クロームモリブデン鋼(ストーク修復⑤) | オバサン、52歳からのオートバイ挑戦日記

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2021年8月23日 月曜日

 

 

ストークの重量は、

 

35.9㎏しかない、

 

 

ストークが、1977年1月2日に記録更新するまで、

 

5年間も世界記録を保持していた、

 

イギリスのジュピターは66㎏もある。

 

 

ジュピターの翼長は24m、

 

ストークは翼長21m、

 

翼長差は3mだが、重量差は、29.9㎏、

 

 

つまり、

 

日本のストークは、イギリスのジュピターよりも、

 

ほんの少しだけ小柄で、体重は約半分なのだ、

 

 

一見すると、

 

「驚異的な軽量化が世界記録に直結したのか!?」

 

と、思ってしまうが、それだけではない!

 

 

ストークは強度も素晴らしかったのだ、

 

 

ものづくりのイロハとして、

 

ごつい材料をしっかり組み合わせれば、

 

頑丈なものができるに決まっている、

 

 

動くモノを作るとき、

 

船や列車や車なら、

 

 

丈夫さと、軽さの両立が、

 

命がけの絶対条件ではない、

 

 

でも、

 

飛行機は違う、

 

 

空中に浮かび、

 

進むから、

 

 

重いと浮かばないし、

 

弱いと、ほんの少しの風でも、

 

バラバラになって墜落する、

 

 

軽くて強いは、

 

飛行機の絶対条件だ、

 

 

ましてや、人力飛行機は、

 

その絶対を極限まで攻める、

 

 

人力飛行機の動力=マンパワーを、

 

プロペラに伝える装置は、自転車に似ている、

 

 

けれど、

 

自転車のフレームは華奢過ぎて、

 

強度不足で使えない

 

 

ストークは、

 

極薄のパイプを

 

ジャングルジムのように組み合わせ、

 

オリジナルのフレームを作った、

 

 

 

厚さ0.6mm、

 

超極薄のクロームモリブデン鋼、

 

 


ストークを作った日大格納庫には、

 

過去の人力飛行機を作ったときの部材が余っていた、

 

 

ストークのフレームは

 

石井さんたちの先輩、

 

 

イーグレットの先輩が、

 

外注したクロームモリブデン鋼の薄肉パイプを使った

 

 

だから、

 

 

ストークBのフレームに戻すためには、

 

49年前に特注した、あのクロームモリブデン鋼が必要なのだ、

 

 

 

49年前の日本は、

 

腕利きの職人さんが手作業していた町工場がたくさんあった、

 

 

極薄のクロームモリブデン鋼パイプを作ってくれたのも

 

そのパイプを溶接を手伝ってくれたのも、

 

そんな町工場の職人さんだった。

 

 

でも、

 

今は違う、

 

 

どんな小さな町工場も

 

プログラム入力した機械で、

 

ものづくりしている、

 

 

また、

 

大手メーカーなどは

 

材料だけは外国に工場を持っている、

 

 

 

0.6mm厚クロームモリブデン鋼は、

 

超特殊だ、

 

 

いったい、

 

どこで、誰が、

 

引き受けてくれるのか?

 

 

↓町工場の職人さん(向かって左側)と

ストークのフレームを溶接している土本さん(ストークA)

 

 

~つづく~