髪を金髪から黒髪に染め、
次なるバイトの面接に挑む前日に、
えらく真剣な眼差しのカピ子はねこまたお母さんに言った。

と、、、、、。
壮絶な不登校暗黒闇思春期反抗期もうやだわ期を経て、いいお母さんの皮を脱ぎ捨てたねこまたさんは、
どれほどにカピ子の書く履歴書が誤字脱字だらけであろうが、
どれほどにカピ子が素っ頓狂な身なりで面接に行こうが、
なにひとつ物申す事をしなかった。
カピ子の人生はカピ子のもの
カピ子がかく恥はカピ子のもの
カピ子の失敗は、尊き経験値のひとつ
を心のど真ん中に据え置いておる。
どのくらいカピ子の行動に口を出さないのかと言うと、前回、かの有名なファミレスの面接時のカピ子の姿が、
頭部→金髪(水色の差し色あり)
まゆげ→真っ黒
耳→両側にピアス
顔→前日の夜更かしによりむくんでいる
上半身→白シャツに爺の喪服用黒ネクタイ。その上に通信制高校の制服ジャケット
下半身→韓国アイドルが着ていそうな紐がぴろぴろついている黒いズボン
という出立ちであったとしても!だ!!!
、、、正直、2度見するレベルの珍妙な姿だ。
彼女はどこに行こうとしているのだろう。
チェンソーマンのコスプレをしてハロウィンに参加する予定の人が、うっかりしてバイトの面接会場に行ってしまった件
という漫画のタイトルが脳裏に浮かぶ。
さらに、とても残念な事に、金髪に染め上げたけれどお金が足りなくてヘアカットはしなかったと言うもんだからもう、
頭部にいたっては、ヘアスタイルが整っていないもっふり金髪なのだ。
頭のサイズが、通常時のカピ子の2倍はあるように見える🍄
本気でバイトをしたくて面接に来ているというよりも、面接官を本気で笑かしにかかっているとしか思えない。
カピ子の面接をしてくれた担当者の方の目玉はきっと、彼女が入ってきた瞬間、
どえらいの来たなこれ

と、飛び出してしまったと思ふ
、、、、さて、話は冒頭に戻る。
カピ子の中ではピカイチの面接スタイルでもってしても、不採用になってしまった(いやあたりまえやろ)
という経験値をゲットした彼女は途方にくれていた。
いつもの美容室で、美容師のお姉さんに黒髪に染めてもらって、非常にスッキリとしたショートカットに切り揃えてもらったものの、
いったいどんな服装で行けば良いのかがもう、さっぱりわからないのだ。
そこで彼女は閃いた。
そうだ!お母さんに聞こう!と。
、、、、、、、。
平均IQが71のカピ子が躓かないように、
カピ子の歩く道の先の小石を全て撤去する勢いで、過干渉ポイズンをしておったねこまたさん。
カピ子に聞かれる前に、カピ子が知りたい事の3倍は先走って喋っておったねこまたさん、
こんな感じ↓であったねこまたさん。
2021年に自らの育児の間違いに気づき
今、まもなく2025年をむかえると言うことは、あの苦しんだ時期から4年が経過したと言う事。
失敗に失敗を重ね、それでもめげずにチャレンジを続けたカピ子は、
失敗する前に、どうやったら成功(バイトに採用される)するのかを大人に聞いて、その通りにしてみたらいいんじゃない??
という事に気づきましたああああああああ!!!






自分から学ぼうとしている人間に教えるのは楽
は、真実である!と言う事をここに記録したい。
カピ子は、いたって素直にねこまたお母さんからのアドバイスを聞き、


と言いつつ、履歴書の欄を埋めた。

と言いつつ、真剣にお母さん面接官による面接実技の練習をこなし、

と真剣な眼差しで答えた。
やだ。
カピ子と話すの気持ちいい
と思った。
すぐに臍を曲げて怒り出す、カピ子の姿はなかった。
嬉しくなったねこまたお母さんは、カピ子のクローゼットから、3着ほど服を選んで持って来る。
ざっくりとした編み目模様が美しい、白いセーター。
同じく編み目模様が美しい、カピ子の肌の色によく似合う青いセーター。
カピ子の体型に沿う柔らかい生地の白いシャツ。
ピッタリとしたシンプルな黒いパンツ。
どの服もカピ子によく似合い、明るく聡明に見せてくれる。
鏡の前でカピ子が着替える。
どちらもよく似合うけれど、青いセーターはどこかでひっかけたのか、小さな穴が開いていたのでやめた。
面接の日の朝、
艶々とした黒髪のショートカット
ちょうどいいサイズの白いセーター
黒いパンツ
ピアスははずす
眉毛は整えて、化粧はせずに口紅だけつける。
鏡の中にうつるカピ子は、とても落ち着いた感じの素敵なお姉さんだった。
自分でも納得の出来栄えだったのか、心待ち姿勢も良くなり顔には笑顔が浮かぶ。
面接場所までは、ねこまたが車で送ってあげた。
インフォメーションでカピ子は店員さんに声をかけ、
ドキドキしつつ、面接場所へ案内されて消えていった。
、、、、、。
電話が鳴る。
カピ子からだ。
駐車場に停めた車の中で、ぐーぐーとお昼寝をしておったねこまたを見つたカピ子は、バーンと車のドアをあけた。








嬉しい、嬉しい、目の前で採用してもらったの初めて!
びっくりした!嬉しかった!褒めてもらった!
カピ子さんが来てくれて嬉しいって言ってもらった!
全身から花びらが舞い上がるように、カピ子は面接の一部始終を喋ってくれた。
帰り道にはケーキ屋さんに寄って、おめでとうパーティーだ!!
自宅でまったりとくつろぐ弟の猿君に、バイトの即採用を報告するカピ子。

という正論返しにめげることもなく、

とニコニコニコニコにっこにこしておられた。
さてさて、飲食店のキッチン業務の次に、カピ子が採用されたバイト先は、、、、、?
スーパーの品出し業務、早朝の2時間から3時間

万が一いじわる〜な先輩がいても、5、6時間一緒に過ごす事がないし、1人で黙々とできる仕事だからなんとかなりそう

私は不登校やったから、クラスメイトとかに合うと嫌やから、高校生がいない早朝勤務にした

などなど、色々考えて選んだらしい。
さて。
来週から新しい場所でのバイトが始まる。

とカピ子が笑う。
失敗に失敗を重ねて、
経験に経験を重ねて、
カピ子の人生ストーリーが、ハリーポッターシリーズのように本の中に印字されてゆく
なかなかに面白い読み物だぞ?君のストーリーは
ねこまたお母さんは、きみの物語の続きを楽しみにしている。
↑毎日はいている。
形が良い。
猿君に与えた。面白いらしい
猿くんのニキビに
ねこまたのスマホケース