ALS(筋萎縮側索硬化症)について
残留性有機汚染物質*との関係が示されましたね。(→こちら)
ALSも様々ですが、環境疾患という面があるのかどうか
今回はこのあたりのことです。
よろしければお付き合いください
*残留性有機汚染物質(POPs:詳しくは→こちら)
論文を書いたのは米国ミシガン大のグループ
ミシガン湖
筆頭はステファン先生
Stephen A Goutman 准教授
雑誌は2019年のJNNPに掲載です(文献1)(少し前ですが)
JNNPは神経学の世界トップの雑誌です。
ALSの環境因子
ALS にはさまざまな因子が関与します。
その因子を探求することは疾患理解や治療薬開発に寄与します。
従来からALSには、年齢、球麻痺症状、前頭側頭型認知症、栄養状態および遺伝的要因などがの要因があげらてきました。
また喫煙、重金属・農薬への曝露、兵役なども ALS リスクと関連します。
環境汚染の問題
今回、残留性有機汚染物質(POPs)が新たな因子とし注目されました。
Popsは有毒な合成化学物質で、環境中で生物濃縮し、半減期が長く、食品や空気を介して拡散する可能性があります。
POPsは主に害虫駆除 (OCP)、紙やプラスチックの添加剤 (PCB)、さらには難燃剤 (PBDE) として使われてきました。
とくに五大湖や海洋ではPopsが生物濃縮されており、懸念が大きいものです。
ALSとの関連
今回、Pops が ALS と関連していることが示されました。(前回ブログ)
このことは知られていなかったことで、重要な発見です。
感想
さまざまな物質がありますね。
規制がかかっていないものもあり、いろいろな病気とも関連するとのことで(文献2)ぜひ解決していただきたい問題です。
いっぽうALSの面では、要因のひとつという理解と思います。
多要因説の視点、ALSいくつかの要因の蓄積という考えがありますが、そのひとつという意味です。
ますは、いい環境ですごす。
できるところからやっていきたいものですね。
そして粘っていきましょう
ここまでご覧いただきありがとうございました
文献
1.Stephen A Goutman , Jonathan Boss , Adam Patterson, Bhramar Mukherjee , Stuart Batterman, Eva L Feldman. High plasma concentrations of organic pollutants negatively impact survival in amyotrophic lateral sclerosis J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2019 Aug;90(8):907-912. doi: 10.1136/jnnp-2018-319785.
2. Guo W, Pan B, Sakkiah S, Yavas G, Ge W, Zou W, Tong W, Hong H.Persistent Organic Pollutants in Food: Contamination Sources, Health Effects and Detection Methods. Int J Environ Res Public Health. 2019 Nov 8;16(22):4361. doi: 10.3390/ijerph16224361.