前回までの記事で産前産後休業について
お話してきましたが、これ以外にも
妊産婦さんを保護する目的の決まりが
労働基準法などで定められています。
本日は、
(3)妊産婦に対する配慮について、
<労働基準法での妊産婦の定義>
<就業制限>
<労働時間の制限>
<解雇制限>
<妊産婦さんの体調管理のために>
に分けてお話ししたいと思います。
ココから解説!
たくさんありますので
どんどん列挙したいと思います。
<労働基準法での妊産婦の定義>
事前に定義をしておきたいのですが
ここで話す【妊産婦】とは
妊娠中の女性を妊婦、
産後1年を経過しない女性を産婦といい、
併せて妊産婦といいます。
<就業制限>
まず、就業制限されている業務ですが
すべての妊婦と産婦で申出をした者については
坑内でのすべての業務が禁止されています。
(坑とは地中に穴を穿ち
出口がないような場所のこと)
産婦で申出をしなくても、坑内での人力での
掘削業務など女性に有害な業務として
定められている業務は禁止です。
また、
1.重量物を取り扱う業務
2.有害物のガスを発散する場所における業務
3.身体に著しい振動を与える
機械等を使用する業務
4.高さ・深さが5m以上の場所での業務
5.その他妊娠、出産、哺育に有害な業務
については妊婦は就業してはなりません。
産婦も上述の1、2、3は就業禁止、
5については産婦が申し出た場合に
禁止されています。
ここまでは特定の業務での配慮について
紹介してきましたが、その他の仕事でも
妊娠中の女性については本人が請求した場合は
他の軽易な業務に転換させなければ
ならないことになっています。
ただし、新たに軽易な業務を創設してまで
転換させる必要はないことになっています。
<労働時間の制限>
業務の種類だけでなく、労働時間についても
制限が3つ設けられています。
1つめに変形労働時間制を
採用している事業所で
妊産婦が請求した場合には
1週間(40時間)及び1日(8日)の
法定労働時間を超えて労働できません。
2つめに妊産婦が請求した場合には
時間外・休日労働をさせてはなりません。
3つめに妊産婦が請求した場合には
深夜業(22時~翌朝5時まで)は
させることができません。
つまり、請求された場合は
時間外の労働はできないということです。
ただし、この3つについては
1、2については管理監督者である
妊産婦については適用されません。
管理監督者の妊産婦は労働時間等については
深夜業のみ禁止されています。
これは、管理監督者がそもそも
労働時間、休憩、休日の規定については
適用除外となっているからです。
<解雇制限>
次に解雇についてですが、
産前産後休業期間中とその後30日間は
原則、解雇することができません。
これは、産前産後で労働能力を
喪失している期間とその後の回復に
必要な期間、労働者を保護するためです。
<妊産婦さんの体調管理のために>
最後に妊産婦の健康管理についてですが、
これは、労働基準法ではなく、
男女雇用機会均等法に基づき、雇用主は
女性労働者が健康指導や健康診査を
受けるために必要な時間を確保することが
できるようにしなければなりません。
具体的には
妊娠23週までは4週間に1回、
24週から35週までは2週間に1回、
36週から出産までは1週間に1回、
産後1年以内は医師又は助産師の指示
があったときに必要な時間を
確保できるようにできるように
しなければならないとされています。
また、事業主は女性労働者が
健康指導や健康診査
に基づく指導事項を守ることができるように
勤務事項の変更や勤務の軽減などの
必要な措置を講じなければならなりません。
細かい規定をたくさん列挙しましたので、
本日はざっと確認して
周りに妊産婦さんがいる場合は、
振り返って確認してみてください。