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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

競輪選手が八百長レースにより賞金、払戻金を受領する行為と詐欺罪の成否

 

 

              詐欺自転車競技法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和26年(あ)第1247号

【判決日付】      昭和29年10月22日

【判示事項】      競輪選手が八百長レースにより賞金、払戻金を受領する行為と詐欺罪の成否

【判決要旨】      競輪選手が他の選手(又は第三者)と通謀して実力に非ざる競技をなすいわゆる八百長レースにより賞金および払戻金を受領する行為は、刑法の詐欺罪を構成する。

【参照条文】      刑法246

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集8巻10号1616頁

             最高裁判所裁判集刑事99号267頁

             判例時報39号20頁

 

 

刑法

(詐欺)

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

 

 

法学教室 2023年6月号(No.513) 特集1「民法研究の最前線から学ぶ」

 

有斐閣

 

2023年05月26日 発売

定価  1,650円(本体 1,500円)

 

 

ゆるやかに夏へと向かう6月。降り続く雨は鬱陶しいですが、実りの秋へと続く恵みの雨でもあります。雨の日は、じっくり読書でもいかがでしょうか。いつか豊かな学問の実を結ぶかもしれません。

 

今月号の特集1は「民法研究の最前線から学ぶ」。「研究の最前線」は遙か遠く、見通すことは困難かもしれません。でも、少しだけ背伸びをしてその地点に目を向けることで、視野がぐっと拡がる可能性があります。ぜひじっくりと対峙してみてください。特集扉(p.8)からお読みいただくのがおすすめです。

 

特集2は「法学部生のための文章力ステップアップ」。法学部で誰しもが悩むと言っても過言ではない「法律(法的)文章の書き方」を、お二人の先生の対談で説き起こします。前期試験やレポート課題が間近にあるみなさま、必読です。

 

 

◆特集1 民法研究の最前線から学ぶ

Ⅰ 契約の解釈における表示の意義…山城一真……10

 

Ⅱ 契約の解除と価額償還義務…中村瑞穂……17

 

Ⅲ 債務不履行に基づく費用賠償…金丸義衡……23

 

Ⅳ 債権者の共同担保に関する流動性…瀬戸口祐基……29

 

Ⅴ 双務契約上の債務の牽連性と相殺の担保的機能…岩川隆嗣……35

 

◆特集2 法学部生のための文章力ステップアップ

〔対談〕法学部生のための文章力ステップアップ…上田健介/衣笠葉子……42

 

 

コメント

特集1「民法研究の最前線から学ぶ」の学説の対立は、実務家にとっては、やや難解ですね。

 

特集2「〔対談〕法学部生のための文章力ステップアップ」は、参考になりました。

 

 

金融機関の従業員が顧客に対し融資を受けて宅地を購入するように勧誘する際に当該宅地が接道要件を具備していないことを説明しなかったことが当該宅地を購入した顧客に対する不法行為を構成するとはいえないとされた事例

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成14年(受)第458号

【判決日付】      平成15年11月7日

【判示事項】      金融機関の従業員が顧客に対し融資を受けて宅地を購入するように勧誘する際に当該宅地が接道要件を具備していないことを説明しなかったことが当該宅地を購入した顧客に対する不法行為を構成するとはいえないとされた事例

【判決要旨】      金融機関の従業員が、顧客に対し、融資を受けて宅地を購入するように積極的に勧誘し、その結果として、顧客が接道要件を具備していない宅地を購入するに至ったとしても、当該従業員において当該宅地が接道要件を具備していないことを認識していながらこれを当該顧客に殊更に知らせなかったことなど、信義則上、当該従業員の当該顧客に対する説明義務を肯認する根拠となり得るような特段の事情をうかがうことができないなど判示の事情の下においては、当該従業員が上記接道要件を具備していないことを説明しなかったことが当該宅地を購入した顧客に対する不法行為を構成するということはできない。

【参照条文】      民法709

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事211号337頁

             裁判所時報1351号305頁

             判例タイムズ1140号82頁

             金融・商事判例1179号5頁

             金融・商事判例1189号4頁

             判例時報1845号58頁

             金融法務事情1703号48頁

 

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

 

 

有限会社の社員総会における特定の社員を取締役に選任すべき決議と右特定の社員の特別利害関係

 

 

社員総会決議無効確認事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和52年(オ)第833号

【判決日付】      昭和53年4月14日

【判示事項】      有限会社の社員総会における特定の社員を取締役に選任すべき決議と右特定の社員の特別利害関係

【判決要旨】      有限会社の社員総会において、会社の社員である特定の者を取締役に選任すべき決議をする場合に、その特定の者は、右決議につき特別の利害関係を有する者に当たらない。

【参照条文】      有限会社法41

             商法239-5

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集32巻3号601頁

 

 

会社法

(株主総会等の決議の取消しの訴え)

第八百三十一条 次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより株主(当該決議が創立総会の決議である場合にあっては、設立時株主)又は取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。以下この項において同じ。)、監査役若しくは清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。

一 株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。

二 株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。

三 株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。

2 前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。

 

手錠を施されたまま取調を受けた被疑者の自白の任意性

 

 

              公職選挙法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和37年(あ)第2206号

【判決日付】      昭和38年9月13日

【判示事項】      手錠を施されたまま取調を受けた被疑者の自白の任意性

【判決要旨】      勾留されている被疑者が、捜査官から取り調べられる際に、さらに手錠を施されたままであるときは、反証のない限り、その供述の任意性につき一応の疑いをさしはさむべきである。

【参照条文】      憲法38-2

             刑事訴訟法319-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集17巻8号1703頁

 

 

憲法

第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

② 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。

③ 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

 

 

刑事訴訟法

第三百十九条 強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。

② 被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。

③ 前二項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。

 

 

 

新型コロナウイルス感染拡大による売上減少に対応する休業中の休業手当請求の可否

 

 

賃金請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/令和3年(ワ)第3129号

【判決日付】      令和3年11月29日

【判示事項】      1 ホテルの客室清掃係であった原告Xの所定始業時刻より前に行っていた準備作業時間および労働契約上の休憩時間のそれぞれにつき,実質的には労働時間であったとして,これらに関する未払賃金と遅延損害金および付加金の請求が認められるとともに,新型コロナウイルス感染拡大による売上減少に伴う所定労働時間の減少や休業につき,労働契約の変更に関する合意はないことから,休業等は被告Y社からの一方的な休業命令であって,この休業命令は労基法26条の「使用者の責めに帰すべき事由」に当たるため,支払われた休業手当に不足があるとして不足分の未払賃金と遅延損害金および付加金の請求が認められた例

             2 Xが所定始業時刻前に行っていた準備作業は業務遂行そのものであり,その作業がタイムカードの打刻後にY社の管理が及ぶ店舗内で行われ,すべての出勤日で行われ続けていたことなどからすれば,準備作業はY社の包括的で黙示的な指示によって行われていたものであるから,所定始業時刻前の準備作業の時間は労働時間であるとされた例

             3 Xは,所定労働時間内においては,実作業に従事していない時間であっても,状況に応じて業務に取り掛からなければならない可能性がある状態に置かれていたというべきであり,常に控室への在室を余儀なくされていたものであるから,労働からの解放が保障されていたとはいえず,所定労働時間内はすべて労基法上の労働時間に当たるとされた例

             4 新型コロナウイルスの感染拡大を契機とした所定労働時間の減少や休業につき,労働契約の変更に関する個別の合意や就業規則の変更は存在しないから,これらはY社がXに休業を命じたものと解すべきであるところ,Y社は毎月変動する売上げの状況やその予測を踏まえつつ従業員の勤務日数や勤務時間数を調整しており,これは使用者がその裁量をもった判断により従業員に休業を行わせていたものにほかならないから,本件休業は不可抗力ではなくY社側に起因する経営・管理上の障害によるものと評価すべきであり,本件休業はY社の「責めに帰すべき事由」によるものであるとされた例

【掲載誌】        労働判例1263号5頁

 

 

労働基準法

(休業手当)

第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

 

救急医療を要請しなかった不作為と被害者の死の結果との間に因果関係が認められた事例

 

 

              覚せい剤取締法違反、保護者遺棄致死被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成元年(あ)第551号

【判決日付】      平成元年12月15日

【判示事項】      救急医療を要請しなかった不作為と被害者の死の結果との間に因果関係が認められた事例

【判決要旨】      被告人らによって注射された覚せい剤により被害者の女性が錯乱状態に陥った時点において、直ちに被告人が救急医療を要請していれば、同女の救命が合理的な疑いを超える程度に確実であったと認められる本件事案の下では、このような措置をとらなかった被告人の不作為と同女の死亡との間には因果関係がある。

【参照条文】      刑法218-1

             刑法219

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集43巻13号879頁

 

 

刑法

(保護責任者遺棄等)

第二百十八条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

(遺棄等致死傷)

第二百十九条 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

 

契約に基づく債務の履行不能による損害賠償請求権の消滅時効の起算点

 

 

             損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成7年(オ)第2472号

【判決日付】      平成10年4月24日

【判示事項】      契約に基づく債務の履行不能による損害賠償請求権の消滅時効の起算点

【判決要旨】      契約に基づく債務の履行不能による損害賠償請求権の消滅時効は、本来の債務の履行を請求し得る時から進行する。

【参照条文】      民法166-1

             民法415

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事188号263頁

             裁判所時報1218号111頁

             判例タイムズ990号135頁

             金融・商事判例1061号23頁

             判例時報1661号66頁

             金融法務事情1538号65頁

 

 

民法

(債権等の消滅時効)

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。

3 前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

 

(債務不履行による損害賠償)

第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。

一 債務の履行が不能であるとき。

二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。

 

 

自招事故ではないと認めた事例・福岡高裁判決

 

 

保険金等請求控訴事件

【事件番号】      福岡高等裁判所判決/平成18年(ネ)第905号

【判決日付】      平成20年1月29日

【判示事項】      1 X1が,妻X2所有の本件自動車を運転中,自損事故(本件事故)を発生させ,同車が破損するとともに,X1及び同乗していた長男X3が負傷したとして,X2がYとの間で締結していた保険契約に基づき,XらがYに対して保険金等を請求した。

             これに対し,Yは,アX1の述べる事故態様(道路左側の公園のコンクリート製防護柵をなぎ倒しながら電柱に衝突したなどとするもの)は客観的状況に反して信用できないこと,イ本件事故当夜は雨が降っていたのに,X1及びX3がわざわざごみを捨てに車で出かける必要性に乏しいこと,ウ本件自動車が融資のために度々担保に供されるなどXらの経済状況は逼迫していたこと,エX2は過剰な車両保険を掛け,本件事故前に保険金額を増額し,或いはオ本件自動車の修理費用を過大に見積もるなどしていること,カX1及びX3の受傷及び治療内容が疑わしいこと,キX1は5回の保険金受領歴があり,保険金請求に絡む詐欺前科があることなどの諸事情からすると,本件事故は,X1が故意に引き起こしたものというべきであり,保険金の支払を免責されると主張して争ったほか,控訴審において,Xらが本件事故の事故態様等に関して虚偽申告をしており,この点でも保険金支払が免責されるという主張を追加した。

             2 原判決は,本件事故はX1によって故意に引き起こされたものであり,Yは保険金の支払を免責されるとして,Xらの請求をいずれも棄却した。

             3 これに対し,本判決は,上記ア,オ,カは認めつつも,これらは本件事故の態様及び結果を誇張することによって過大な保険金を得ようとしたものと解する余地があり,本件事故の故意性を認める決定的な根拠とはいい難く,イ,エも反論の余地があり,ウについては,そのとおりの事実(担保提供)が認められるからXらの生活が決して楽ではなかったことは窺われるものの,その都度負債が解消され,本件自動車を含めて3台の自動車を保有・維持しているなどの事情からすれば,Xらの生活が立ち行かないような状態にあるとまでは認め難く,保険金取得を企図するような経済的状況は窺えないとし,キも決め手にはならないとして,本件事故の故意性を否定した。

             他方,X1の虚偽申告についてはこれを認め,Yの免責を肯定したが,X2及びX3についてはこれを認めず,Yに対して,X2及びX3への保険金の支払を命じた(ただし,相当程度減額した。)。

【掲載誌】        判例時報2009号144頁

             LLI/DB 判例秘書登載

 

 

保険法

(保険者の免責)

第十七条 保険者は、保険契約者又は被保険者の故意又は重大な過失によって生じた損害をてん補する責任を負わない。戦争その他の変乱によって生じた損害についても、同様とする。

2 責任保険契約(損害保険契約のうち、被保険者が損害賠償の責任を負うことによって生ずることのある損害をてん補するものをいう。以下同じ。)に関する前項の規定の適用については、同項中「故意又は重大な過失」とあるのは、「故意」とする。

 

薬事法(平成25年改正前)66条1項の規制する「記事を広告し,記述し,又は流布」する行為の意義

 

 

薬事法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷決定/平成30年(あ)第1846号

【判決日付】      令和3年6月28日

【判示事項】      1 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する「記事を広告し,記述し,又は流布」する行為の意義

             2 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する特定の医薬品等の購入・処方等を促すための手段としてされた告知といえるか否かの判断方法

             3 学術論文の学術雑誌への掲載が,薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する行為に当たらないとされた事例

【判決要旨】      1 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する「記事を広告し,記述し,又は流布」する行為は,特定の医薬品等に関し,当該医薬品等の購入・処方等を促すための手段として,不特定又は多数の者に対し,同項所定の事項を告げ知らせる行為をいう。

             2 薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する特定の医薬品等の購入・処方等を促すための手段としてされた告知といえるか否かは,当該告知の内容,性質,態様等に照らし,客観的に判断するのが相当である。

             3 高血圧症治療薬を用いた臨床試験の補助解析等の結果を取りまとめた学術論文を,専門的学術雑誌に投稿し掲載させたなどの本件事実関係(判文参照)の下では,同論文の同雑誌への掲載は,特定の医薬品の購入・処方等を促すための手段としてされた告知とはいえず,薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66条1項の規制する行為に当たらない。

             (1につき補足意見がある。)

【参照条文】      薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)66-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集75巻7号666頁

 

 

昭和三十五年法律第百四十五号

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

第十章 医薬品等の広告

(誇大広告等)

第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。

3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。