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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

『バブルの世界史 ブーム・アンド・バストの法則と教訓』 2023/3/25

ウィリアム・クイン (著), ジョン・D・ターナー (著), 高遠裕子 (翻訳)

 

 

単行本

¥3,850

 

【内容紹介】

バブルは予測できる。バブルには「良いバブル」、「悪いバブル」がある。

金融史・経済史研究者が、世界の巨大バブルの原因・帰結を分析、バブルの普遍的な法則を明らかにし、次のバブルに警鐘を鳴らす。歴史から見たバブル論の決定版!

 

なぜ、ブームとバストは何度も繰り返し生じるのか? なぜ、あるバブルは経済的にも社会的にも政治的にも壊滅的な結果をもたらし、なぜ、あるバブルは社会に恩恵をもたらすのか? バブルを生み出す必要十分条件とは何か?

 

この答えを見つけ出すために、本書は魅惑的なバブルの旅へと読者を誘う。1720年代のパリとロンドン、1820年代のラテンアメリカ、1880年代のメルボルン、1920年代のニューヨーク、1980年代の東京、1990年代のシリコンバレー、2000年代の欧米、上海・深圳への旅だ。 

 

金融史・経済史の研究者が、「合理性」「不合理性」という従来の議論にとらわれず、バブルの規模、経済全体への影響の度合いを基準に、世界史上の巨大バブルの原因と帰結を明らかにし、教訓を指し示す。そしてバブルには、イノベーションを促し、企業や組織、経営者を淘汰し、社会に恩恵をもたらす「良いバブル」もあると説く。

 

さらに、バブルは投資家、投機家が新しい技術や政治的なイニシアティブに反応することから始まるとし、将来のバブルを予測できることも示す。実証的なアプローチでバブルのメカニズム解明に迫る魅力的なバブル論。

 

 

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本書は、豊富な具体的データに基づいて記述されている。

説得力がある。

 

 

【目次】

第1章 バブル・トライアングル

 

第2章 1720年とバブルの発明

 

第3章 市場性の復活――第一次新興市場バブル

 

第4章 投機の民主化――大いなる鉄道狂

 

第5章 他人のカネ――オーストラリアの土地ブーム

 

第6章 ウィーラー・ディーラー(大金を賭ける人たち)――イギリスの自転車熱

 

第7章 狂騒の1920年代とウォールストリートの暴落

 

第8章 政治の意図的バブル興し――1980年代の日本

 

第9章 IT(ドットコム)バブル

 

第10章「ブームとバストはもうたくさん」――サブプライム・バブル

 

第11章 中国的なカジノ資本主義

 

第12章 バブルを予測する

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著者について

ウィリアム・クイン

クイーンズ・ユニバーシティ・ベルファスト金融論講師。市場操作、株式市場、特にバブルについて研究。

 

ジョン・D・ターナー

クイーンズ・ユニバーシティ・ベルファスト金融論・金融史教授。社会科学アカデミー・フェロー。The Economic History Reviewエディター。著書にBanking in Crisis (2014)があり、同書はイギリスのビジネス史著作に贈られるWadsworth Prizeを受賞。

 

高遠裕子

翻訳者。おもな訳書にヘンダーソン『資本主義の再構築』、マンスキー『データ分析と意思決定理論』、リスト『そのビジネス、経済学でスケールできます。』、キンドルバーガー他『熱狂、恐慌、崩壊』(原著第6版)など。

 

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登録情報

出版社 ‏ : ‎ 日経BP 日本経済新聞出版 (2023/3/25)

発売日 ‏ : ‎ 2023/3/25

言語 ‏ : ‎ 日本語

単行本 ‏ : ‎ 400ページ

ISBN-10 ‏ : ‎ 429611364X

ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4296113644

建物の賃料債権の差押えの効力が発生した後に建物を譲り受けた者が賃貸人の地位の移転に伴う賃料債権の取得を差押債権者に対抗することの可否

 

 

供託金還付請求権確認等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成7年(オ)第514号

【判決日付】      平成10年3月24日

【判示事項】      建物の賃料債権の差押えの効力が発生した後に建物を譲り受けた者が賃貸人の地位の移転に伴う賃料債権の取得を差押債権者に対抗することの可否

【判決要旨】      建物の賃料債権の差押えの効力が発生した後に、建物が譲渡され賃貸人の地位が譲受人に移転したとしても、譲受人は、建物の賃料債権を取得したことを差押債権者に対抗することができない。

【参照条文】      民事執行法145

             民事執行法151

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集52巻2号399頁

 

 

民事執行法

(差押命令)

第百四十五条 執行裁判所は、差押命令において、債務者に対し債権の取立てその他の処分を禁止し、かつ、第三債務者に対し債務者への弁済を禁止しなければならない。

2 差押命令は、債務者及び第三債務者を審尋しないで発する。

3 差押命令は、債務者及び第三債務者に送達しなければならない。

4 裁判所書記官は、差押命令を送達するに際し、債務者に対し、最高裁判所規則で定めるところにより、第百五十三条第一項又は第二項の規定による当該差押命令の取消しの申立てをすることができる旨その他最高裁判所規則で定める事項を教示しなければならない。

5 差押えの効力は、差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる。

6 差押命令の申立てについての裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

7 執行裁判所は、債務者に対する差押命令の送達をすることができない場合には、差押債権者に対し、相当の期間を定め、その期間内に債務者の住所、居所その他差押命令の送達をすべき場所の申出(第二十条において準用する民事訴訟法第百十条第一項各号に掲げる場合にあつては、公示送達の申立て。次項において同じ。)をすべきことを命ずることができる。

8 執行裁判所は、前項の申出を命じた場合において、差押債権者が同項の申出をしないときは、差押命令を取り消すことができる。

 

(継続的給付の差押え)

第百五十一条 給料その他継続的給付に係る債権に対する差押えの効力は、差押債権者の債権及び執行費用の額を限度として、差押えの後に受けるべき給付に及ぶ。

 

 

青色申告承認の取消処分後にされた白色申告に対する更正処分が不可争のものとして確定した場合、後に右取消処分が取り消されても右更正処分が当然にかしあるものになるとはいえず、課税庁に右更正処分を取り消すべき義務が生ずるともいえないとした原判決が維持された事例

 

 

法人税課税処分取消請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷/昭和53年(行ツ)第133号

【判決日付】      昭和56年4月28日

【判示事項】      青色申告承認の取消処分後にされた白色申告に対する更正処分が不可争のものとして確定した場合、後に右取消処分が取り消されても右更正処分が当然にかしあるものになるとはいえず、課税庁に右更正処分を取り消すべき義務が生ずるともいえないとした原判決が維持された事例

【判決要旨】      省略

【参照条文】      法人税法127-1

             国税通則法24

             国税通則法77-1

             行政実体法通則2の3

             行政実体法通則2の6

【掲載誌】        訟務月報27巻9号1763頁

             税務訴訟資料117号415頁

【評釈論文】      税務事例13巻11号25頁

 

 

法人税法

(青色申告の承認の取消し)

第百二十七条 第百二十一条第一項(青色申告)の承認を受けた内国法人につき次の各号のいずれかに該当する事実がある場合には、納税地の所轄税務署長は、当該各号に定める事業年度まで遡つて、その承認を取り消すことができる。この場合において、その取消しがあつたときは、当該事業年度開始の日以後その内国法人が提出したその承認に係る青色申告書(納付すべき義務が同日前に成立した法人税に係るものを除く。)は、青色申告書以外の申告書とみなす。

一 その事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が前条第一項に規定する財務省令で定めるところに従つて行われていないこと 当該事業年度

二 その事業年度に係る帳簿書類について前条第二項の規定による税務署長の指示に従わなかつたこと 当該事業年度

三 その事業年度に係る帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は仮装して記載し又は記録し、その他その記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること 当該事業年度

四 第七十四条第一項(確定申告)の規定による申告書をその提出期限までに提出しなかつたこと 当該申告書に係る事業年度

2 税務署長は、前項の規定による取消しの処分をする場合には、同項の内国法人に対し、書面によりその旨を通知する。この場合において、その書面には、その取消しの処分の基因となつた事実が同項各号のいずれに該当するかを付記しなければならない。

3 通算法人に係る第一項の規定の適用については、同項中「当該各号に定める事業年度まで遡つて、その」とあるのは「その」と、「当該事業年度開始の日以後その内国法人が提出したその承認に係る青色申告書(納付すべき義務が同日前に成立した法人税に係るものを除く。)は、青色申告書以外の申告書とみなす」とあるのは「その取消しの処分に係る次項の通知を受けた日の前日(当該前日がその内国法人に係る通算親法人の事業年度終了の日である場合には、当該通知を受けた日)の属する事業年度以後の各事業年度については、その承認は、その効力を失うものとする」と、同項第二号中「の規定による税務署長」とあるのは「又は第三項の規定による国税庁長官、国税局長又は税務署長」とする。

4 通算法人であつた内国法人に係る第一項の規定の適用については、同項中「定める事業年度」とあるのは「定める事業年度(当該事業年度が第六十四条の九第一項(通算承認)の規定による承認の効力を失つた日の前日(当該前日がその内国法人に係る通算親法人の事業年度終了の日である場合には、当該効力を失つた日)の属する事業年度(以下この項において「失効事業年度」という。)前の事業年度である場合には、当該失効事業年度)」と、同項第二号中「の規定による税務署長」とあるのは「又は第三項の規定による国税庁長官、国税局長又は税務署長」とする。

 

 

国税通則法

(更正)

第二十四条 税務署長は、納税申告書の提出があつた場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する。

 

(不服申立期間)

第七十七条 不服申立て(第七十五条第三項及び第四項(再調査の請求後にする審査請求)の規定による審査請求を除く。第三項において同じ。)は、処分があつたことを知つた日(処分に係る通知を受けた場合には、その受けた日)の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

2 第七十五条第三項の規定による審査請求は、第八十四条第十項(決定の手続等)の規定による再調査決定書の謄本の送達があつた日の翌日から起算して一月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

3 不服申立ては、処分があつた日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。

4 第二十二条(郵送等に係る納税申告書等の提出時期)の規定は、不服申立てに係る再調査の請求書又は審査請求書について準用する。

 

 

野田小学校4年生虐待死事件

 

 

傷害,傷害致死,暴行,強要被告事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/令和2年(う)第827号

【判決日付】      令和3年3月4日

【判示事項】      被告人が,実子に対する虐待をエスカレートさせ死亡させた傷害,傷害致死,暴行,強要の事案の控訴審。

控訴審は,原審において本件アンケート(市教育委員会が市内の小学校で実施したいじめに関するアンケート調査の際に,被害児がアンケート用紙に「お父さんにぼう力を受けています。」などと手書きで記載して提出したもの)を取り調べたことについて,原審弁護人の同意意見の有効性に疑いはなく,刑訴法326条1項により証拠能力を認めたことに訴訟手続の法令違反はない,原判決の事実認定に不合理な点はなく,また,被告人の行為は極めて悪質性が高く,懲役16年に処した量刑判断も不当とはいえないとし,控訴を棄却した事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

 

 

刑法

(傷害致死)

第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。

 

(暴行)

第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 

(強要)

第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。

2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。

3 前二項の罪の未遂は、罰する。

 

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号と憲法13条,14条1項

 

 

              性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/令和2年(ク)第638号

【判決日付】      令和3年11月30日

【判示事項】      性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号と憲法13条,14条1項

【判決要旨】      性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項3号は,憲法13条,14条1項に違反しない。

             (反対意見がある。)

【参照条文】      憲法13

             憲法14-1

             性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3-1

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事266号185頁

             裁判所時報1780号1頁

             判例タイムズ1495号79頁

             判例時報2523号5頁

 

 

憲法

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。

③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

 

 

性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律

(性別の取扱いの変更の審判)

第三条 家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。

一 十八歳以上であること。

二 現に婚姻をしていないこと。

三 現に未成年の子がいないこと。

四 生殖腺せんがないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。

五 その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。

2 前項の請求をするには、同項の性同一性障害者に係る前条の診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない。

 

詐欺罪につき実行の着手があるとされた事例

 

 

              詐欺未遂被告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成29年(あ)第322号

【判決日付】      平成30年3月22日

【判示事項】      詐欺罪につき実行の着手があるとされた事例

【判決要旨】      現金を被害者宅に移動させた上で,警察官を装った被告人に現金を交付させる計画の一環として述べられた嘘について,その嘘の内容が,現金を交付するか否かを被害者が判断する前提となるよう予定された事項に係る重要なものであり,被害者に現金の交付を求める行為に直接つながる嘘が含まれ,被害者にその嘘を真実と誤信させることが,被害者において被告人の求めに応じて即座に現金を交付してしまう危険性を著しく高めるといえるなどの本件事実関係(判文参照)の下においては,当該嘘を一連のものとして被害者に述べた段階で,被害者に現金の交付を求める文言を述べていないとしても,詐欺罪の実行の着手があったと認められる。

             (補足意見がある。)

【参照条文】      刑法43

             刑法246

             刑法250

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集72巻1号82頁

 

 

刑法

(未遂減免)

第四十三条 犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。

 

(詐欺)

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

 

(未遂罪)

第二百五十条 この章の罪の未遂は、罰する。

 

設立中の会社の発起人が営業準備のため第三者と締結した契約上の権利義務を設立後の会社が取得するための要件等の準拠法

 

 

              仲裁手続不許請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和49年(オ)第1125号

【判決日付】      昭和50年7月15日

【判示事項】      1、設立中の会社の発起人が営業準備のため第三者と締結した契約上の権利義務を設立後の会社が取得するための要件等の準拠法

             2、仲裁契約の主たる実質契約からの分離可能性

【判決要旨】      1、株式会社の設立発起人が将来設立する会社の営業準備のため第三者と契約を締結した場合、右会社が、設立された後において、右契約上の権利義務を取得しうるか、その要件いかん等は、右会社の従属法に準拠して定めるべきである。

             2、仲裁契約の効力は、当事者間に特段の合意のない限り、主たる契約から分離して、別個独立に判断すべきである。

【参照条文】      法例3-1

             民事訴訟法786

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集29巻6号1061頁

 

 

平成十八年法律第七十八号

法の適用に関する通則法

(法律行為の方式)

第十条 法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法(当該法律行為の後に前条の規定による変更がされた場合にあっては、その変更前の法)による。

2 前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は、有効とする。

3 法を異にする地に在る者に対してされた意思表示については、前項の規定の適用に当たっては、その通知を発した地を行為地とみなす。

4 法を異にする地に在る者の間で締結された契約の方式については、前二項の規定は、適用しない。この場合においては、第一項の規定にかかわらず、申込みの通知を発した地の法又は承諾の通知を発した地の法のいずれかに適合する契約の方式は、有効とする。

5 前三項の規定は、動産又は不動産に関する物権及びその他の登記をすべき権利を設定し又は処分する法律行為の方式については、適用しない。

 

 

仲裁法

(仲裁合意の効力等)

第十三条 仲裁合意は、法令に別段の定めがある場合を除き、当事者が和解をすることができる民事上の紛争(離婚又は離縁の紛争を除く。)を対象とする場合に限り、その効力を有する。

2 仲裁合意は、当事者の全部が署名した文書、当事者が交換した書簡又は電報(ファクシミリ装置その他の隔地者間の通信手段で文字による通信内容の記録が受信者に提供されるものを用いて送信されたものを含む。)その他の書面によってしなければならない。

3 書面によってされた契約において、仲裁合意を内容とする条項が記載された文書が当該契約の一部を構成するものとして引用されているときは、その仲裁合意は、書面によってされたものとする。

4 仲裁合意がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によってされたときは、その仲裁合意は、書面によってされたものとする。

5 仲裁手続において、一方の当事者が提出した主張書面に仲裁合意の内容の記載があり、これに対して他方の当事者が提出した主張書面にこれを争う旨の記載がないときは、その仲裁合意は、書面によってされたものとみなす。

6 仲裁合意を含む一の契約において、仲裁合意以外の契約条項が無効、取消しその他の事由により効力を有しないものとされる場合においても、仲裁合意は、当然には、その効力を妨げられない。

 

 

国税通則法70条2項4号の規定は「偽りその他不正行為」によつて免れた税額に相当する部分にのみ適用されるか(消極)

 

 

法人税更正処分無効確認請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和49年(行ツ)第111号

【判決日付】      昭和51年11月30日

【判示事項】      国税通則法70条2項4号の規定は「偽りその他不正行為」によつて免れた税額に相当する部分にのみ適用されるか(消極)

【判決要旨】      国税通則法七〇条二項四号によつて更正をする場合、その更正の対象となるのは、「偽りその他不正の行為」によつてその全部又は一部の税額を免れた当該国税の全体であり、右「偽りその他不正の行為」によつて免れた税額部分に限られるものではない。

【参照条文】      国税通則法70-2

【掲載誌】        訟務月報22巻13号3044頁

             最高裁判所裁判集民事119号283頁

             判例時報833号57頁

             税務訴訟資料90号707頁

 

 

国税通則法

(国税の更正、決定等の期間制限)

第七十条 次の各号に掲げる更正決定等は、当該各号に定める期限又は日から五年(第二号に規定する課税標準申告書の提出を要する国税で当該申告書の提出があつたものに係る賦課決定(納付すべき税額を減少させるものを除く。)については、三年)を経過した日以後においては、することができない。

一 更正又は決定 その更正又は決定に係る国税の法定申告期限(還付請求申告書に係る更正については当該申告書を提出した日とし、還付請求申告書の提出がない場合にする決定又はその決定後にする更正については政令で定める日とする。)

二 課税標準申告書の提出を要する国税に係る賦課決定 当該申告書の提出期限

三 課税標準申告書の提出を要しない賦課課税方式による国税に係る賦課決定 その納税義務の成立の日

2 法人税に係る純損失等の金額で当該課税期間において生じたものを増加させ、若しくは減少させる更正又は当該金額があるものとする更正は、前項の規定にかかわらず、同項第一号に定める期限から十年を経過する日まで、することができる。

3 前二項の規定により更正をすることができないこととなる日前六月以内にされた更正の請求に係る更正又は当該更正に伴つて行われることとなる加算税についてする賦課決定は、前二項の規定にかかわらず、当該更正の請求があつた日から六月を経過する日まで、することができる。

4 第一項の規定により賦課決定をすることができないこととなる日前三月以内にされた納税申告書の提出(源泉徴収等による国税の納付を含む。以下この項において同じ。)に伴つて行われることとなる無申告加算税(第六十六条第六項(無申告加算税)の規定の適用があるものに限る。)又は不納付加算税(第六十七条第二項(不納付加算税)の規定の適用があるものに限る。)についてする賦課決定は、第一項の規定にかかわらず、当該納税申告書の提出があつた日から三月を経過する日まで、することができる。

5 次の各号に掲げる更正決定等は、第一項又は前二項の規定にかかわらず、第一項各号に掲げる更正決定等の区分に応じ、同項各号に定める期限又は日から七年を経過する日まで、することができる。

一 偽りその他不正の行為によりその全部若しくは一部の税額を免れ、又はその全部若しくは一部の税額の還付を受けた国税(当該国税に係る加算税及び過怠税を含む。)についての更正決定等

二 偽りその他不正の行為により当該課税期間において生じた純損失等の金額が過大にあるものとする納税申告書を提出していた場合における当該申告書に記載された当該純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)についての更正(第二項又は第三項の規定の適用を受ける法人税に係る純損失等の金額に係るものを除く。)

三 所得税法第六十条の二第一項から第三項まで(国外転出をする場合の譲渡所得等の特例)又は第六十条の三第一項から第三項まで(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例)の規定の適用がある場合(第百十七条第二項(納税管理人)の規定による納税管理人の届出及び税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第三十条(税務代理の権限の明示)(同法第四十八条の十六(税理士の権利及び義務等に関する規定の準用)において準用する場合を含む。)の規定による書面の提出がある場合その他の政令で定める場合を除く。)の所得税(当該所得税に係る加算税を含む。第七十三条第三項(時効の完成猶予及び更新)において「国外転出等特例の適用がある場合の所得税」という。)についての更正決定等

 

譲渡担保権者の債権者が被担保債権の弁済期後に目的不動産を差し押さえた場合において設定者が第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることの可否

 

 

              第三者異議事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成16年(受)第1641号

【判決日付】      平成18年10月20日

【判示事項】      譲渡担保権者の債権者が被担保債権の弁済期後に目的不動産を差し押さえた場合において設定者が第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることの可否

【判決要旨】      不動産を目的とする譲渡担保において,被担保債権の弁済期後に譲渡担保権者の債権者が目的不動産を差し押さえたときは,設定者は,差押登記後に債務の全額を弁済しても,第三者異議の訴えにより強制執行の不許を求めることはできない

【参照条文】      民法369

             民事執行法38-1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集60巻8号3098頁

 

 

民法

(抵当権の内容)

第三百六十九条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

 

 

民事執行法

(第三者異議の訴え)

第三十八条 強制執行の目的物について所有権その他目的物の譲渡又は引渡しを妨げる権利を有する第三者は、債権者に対し、その強制執行の不許を求めるために、第三者異議の訴えを提起することができる。

2 前項に規定する第三者は、同項の訴えに併合して、債務者に対する強制執行の目的物についての訴えを提起することができる。

3 第一項の訴えは、執行裁判所が管轄する。

4 前二条の規定は、第一項の訴えに係る執行停止の裁判について準用する。

 

 

防衛大学校事件・パワハラ

 

 

              損害賠償請求控訴事件

【事件番号】      福岡高等裁判所判決/令和元年(ネ)第785号

【判決日付】      令和2年12月9日

【判示事項】      被控訴人設置の防衛大を退校した控訴人が,在校中,在校生から暴行,強要等の加害行為を受けたことに関し,防衛大の組織又はその教官等において,各行為を防止すべき安全配慮義務違反があったとして損害賠償を求めた事件の,請求棄却の原判決に対する控訴事案。当審で控訴人は国賠法に基づく損害賠償請求を選択的に追加。

控訴審は,各行為の一部につき指導教官らに安全配慮義務違反があり,同教官らは被控訴人の履行補助者であったといえるから,被控訴人が控訴人に対して安全配慮義務違反の責任を負うとし,同義務違反と防衛大退校との相当因果関係があるとして認定した損害額の限度で請求を認容して原判決を変更し,当審での請求は上記認容額を超えることはないとして棄却した事例

【参照条文】      民法415

             国家賠償法1-1

【掲載誌】        判例時報2515号42頁

             LLI/DB 判例秘書登載

 

 

民法

(債務不履行による損害賠償)

第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。

一 債務の履行が不能であるとき。

二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。

 

 

国家賠償法

第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

② 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

 

 

 

       主   文

 

 1 原判決を次のとおり変更する。

  (1) 被控訴人は,控訴人に対し,268万2086円及びこれに対する平成28年4月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

  (2) 控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。

 2 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを10分し,その1を被控訴人の負担とし,その余を控訴人の負担とする。

 3 この判決の第1項(1)は,本判決が被控訴人に送達された日から14日を経過したときは,仮に執行することができる。ただし,被控訴人が,控訴人に対し,215万円の担保を供するときは,その執行を免れることができる。

 

       事実及び理由

 

第1 控訴の趣旨

 1 原判決を取り消す。

 2 被控訴人は,控訴人に対し,2297万2380円及びこれに対する平成28年4月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要(略称等は,特に断らない限り,原判決の表記による。)

 1 本件は,被控訴人の設置する防衛大学校(防衛大)に2学年時まで在校し,その後退校した控訴人が,在校中,防衛大の8人の在校生(本件学生ら)から,暴行,強要等の加害行為(本件各行為)を受けたことに関し,防衛大の組織として,又はその履行補助者である防衛大の教官等において,本件各行為を防止するための対応を怠ったことなどについて安全配慮義務違反があり,この安全配慮義務違反により,本件学生らによる本件各行為の発生を防ぐことができず,控訴人はこれにより精神的苦痛を受けるとともに,防衛大からの退校を余儀なくされたなどと主張し,被控訴人に対し,債務不履行に基づく損害賠償請求として,損害額合計2297万2380円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成28年4月9日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。

   原判決は,控訴人の請求を棄却した。控訴人は,原判決を不服として控訴した上,当審において,防衛大の教官らは,防衛大内部において学生間における暴力等の加害行為が起こらないように学生を指導監督すべき注意義務を負っていたにもかかわらず,これを怠った過失があり,その結果,本件学生らによる控訴人に対する本件各行為の発生を防止することができず,控訴人が損害を被ったものであるから,被控訴人は,国家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項に基づき,防衛大の教官らの上記過失によって控訴人が負った損害について賠償義務を負うとして,被控訴人に対し,同項に基づき,債務不履行に基づく損害賠償請求と同額の支払を求める請求を選択的に追加した。