お嬢さまは実在する(8) | わたくしのブラウスは自作よ

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ブラウスにスカートの画像がメインです。

まもなく2023年が終わる。

今年は実在するお嬢さまに衝撃を受け、服作りが進まない年だった。

「お嬢さま」は昨年も職場にいたが、リモートワークが原則でお互い顔を合わすことがほとんどなかった。

今年になってリモートワークがなくなる過程で、お嬢さまがぴかぴかの美しい女性になって婚約していたことに私は衝撃を受けた。


私は20代のころから理想の女性(お嬢さま)の特徴を解説したイラストや小説を書いていた。
(20代のときはパソコンがなかったので紙に描いていた。)

お嬢さまは、ストレートのロングヘアー(つやつやの黒髪!)で、「お嬢さま」という感じの「清楚な顔」をしていた。
お嬢さまは20代前半の「ぴかぴかの美しい顔」の女性だった。
ハッキリとした赤い口紅を塗っていたときは、白い肌に赤い口紅が映えて美しいと思った。
口紅の色を抑えていたときは、優しそうな美しい顔してると思った。

カジュアルな雰囲気の職場だったので、お嬢さまもフル装備のふりふりの格好はできなかった。
お嬢さまは、ボトムはズボンでも、ときどきチョウネクタイの付いたふりふりのブラウスを着用していた。
お嬢さまは、いつもブラウスの第一ボタンをきちんと留めていた。
社外では、かわいいコートを着用していた。

業務の専門家として同じ職場にいれば、お嬢さまが頭の良い女性であることがはっきりとわかった。

ある日、大きな公園に行ったら女子モデルの撮影会をしていた。
10人ぐらいの若い女子のモデルがいて、それぞれのモデルを囲んで数人のカメラマンが撮影していた。
そこにいたモデルの若い女子より、お嬢さまの方が髪が長くて美人だと思った。


美人で頭が良い、憧れのお嬢さま。
近くにいても私には決して手の届かないお嬢さま。


お嬢さまは、個人情報の管理に注意を払い、プライベートな領域で私とかかわることを拒絶し、決して手を汚さなかった。
それでいて、成人したらいろいろと見聞を広めたいと思い、個人情報の管理を徹底したうえで社外の幅広い人と交流して、男女問わずいろいろな人と知り合ったという。

若い女性の中には、お金持ちで年配の男性と食事やデートに付き合って、豪華な食事やお洋服を手に入れることもあると聞いている。
しかし、そういう関係は若いうちしか続かないし、トラブルに巻き込まれるリスクもある。

お嬢さまは、裕福な生活ができる関係を一生続けられる男性を冷静に探したのだった。
ちらっと聞いた話であるが、お嬢さまが婚約した男性は、年に何度も海外旅行に行くようなハイスペックな男子らしい。
お嬢さまは、恐ろしいほど頭が良かった。

お嬢さまの実家は私が聞いた範囲では、ぜんぜん金持ちではない。
お嬢さまは高学歴ではなかった。
しかし、お嬢さまが「選ばれた女性」であることを私は確信した。

私は帰宅してから、毎日お嬢さまのことを考え、お嬢さまの様子を日記に残した。
服を作っている余裕は無かった。
自分の写真を撮る余裕もなかった。
私から見れば孫のような年のお嬢さまだが、年をとっても性欲は変わらないのだと改めて思った。


11月になって、お嬢さまは別の支店に異動した。
お嬢さまとは顔を合わすことも、メールでやり取りすることもなくなった。
帰ってからお嬢さまのことを考えることは少なくなったが、まだ服を作っている余裕はできていない。

それでも私は前に進む。