育児をするときの手続き⑦ | さくらの社会人1年目からの人事担当

さくらの社会人1年目からの人事担当

入社時の配属発表でで社会人1年目にして
人事担当に配属された!?!?
社会保険?から始まったさくらが
同じ様に「社会保険???」な方と情報をシェアしたくてはじめました。

現在は社会人6年目。
社会保険労務士目指して勉強中!!

今まで、子育てをする時に
利用できる制度について
お話ししてきました。
 
本日は子育てに関する記事の最終回として
趣向を変えて、

(5)働くことと両立する育児の現状について

<育児休業の取得状況>
<家族の様子の変化>
<子供の出生状況>
<わたしが人事担当として思うこと>
に分けてお話ししたいと思います。
 
 
メガネココから解説!!
<育児休業の取得状況>
平成30年度の育児休業取得率は
女性が82.2%、男性が6.16%でした。
 
男性は過去最高の取得率となっています。
 
ただし、育児休業をした期間については
女性の31.3%が10〜12ヶ月
29.8%が12〜18ヶ月、
10.9%が8〜10ヶ月なのに対し
男性は36.3%が5日未満、
35.1%が5〜14日未満、
11.9%が1〜3ヶ月未満でした。
 
つまり、妻が産褥期で
休まなければならない期間すら
殆どの夫が育児休業を取って
子育てができていないということです。
 
 
<家族の様子の変化>
わたしは現在新卒6年目の世代です。
わたしの子供の頃は田舎出身なこともあり
まだお母さんが主婦という家庭が多かったですが
現在はだいぶ様変わりしています。
 
女性の年齢階級別労働力率の
M字カーブをご存じでしょうか。
 
そもそも、労働力率とは15歳以上の人口のうち
実際に働いている人と、
求職しているけれど仕事ができていない人
(働く意思のある人)の割合を言います。
 
平成20年では、25~29歳の76.1%がピークで
その後35~39歳の64.9%がMの谷の部分となり
45~49歳には75.5%まで回復していました。
 
この20年くらいのMの谷の部分は
日本では主に育児のために女性が仕事から
離れなければならないことから生じます。
 
平成30にはこのMの形も変わり、
25~29歳がピークであることには
変わりないのです労働力率は83.9%まで上昇し
Mの谷の底が35~39歳までずれ込み
この年代でも74.8%が働いていたり、
働く意思のある状況になりました。
40~44歳には79.6%で
谷の終わりとなっています。
 
少しずつですが、M字カーブが
欧米でみられるような
台形に近づいてきましたし、
谷の期間も短くなるようになりました。
 
 
また、共働き世帯は平成9年には
いわゆる働く夫と専業主婦の妻の世帯を
上回り今でも年々増加しています。
 
 
 
<子供の出生状況>
練和元年(2019年)に生まれた赤ちゃんは
84万5234人で前年より5万人以上減りました。
 
また15~49歳の女性の出生率、
合計特殊出生率は1.36になりました。
 
平成28年には赤ちゃんは
97万7242人うまれていたので
赤ちゃんは急速に減ってきています。
 
 
 
<わたしが人事担当として思うこと>
上述の3つからわかるのは
・女性の社会進出が進んでいる
・男性も少し育児休業を取れるようになった
・ただ妻や子をサポートできるほど休めてない
・子供の数は減っている
ということです。
 
また、平成30年の国民生活基礎調査によると
57.7%つまり半分以上の世帯が
生活がやや苦しい、大変苦しいとしています。
 
つまり、女性も男性も仕事をしたいまたは
しなければならないような状況で
男性は変わらず子育てに十分参加できず
子供を持つという選択を後回しにしたり
諦めたりする家族が増えているということです。
 
 
今まで6つの記事で紹介したように
育児を支援する制度はたくさんあります。
 
ではなぜそれでも子育てをめぐる状況は
改善しないのでしょうか。
 
わたしは環境的な要因が多いと思います。
 
それこそ女性の年齢階級別労働力率の
M字カーブの谷が深く長かった世代の人たちが
いま働いている人の中心だと思います。
 
女性は家にいることが当たり前だった人たちが
選択肢が増えた今の時代、むしろそのような
価値観はハラスメントだといわれる時代でも
自分の過ごしてきた環境が正しかったとし、
それ以外の環境は受け付けない、または
体面上受け入れていても快く思っていない
ためだと思います。
 
制度はあっても心理的な面で
使いにくいということです。
 
わたしは産休を取るためにその直前まで
毎日残業をしなければならなかった女性も、
仕事のため出産にすら立ち会えなかった
男性も見てきました。
 
職場のランチにコンビニご飯を買ってきて
「晩御飯はちゃんと手作りしてるのよ」
と言い訳をするお母さんも
「この間幼稚園のの発表会だったんだ」と
奥さんがとった子供のワンショットの写真を
見せてくれるお父さんもいました。
 
子供のお弁当を一日作れなかっただけで
だれに言い訳をしないといけないのでしょう。
なぜ、たった1日、数時間の発表会すら
写真でしか成長を知ることができないのでしょう。
 
そして当事者たちにそのようにさせてしまった
わたしを含めた周りの従業員たちは
その人たちあるいはその家族を苦しめて、
どうしたかったのでしょうか。
 
どうして、会社という人の代替の利くところが
母や父というたった一人の代替の利かない
役割よりも優先されているのでしょう。
 
次世代を担う、子供が減ることで得をする
大人は誰もいません。
 
いつか自分が年老いたときに
その面倒を見てくれるのも、
現役を引退して訪れた観光地で
サービスをしてくれるのも
自分の代ではかなえることができなかった
夢を実現してくれるのも全て
自分の次の世代の子供たちです。
 
でもわたしに「妊娠して」とか「子供が産まれて」
とか報告をしてくれた従業員たちは
それによって仕事を休むことを
大変申し訳なさそうにしていましたし
家族が無理をすることで、自分が仕事を
続けられる場合は何とかそうしようとしました。
 
 
こんな時ぐらい手放しで喜べるよう
心から「おめでとう」を言える気持ちを
まず持ちたいものだと思います。