第37回商業界関東山静地区ゼミナール
商人であるならば、この方の名前を知らない人はいないでしょう。倉本長治先生(故人)私の師匠・緒方知行主幹のお師匠先生です。私はもちろん直接お目にかかれたことはないので詳しくは書物などを通じてしか知りませんが、倉本先生が世の商人に遺した厳しくも愛情たっぷりの教えは、私が月刊『2020 Value Creator』を創るうえにおいても大事にさせていただいています。太平洋戦争後の日本経済は、混乱の最中。激しいインフレが続き、商業は不当な高値や情実販売が横行していた時。「金儲け主義の商人のあり方から転換して、お客のための商売に生きよ」ということを、説いてまわられた倉本先生。それが、たしか月刊『商業界』の始まりとなっているようです。商業界 2009年 11月号 [雑誌]¥1,190Amazon.co.jpかつては、緒方主幹も月刊『商業界』の編集長を務めていたようです。なので、私も月刊『商業界』さんに敬意を払っています。活字だけで訴えるのではなく、直接人と人とのコミュニケーションによる説得こそ、理解を促す早道であるということで、昭和26年2月、箱根において、第1回の商業界ゼミナールを開き、ここに集う商人たちは、「商人であることの素晴らしさ」に気づかされ、涙を流して箱根の山を下りていった……ということを、緒方主幹から伝え聞いています。その商業界ゼミナールは、来年2010年2月に、78回を迎える程の伝統ある勉強会になっています。「商業界ゼミナールというのは、お互いにうまく儲ける穴をこっそり知らせ合う集まりだと思っている人もある。そうかと思うと、新興宗教のように、何かお題目を唱えて、商売繁盛と儲けを願う集会だと思っている連中もいる。繁昌や金儲けは、商売の目的ではない」(倉本長治著「商人讃歌」より)そう、商業界ゼミナールは、私も緒方主幹の下で働き始めてから毎年参加させていただいていますが(緒方主幹が毎年講師としてお招きいただくので)、商人としての自身の志や使命感を再確認する場です。そして志を同じくする商人仲間をつくる場でもあります。この年に1回の商業界ゼミナールとは別に、各地で開かれているゼミナールがあります。今日はその一つ、「第37回商業界関東山静地区ゼミナール」がホテルニューオータニ幕張であり、緒方主幹が開講講演で壇上に立たせていただきました。400名もの方々が集まっている中、緒方主幹はさまざまな事例を挙げながら、商売とは何か、生き残る店(企業)とこの世から消え去る企業(店)の違いはどこにあるのかを説きながら、最後にこう締めくくりました。「テクニックで解決できる時代ではない。今こそ商売十訓を! 今、起きているあらゆる問題を解決するヒントが、この商売十訓の中にはすべてある。 景気は自らつくるもの。 明るい顔をして商売をしよう!!」商売十訓をご存じない方のために、改めてここに記しておきます。1.損得より先に善悪を考えよう2.創意を尊びつつ良い事は真似ろ3.お客に有利な商いを毎日続けよ4.愛と真実で適正利潤を確保せよ5.欠損は社会の為にも不善と悟れ6.お互いに知恵と力を合せて働け7.店の発展を社会の幸福と信ぜよ8.公正で公平な社会的活動を行え9.文化のために経営を合理化せよ10.正しく生きる商人に誇りを持て商業界についてきちんと正しく伝えられていないかもしれませんが、全国の商業者が集い、学び合う商業界ゼミナールの素晴らしさを少しでも伝えられればと思い、書かせていただきました。倉本長治主幹から直接教えを受けたのは、㈱商業界で働く人たちの中でも緒方主幹が最後の人間らしいです。「緒方先生しか商業界精神を語れる人はいない!!」こんな声を、多くの商業界同友会の方々から聞かせていただきます。このような声をいただくたびに、緒方主幹のアシスタントをしっかりせねば!と気が引き締まる思いがするのです。本日、緒方知行の講演を聞いてくださった方々、ありがとうございました。流通・商業 栄枯盛衰の方程式/緒方 知行¥1,680Amazon.co.jp