サピックス組分け試験の受験者が減少すると? | 2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

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2022中学受験を終了した男子を持つ父のブログ
淡々と息子の学習(主にテスト)の記録をつけていたブログです。
息子は開成・筑駒をはじめ受験校全てに合格しました。
現在は2027年組の姪っこの中学受験アドバイザーです。

サピックスはいまのところ3月15日の組み分け試験を実施する予定だ。
 
この決定には賛否あるだろう。サピックスの教室はお世辞にも換気がいいとはいえないだろうし、子供の密集度も高い。試験なのでそれほど会話する時間はたくさんないだろうが、それでも久しぶりに会うこともあり、休み時間は子供同士活発に話すだろう。政府の専門家会議の言う感染が広がりやすい3つの悪条件を充足している気がする。
 
他の国に比べて感染が伝播する速度は抑えられているように見えるが、現状まだ感染は広がっている状況で、少なくとも15日の時点で収束が見えるということはないだろう。
 
また、組み分け試験は当然コース昇降に関わる試験だが、1月の組み分けを休んでいない限り、1回は休んでもコースはステイである。
すなわち、次回5月にあるマンスリーを受験できれば、今回の組み分け試験を休んでも影響がない。
 
そのようなことを考えると、今回は自主的に組み分け試験の受験を回避する家庭もかなりあると予想する。
全くの推測だが、通常の6-7割くらいの受験者になるだろうか?
 
そして、あまりにも受験者が少なくなると、いつもよりコース上昇が厳しくなるケースも出てくるかもしれない。
 
すなわち、α1の生徒にとっては、コースのことだけ考えれば今回無理に受験する必要はない(ちなみに私はコースキープのためだけに回避するという考え方には否定的だが。)。平時ならさておき、コースがこれ以上上がることはないα1の生徒は、現在のコロナの状況などを勘案すれば、回避するという選択をとることは十分ありうる。すなわち、全体の受験率が6-7割と仮定しても、α1の生徒に限ればそれより多い割合で回避する家庭が出てくるのではないだろうか。
 
この仮定のもとに考える。例えば、ある校舎のα1コースに16人在籍していたとする。その半分の8人が休んでしまった場合、この8人は次回以降も自動的にα1ステイとなる。16人定員は動かないとすると、α1で受験した子の8人を含め、その校舎で受験した全生徒のうち上位8人しかα1に上がれないことになる。そうすると、場合によっては平時以上にα1コース基準が上がることも考えられる。もちろん回避せず受験した子のレベルにもよるが、受験した子の平均レベルが高ければ高いほどコース基準は上がるのだ。また、極端な話、この例でα1の16人が全員回避してしまうと、今回の組み分けでは下のコースからα1に上がれない、ということになる(もちろん現実には何人かのバッファはあると思うので、一切上がれないということはないだろうが)。そうすると、特にα1ボーダー付近の子にとっては、コロナのこともある上、コース基準が平時より上昇する可能性もあることを考えれば、今回受験する意欲が沸かないのも理解できる。
 
ただもう一つ考えなければならない要素がある。メダルである。
メダルを狙えるような層にとっては、受験者数が減少しそうな今回は、より受験するインセンティブがある。なぜなら、受験人数にかかわらずメダル獲得人数は変わらないので、上位層の回避が増えた場合、メダルはより狙いやすくなるのだ。しかも今回からは5年生の基準になるので、上位200位までメダル圏内のはずだ。例えば、上位層の半分が休むと仮定すると、全員が受験した場合では400位程度の順位になる子まで今回はメダル圏内に入ることになる。7000人中の400番というと、全体の5.7%くらいで、大規模校のα2半ばくらいまで、中規模校のα1ボーダーくらいの子まで入る。成績は上位だが、メダル獲得まではあと一歩、というくらいの子にとっては、かなりのチャンスとなる。もちろん狙い通りメダルを取れるとも限らないし、そんなことでコロナ感染リスクを負担したくない、という考え方はもちろんありうるわけだが。
 
そうすると、今回の受験の是非を判断するに際しては、コロナの問題に加え、特にメダルあと一歩くらいの子にとっては、コースキープのため安全策をとって回避するか、リスクをとってメダル狙いにいくか、というジレンマも悩みを深くする理由の一つになるだろう。