焼肉店で、

お客さんから頼まれたわけでもないのに、

 

「網を交換しますね!」といって、

サッと網を交換してくれる時がある。

 

言われる前にお客さんの気持ちを

察して行なう、その気遣いは、

 

網の交換にプラスして、

 

「お客さんのことをきちんと見てますよ!」

という店側のサインにもなる。

 

するとお客さんは、

 

「おっ、気がきくねぇー!」と、

ちょっと嬉しくなったりするもの。

 

つまり、網を交換するその瞬間は、

お客さんの気持ちも、

 

ほんの少しばかり、

ほっこり緩んでいるのである。

 

では、なぜ、

そもそも網を交換するのか?

 

それは、

おいしく焼肉を食べてもらいたいから。

 

肉をどんどん焼いているといつの間にか、

網に焦げ目がついてしまっている。

 

そうなると、せっかく肉を焼いても、

どうしても焦げやすくなる。

 

だからこその、

網の交換である。

 

それなら、そのことを、

ひと言、付け加えてみてはどうだろう?

 

「おいしくお肉を焼いていただくために、

 網を交換いたしますね!」と。

 

その方が店側の思いはよりストレートに、

お客さんに伝わりやすくなる。

 

さらに、そのタイミングで、

 

「口直しにさっぱりした

 塩味の焼肉などいかがですか?」

 

とすすめてみる。

 

ほっこり気持ちが緩んでいる分、きっと

追加注文も取りやすくなっているはず。

 

そう、ただ「網を交換しますね!」

といってシンプルに交換するよりも、

 

「おいしくお肉を焼いていただくために、

 網を交換いたしますね!」

 

と言って交換した方が、

 

店側の思いもきちんと伝わるし、

追加注文も取りやすくなる。

 

まさに、

いいことづくめである。

 

恩着せがましく取られないように、

恩着せがましくアピールする。

 

それが商売だ!