが生まれたと彼は信じてやまなかった。確かに最終戦争では大勢の人類が死んだのは明らかだった。エルダー・マクソンは、人造人間は生き残った人類を絶滅させるために準備された武器庫にある大量の爆弾の一発に過ぎないと断言した。そんな極論な事を言わなくても...。

 それを聞いていたパラディン・ダンスは自分の記憶がいくつかは自分の物ではない事を思い出した事、兄弟達が死んでいった時は悲しかった事、B.O.Sの敵を倒した時は誇らしかった事、コモンウェルスを救うとエルダー・マクソンが話した時には希望が湧いた事を打ち明けた。そして彼はエルダー・マクソンに「私は人間なんだ。アーサー」と想いと伝えた。称号ではなく、名前で呼んだのだ。彼を友人だと信じているからだった。

 B.O.Sに正体を暴かれたが、エルダー・マクソンの信頼を裏切らない様にやってきたし、これからも決して裏切らない事をパラディン・ダンスは誓った。

 エルダー・マクソンは気持ちが揺らぎながらも、決定は覆さないと言った。それを聞いたパラディン・ダンスはお互い最善は尽くしたとして、「怒りも後悔も無く、墓に入るつもりだ」と言って覚悟を決めた。

 どうにかして助けたい僕は「パラディン・ダンスが人間だろうが人造人間だろうが、多くのB.O.Sの兵士を救ったのは事実。今度は我々が助けるべきじゃないんですか!?」と説得した。

 そして、エルダー・マクソンは最後の情けを掛けることにした。パラディン・ダンスの生存を許すことは、B.O.Sとその支持する全てのものを台無しにするので、ナイトに殺されて処刑されたことにすると決定した。プリドゥエンに足を踏み入れることも、B.O.Sの誰かと話をするのも禁止として、それを破れば即攻撃すると警告した。彼なりの最後の情けだった。

 最後には分かり合えて本当に良かったと思う。エルダー・マクソンはプリドゥエンに戻ると言っていたので、また後で戻るようにしなければいけない。

 僕は監視施設ブラボーに残るように提案した。暫定的ではあるがコモンウェルスからの逃亡は困難になってしまったので仕方がない。また行動を共にしても良いとパラディン・ダンス入ってくれたので、また後で訪れようと思った。そして、別れの挨拶を終えて僕達はプリドゥエンに戻った。次に会う時は幸せな状況であると願って。

 

パラディンに昇格

 僕達はプリドゥエンに戻り、エルダー・マクソンの自室に向かった。彼はパラディン・ダンスの処刑はB.O.Sの命令系統に大きな綻びを生じさせたと告げた。それだけ重要な責任を帯びていた事の証明でもあった。彼は僕ならうまくできると思っているらしかった。本当にそうだろうか?

 パラディン・ダンスのパワーアーマーや住居と全財産は僕に報酬として授けると言った。そして僕をパラディンの位に昇格させたのだ。疑っていれば推薦しなかったとエルダー・マクソンは言った。結束の象徴でもあり、信頼の証なのだと。それは嬉しい。嬉しいが僕には荷が重過ぎる気がした。

 

ダンスとの絆

 どうにもならない重責を感じながら、監視施設ブラボーに戻ってパラディン・ダンスの現状を確認しようと思い向かった。

 彼は、うまく言える自信が無いと言っていたが僕はうまく話せるように手伝うと言って落ち着かせた。   今までの人生を、将来を象るプランに沿って生きてきたが追放されて途方に暮れていると打ち明けた。B.O.Sに入隊してから、全ての問いへの答えを持ち合わせていない事は初めてであり、そのことがとても怖いと言った。

 その気持ちはよく分かる。210年後に目覚めてからは経験したことが無い全てが怖かった。だからダンスの想いは伝わってきた。

 ダンスは全て持っていたものが、知っていたものが失われた事に怒りを露わにし、インスティチュートに怒りを募らせた。彼の過去がどこまでが人工物で、どこまでが本物なのか全く分からない状況がを想像出来るかと僕に問いただした。返す言葉もない。

 無から始まり、結局無になってしまった事を嘆き、何をすればいいのかさえ分からないと彼は途方に暮れていた。

 僕は「本当に気の毒に思うよ。こんなに深く影響を与えるなんて想像出来ていなかった。貴方には申し訳ないと思っている」と謝罪した。ダンスはそれを聞いて落ち着きを取り戻し、先程の怒りに任せた発言を謝罪した。彼は何も悪くないのにだ。

 ダンスはこの感情が友情なのか、プログラミングの異常なのかは分からないが、今まで出会った中で1番親近感を感じると言ってくれた。この事は否定出来ないと断言した。それを聞いた僕は「ありがとう。それは僕も同じだよ。親友だ」と答えた。

 それを聞いたダンスは嬉しそうにはにかんだ。そして処刑任務を受けた時の僕を気の毒だったと同情した。彼自身が同じ立場だったらうまく出来たか分からないと言った。

 支えてくれた事をダンスは感謝し、以前言った事はまだ有効だと彼は僕に教えてくれた。本当に助けることが出来て良かった。彼は人造人間だけどもB.O.Sの志は本物だった事はこの一連の任務でよく分かった。これは覆せない事だと僕は確信するのだった。