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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

有限会社の業務に関し建設業法(昭和六二年改正前)四五条一項三号の違反行為をした同会社代表者の処罰と同法四八条の適用の要否

 

 

建設業法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/平成4年(あ)第129号

【判決日付】      平成7年7月19日

【判示事項】      有限会社の業務に関し建設業法(昭和六二年法律第六九号による改正前のもの)四五条一項三号の違反行為をした同会社代表者の処罰と同法四八条の適用の要否

【判決要旨】      有限会社の業務に関し建設業法(昭和六二年法律第六九号による改正前のもの)四五条一項三号の違反行為をした同会社代表者を処罰するに当たっては、同条のほか同法四八条をも適用すべきである。

【参照条文】      建設業法3-1

             建設業法(昭62法69号改正前)45-1

             建設業法48

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集49巻7号813頁

 

 

建設業法

(建設業の許可)

第三条 建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定めるところにより、二以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準ずるものをいう。以下同じ。)を設けて営業をしようとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業をしようとする場合にあつては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。

一 建設業を営もうとする者であつて、次号に掲げる者以外のもの

二 建設業を営もうとする者であつて、その営業にあたつて、その者が発注者から直接請け負う一件の建設工事につき、その工事の全部又は一部を、下請代金の額(その工事に係る下請契約が二以上あるときは、下請代金の額の総額)が政令で定める金額以上となる下請契約を締結して施工しようとするもの

2 前項の許可は、別表第一の上欄に掲げる建設工事の種類ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる建設業に分けて与えるものとする。

3 第一項の許可は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

4 前項の更新の申請があつた場合において、同項の期間(以下「許可の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の許可は、許可の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。

5 前項の場合において、許可の更新がされたときは、その許可の有効期間は、従前の許可の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

6 第一項第一号に掲げる者に係る同項の許可(第三項の許可の更新を含む。以下「一般建設業の許可」という。)を受けた者が、当該許可に係る建設業について、第一項第二号に掲げる者に係る同項の許可(第三項の許可の更新を含む。以下「特定建設業の許可」という。)を受けたときは、その者に対する当該建設業に係る一般建設業の許可は、その効力を失う。

 

第八章 罰則

第四十五条 登録経営状況分析機関(その者が法人である場合にあつては、その役員)又はその職員で経営状況分析の業務に従事するものが、その職務に関し、賄賂ろを収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。よつて不正の行為をし、又は相当の行為をしないときは、七年以下の懲役に処する。

2 前項に規定する者であつた者が、その在職中に請託を受けて職務上不正の行為をし、又は相当の行為をしなかつたことにつき賄賂を収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、三年以下の懲役に処する。

3 第一項に規定する者が、その職務に関し、請託を受けて第三者に賄賂を供与させ、又はその供与を約束したときは、三年以下の懲役に処する。

4 犯人又は情を知つた第三者の収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。

 

第四十八条 第二十七条の七第一項又は第二十七条の三十四の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 

 

所有権確認請求訴訟で敗訴した原告が後訴において共有持分の取得を主張することが前訴の確定判決の既判力に抵触して許されないとされた事例

 

 

遺産確認等請求本訴、共有持分権不存在中間確認請求反訴事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成5年(オ)第921号

【判決日付】      平成9年3月14日

【判示事項】      所有権確認請求訴訟で敗訴した原告が後訴において共有持分の取得を主張することが前訴の確定判決の既判力に抵触して許されないとされた事例

【判決要旨】      Aの共同相続人である甲乙間の土地の所有権確認請求訴訟において、甲の請求を棄却する旨の判決が確定した場合には、甲、乙がそれぞれ右土地の所有権を単独で取得したと主張して争っており、甲が事実審口頭弁論終結前に生じていたAの死亡による相続の事実を主張しなかったこと、右判決が双方の主張を排斥して右土地がAの所有である旨判断したこと、右判決の確定後に乙が右土地の所有権を主張したために甲が後訴を提起するに至ったことなどの事情があるとしても、甲が後訴において相続による右土地の共有持分の取得を主張することは、前訴の確定判決の既判力に抵触して許されない。

             (補足意見及び反対意見がある。)

【参照条文】      民事訴訟法199

             民法898

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事182号553頁

             裁判所時報1191号102頁

             判例タイムズ937号104頁

             金融・商事判例1020号13頁

             判例時報1600号89頁

【評釈論文】      久留米大学法学49号65頁

 

 

民事訴訟法

(既判力の範囲)

第百十四条 確定判決は、主文に包含するものに限り、既判力を有する。

2 相殺のために主張した請求の成立又は不成立の判断は、相殺をもって対抗した額について既判力を有する。

 

 

民法

(共同相続の効力)

第八百九十八条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。

2 相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする。

 

刑訴法上裁判所は職権で証拠調をしたり検察官に対して立証を促がしたりする義務があるか

 

 

自転車競技法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和28年(あ)第2324号

【判決日付】      昭和33年2月13日

【判示事項】      1、現行刑訴法上裁判所は職権で証拠調をしたり検察官に対して立証を促がしたりする義務があるか

             2、裁判所に検察官に対し証拠の提出を促がす義務があると認められる1場合

             3、審理不尽に基く理由の不備または事実の誤認があつて判決に影響を及ぼすことが明らかな事例

【判決要旨】      1、わが現行刑訴法上、裁判所は、原則として、職権で証拠調をしたり、または検察官に対して立証を促がしたりする義務はない。

             2、しかし、共犯または必要的共犯の関係に立つ者が多数あつて、これらの被告事件がしばしば併合または分離されつつ同一裁判所で審理されているうち、甲を除くその余の被告人等に対する関係では、同人等の検察官に対する供述調書が証拠として提出され、同被告人等に対しては有罪の判決を言い渡したが、残る被告人甲に対する関係では、検察官が不注意によつて右供述調書を証拠として提出することを遺脱していることの明らかなような場合には、裁判所は、少くとも、検察官に対し同供述調書の提出を促がす義務があるものと解するのが相当である。

             3、したがつて、右甲に対する被告事件につき、かかる立証を促がすことなく、直ちに公訴事実を認めるに足る証拠がないとして無罪を言い渡したときは、該判決は審理不尽に基く理由の不備または事実の誤認があつて、その不備または誤認は判決に影響を及ぼすことが明らかであるといわなければならない。

(2、3につき少数意見がある。)

【参照条文】      刑事訴訟法298

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集12巻2号218頁

 

 

刑事訴訟法

第二百九十八条 検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。

② 裁判所は、必要と認めるときは、職権で証拠調をすることができる。

 

 

横領罪における不法領得の意思

 

 

              業務上横領被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和23年(れ)第1412号

【判決日付】      昭和24年3月8日

【判示事項】      横領罪における不法領得の意思

【判決要旨】      横領罪の成立に必要な不法領得の意思とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思をいうのであつて、必ずしも占有者が自己の利益取得を意図することを必要とするものではない。

【参照条文】      刑法252

             刑法253

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集3巻3号276頁

 

 

刑法

(横領)

第二百五十二条 自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。

2 自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。

(業務上横領)

第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

 

 

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 

       理   由

 

 弁護人山岸竜の上告趣意第一点について。

 横領罪の成立に必要な不法領得の意志とは、他人の物の占有者が委託の任務に背いて、その物につき権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意志をいうのであつて、必ずしも占有者が自己の利益取得を意図することを必要とするものではなく、又占有者において不法に処分したものを後日に補填する意志が行為当時にあつたからとて横領罪の成立を妨げるものでもない。本件につき原審の確定した事実によると、被告人は居村の農業会長として、村内の各農家が食糧管理法及び同法に基ずく命令の定めるところによつて政府に売渡すべき米穀すなわち供出米を農業会に寄託し政府への売渡を委託したので、右供出米を保管中、米穀と魚粕とを交換するため、右保管米を黒石消費組合外二者に宛て送付して横領したというのである。農業会は各農家から寄託を受けた供出米については、政府への売渡手続を終つた後、政府の指図によつて出庫するまでの間は、これを保管する任務を有するのであるから、農業会長がほしいままに他にこれを処分するが如きことは、固より法の許さないところである。そして、前段に説明した理由によれば、原審の確定した事実自体から被告人に横領罪の成立に必要な不法領得の意志のあつたことを知ることができるのであるから、原判決には所論のような理由の不備若しくは齟齬の違法はなく、論旨は理由がない。

 同第二点について。

 原審の公判調書によると、被告人は原審の公判廷において原判決の認定したような事実は総てこれを認めたのであつて、たゞ、かかる事実は横領罪に当らず、したがつて、被告人に横領の意志がなかつたことを主張したものに外ならない。されば、原審が被告人の原審公判廷における供述を判示同旨の供述として引用したことは固より正当であつて、原判決には所論のような虚無の証拠によつて事実を認定した違法はなく、論旨は理由がない。

 同第三点について。

 原審の認定した事実が横領罪に当るものであることについては、論旨第一点に対する説明において述べたとおりであつて、本論旨は、これと異なつた見解の下に原判決を非難するものに外ならない。されば、原判決には所論のような違法はなく、論旨は理由がない。

 よつて刑事訴訟法施行法第二条旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文のとおり判決する。

 以上は裁判官全員の一致した意見である。

 検察官 長谷川瀏関与

  昭和二四年三月八日

     最高裁判所第三小法廷

ロイヤルバンク・オブ・スコットランド・ピーエルシー事件

 

 

              地位確認等請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成22年(ワ)第26146号

【判決日付】      平成24年2月28日

【判示事項】      原告が被告に,解雇無効を理由に地位確認及び解雇後の賃金の支払を求めた事案。裁判所は,本件雇用契約は,原告が,本件統合作業チームで中枢的役割を果たすだけの能力を有することを前提に締結されたもので,それは単なる期待ではなく契約内容となっていたといえるとした上,緊急性の高い業務につき,未完成のまま私用を優先して帰宅したり,成果物の内容も拙劣であったなど原告の勤務態度,勤務状況に照らすと,就業規則38条1項eに該当するといえるから,本件解雇が客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当性を欠くとは認められず,原告主張に係る,改善機会のための警告書の交付がないとか,本件解雇が整理解雇であるとか,公益通報保護法違反であるなどにつきいずれも退けた上,請求を棄却した事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

 

 

労働契約法

(解雇)

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

 

 

       主   文

 

 1 原告の請求をいずれも棄却する。

 2 訴訟費用は原告の負担とする。

 

       事実及び理由

 

第1 請求

 1 原告が被告に対し,雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する。

 2 被告は,原告に対し,2333万3340円及び別紙請求一覧表の請求金額欄記載の各金員につき同一覧表の各遅延損害金起算日欄記載の日から支払済みまで年6分の金員を支払え。

 3 被告は,原告に対し,平成22年7月18日から本判決確定の日まで,毎月18日限り116万6667円の割合による金員及びこれらに対する各支払期日の翌日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要

  本件は,被告と雇用契約関係にあった原告が,被告からされた解雇は,客観的に合理的な理由を欠くものでかつ社会通念上相当であると認められず,無効であるとして,被告に対し,雇用契約上の地位確認を求めるとともに,上記解雇後の賃金の支払を請求した事案である。

 1 前提となる事実(当事者間に争いのない事実及び後掲各証拠等により容易に認めることができる事実。証拠等の記載のないものは,当事者間に争いがない。)

  (1) 当事者

   ア 被告は,有価証券の売買,市場デリバティブ取引及び外国市場デリバティブ取引等を業とする会社である。

   イ 原告は,アメリカ国籍及びカナダ国籍を有する44歳の男性であり,1992年(平成4年。以下,年については年号で示す。)に経営学修士号を取得した後,カナダ,アメリカ合衆国の会社で勤務し,平成9年6月から日本の金融市場で勤務している。

  (2) 被告とA1銀行との合併及びその統合作業の経緯

    被告は,平成19年ころ,オランダの主要銀行であるA1証券との合併を合意し,平成20年ころから両行の統合作業が開始された。被告の東京支店においては,証券部門(正確には,被告の100パーセント子会社であるB1〔以下「B1証券」という。〕とA1証券)の統合を先行して実施することとし,これを平成20年8月末までに完了し,銀行部門の統合作業を平成21年9月までに完了するという方針がとられた(弁論の全趣旨)。

  (3) 本件雇用契約の締結

   ア 原告は,平成19年2月1日以降,被告との間で「ビジネスアナリスト グローバル・バンキング&マーケッツ トランスフォーメーション アジア」という肩書きで,1か月の雇用契約を締結し,東京支店においては勤務した。その後,同年2月28日及び同年8月3日に,同契約は更新された。

   イ 原告は,平成20年4月18日,被告との間で期間の定めのない雇用契約を締結した(以下「本件雇用契約」という。)。同契約においては,原告の年俸の基本給は980万円,基本給以外に年額420万円の住宅手当が支払われること,これら以外に前年度の業績に応じて賞与が支払われることなどが合意された。原告は,同契約に基づき,同年5月1日から勤務を開始した。

   ウ 原告は,本件雇用契約に基づき,引き続き被告の東京支店において,前記(2)の統合作業を行うインテグレーション・チームの構成員として業務に従事した。

  (4) 被告の就業規則における解雇事由の定め

    被告の就業規則38条1項には,従業員の解雇事由を列挙するところ,その中には,c)会社の事業又は設備の縮小,変更,閉鎖により余剰人員が生じたとき,e)職務遂行能力又は業績が著しく劣り,向上の見込みがないと認められたとき,j)その他各号に準ずる雇用関係を維持し難い重要な事由があるときなどという事由が掲げられている(乙16)。

  (5) 原告の被告コンプライアンス部門に対する通報の事実

    原告は,平成20年8月26日,C1証券の東京支店長で同社COO(最高執行責任者)であるD1(以下「D1」という。)と中間評価に関する面談を行った後,被告東京支店のコンプライアンス部門のE1某(以下「E1」という。)を訪れ,D1が被告の銀行部門の統合作業に関与することは,いわゆる証券会社・銀行間のファイアウォール規制に違反するのではないかと通報した(以下「本件通報」という。)。

  (6) 本件解雇に至る経緯

   ア 原告は,同年9月8日,上記インテグレーション・チームの構成員から外され,IT部門へ配転された。

   イ また,同年10月24日,F1ユニオンに加入し,同ユニオンからの申入れにより,被告との間で,原告の処遇の問題に関し,同年11月5日から平成21年12月までの間に,合計15回にわたり団体交渉が実施された。

   ウ この間の平成21年10月1日に,被告は,原告に対し,同月末日をもって解雇する旨の解雇予告を行い,同月末日をもって原告は解雇された(以下「本件解雇」という。)。

   エ 原告に対し解雇理由を通知した書面には,本件解雇の理由として,東京支店の業務あるいは施設の削減,変更,閉鎖により余剰人員が生じたため(上記就業規則38条1項c)),原告の職務遂行能力あるいは職務成績が相当に乏しく,許容範囲を下回っており,東京支店で勤務するのにふさわしくないと判断されたため(同e)),38条1項にある前述項目で指摘したのと同様な状況があり,雇用の継続が困難なため(同j))が掲げられている(甲5の1,2。以下「本件解雇理由通知書」という。)。

私的団体が護国神社に対し殉職自衛隊職員の合祀を申請する過程において自衛隊員のした行為が憲法20条3項にいう宗教的活動に当たらないとされた事例

 

 

自衛隊らによる合祀手続きの取消等請求事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/昭和57年(オ)第902号

【判決日付】      昭和63年6月1日

【判示事項】      一.私的団体が護国神社に対し殉職自衛隊職員の合祀を申請する過程において自衛隊員のした行為が憲法20条3項にいう宗教的活動に当たらないとされた事例

             二.死去した配偶者の追慕、慰霊等に関して私人がした宗教上の行為によって信仰生活の静謐が害された場合と法的利益の侵害の有無

【判決要旨】      一.社団法人隊友会の山口県支部連合会が山口県護国神社に対して殉職自衛隊員の合祀を申請する過程において、自衛隊地方連絡部の職員が合祀実現により自衛隊員の社会的地位の向上と士気の高揚を図る意図、目的の下に右連合会に協力して、他の地方連絡部に対し殉職自衛隊員の合祀状況等を照会し、その回答を右連合会会長に閲覧させるなどした行為は、宗教とのかかわり合いが間接的で、職員の宗教的意識もどちらかといえば希薄であり、その行為の態様からして国又はその機関として特定の宗教への関心を呼び起こし、あるいはこれを援助、助長、促進し、又は他の宗教に圧迫、干渉を加える効果をもつものと一般人から評価される行為とは認められず、憲法20条3項にいう宗教的活動に当たらない。

             二.死去した配偶者の追慕、慰霊等に関して私人がした宗教上の行為によって信仰生活の静謐が害されたとしても、それが信教の自由の侵害にあたり、その態様、程度が社会的に許容し得る限度を超える場合でない限り、法的利益が侵害されたとはいえない。

             (一、二につき補足意見、意見及び反対意見がある。)

【参照条文】      憲法20

             民法709

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集42巻5号277頁

 

 

憲法

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

② 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

③ 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の効力は,譲渡担保の目的である集合動産を構成するに至った動産が滅失した場合にその損害をてん補するために譲渡担保権設定者に対して支払われる損害保険金に係る請求権に及ぶか

 

 

債権差押命令に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/平成22年(許)第14号

【判決日付】      平成22年12月2日

【判示事項】      構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の効力は,譲渡担保の目的である集合動産を構成するに至った動産が滅失した場合にその損害をてん補するために譲渡担保権設定者に対して支払われる損害保険金に係る請求権に及ぶか

【判決要旨】      構成部分の変動する集合動産を目的とする集合物譲渡担保権の効力は、譲渡担保の目的である集合動産を構成するに至った動産が滅失した場合にその損害をてん補するために譲渡担保権設定者に対して支払われる損害保険金に係る請求権に及ぶ。

【参照条文】      民法304

             民法369(譲渡担保)

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集64巻8号1990頁

 

 

民法

(物上代位)

第三百四条 先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。

2 債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。

 

(抵当権の内容)

第三百六十九条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

 

司法書士に対し金銭消費貸借契約証書に基づく公正証書の作成の代理嘱託を依頼するに際して偽造の同契約証書を真正な文書として交付する行為と刑法161条1項にいう「行使」

 

 

有価証券偽造,同行使,公正証書原本不実記載,同行使,有印私文書偽造,同行使被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/平成15年(あ)第537号

【判決日付】      平成15年12月18日

【判示事項】      司法書士に対し金銭消費貸借契約証書に基づく公正証書の作成の代理嘱託を依頼するに際して偽造の同契約証書を真正な文書として交付する行為と刑法161条1項にいう「行使」

【判決要旨】      司法書士に対し金銭消費貸借契約証書に基づく公正証書の作成の代理嘱託を依頼するに際して偽造の同契約証書を真正な文書として交付する行為は,刑法161条1項にいう「行使」に当たる。

【参照条文】      刑法161-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集57巻11号1167頁

 

 

刑法

(私文書偽造等)

第百五十九条 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

2 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。

3 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 

(偽造私文書等行使)

第百六十一条 前二条の文書又は図画を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処する。

2 前項の罪の未遂は、罰する。

 

プラウドフットオブジャパン事件

 

 

地位確認等請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成10年(ワ)第6384号

【判決日付】      平成12年4月26日

【判示事項】      一 経営コンサルティング会社にインスタレーション・スペシャリストとして採用され勤務していた従業員に対し、職務に必要な職務遂行能力を欠くとしてなされた解雇が、今後も雇用し続けることにより求められている能力や適格性を高める機会を与えたとしても、能力や適格性において平均に達することを期待することは極めて困難であるとして、就業規則が定める解雇事由に該当するとされた例

             二 右解雇に至るまでに会社が従業員に対して職務を変更したうえでの雇用の継続を提案し、交渉を重ねたという経過を併せ考えれば、本件解雇は、客観的に合理的な理由を欠くとはいえず、権利濫用には当たらないとされた例

【掲載誌】        労働判例789号21頁

【評釈論文】      法律時報74巻1号92頁

 

 

労働契約法

(解雇)

第十六条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

 

他の者が先行して被害者に暴行を加え,これと同一の機会に,後行者が途中から共謀加担したが,被害者の負った傷害が共謀成立後の暴行により生じたとは認められない場合と刑法207条

 

 

              傷害,強盗,窃盗被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/令和元年(あ)第1751号

【判決日付】      令和2年9月30日

【判示事項】      1 他の者が先行して被害者に暴行を加え,これと同一の機会に,後行者が途中から共謀加担したが,被害者の負った傷害が共謀成立後の暴行により生じたとは認められない場合と刑法207条

             2 他の者が先行して被害者に暴行を加え,これと同一の機会に,後行者が途中から共謀加担したが,被害者の負った傷害が共謀成立後の暴行により生じたとは認められない場合において,後行者の加えた暴行が当該傷害を生じさせ得る危険性を有しないときに,刑法207条を適用することの可否

【判決要旨】      1 他の者が先行して被害者に暴行を加え,これと同一の機会に,後行者が途中から共謀加担したが,被害者の負った傷害が共謀成立後の暴行により生じたとは認められない場合,その傷害を生じさせた者を知ることができないときは,刑法207条の適用により後行者は当該傷害についての責任を免れない。

             2 他の者が先行して被害者に暴行を加え,これと同一の機会に,後行者が途中から共謀加担したが,被害者の負った傷害が共謀成立後の暴行により生じたとは認められない場合に,刑法207条の適用により後行者に対して当該傷害についての責任を問い得るのは,後行者の加えた暴行が当該傷害を生じさせ得る危険性を有するものであるときに限られる。

【参照条文】      刑法207

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集74巻6号669頁

 

 

刑法

(同時傷害の特例)

第二百七条 二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。