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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

債務者の履行遅滞中に事情が変更した場合と、事情変更の原則の適用の有無

 

 

              所有権移転登記手続請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和24年(オ)第310号

【判決日付】      昭和26年2月6日

【判示事項】      債務者の履行遅滞中に事情が変更した場合と、事情変更の原則の適用の有無

【判決要旨】      売主の履行遅滞中に、売買の目的物の価格が著しく騰貴しても、売主は、事情変更を理由として契約を解除することはできない。

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集5巻3号36頁

 

 

       主   文

 

 本件上告を棄却する。

 上告費用は上告人の負担とする。

 

       理   由

 

 上告人代理人両名の各上告理由は、いずれも末尾添附別紙記載のとおりであり、これに対する当裁判所の判断は次ぎの如くである。

 原審挙示の証拠によれば原審のした様な認定をすることが出来るし、其の事実を基礎として原審が上告人の事情変更の抗弁を排斥した法律上の判断は相当である。論旨は原審が適法に為した事実の認定を非難し或は原審の認定しない事実を基礎とし、又は独自の見解に基いて原審の右判断を攻撃するもので採用に値しない。

 よつて、上告を理由なしとし、民訴第四〇一条、第九五条、第八九条に従つて主文の如く判決する。

 右は裁判官全員一致の意見である。

     最高裁判所第三小法廷

法定の船舶職員の4分の3が?欠けている場合と堪航能力欠の有無(積極)

 

 

保険金請求事件

【事件番号】      神戸地方裁判所判決/昭和43年(ワ)第994号

【判決日付】      昭和47年2月23日

【判示事項】      1、法定の船舶職員の4分の3が欠けている場合と堪航能力欠の有無(積極)

             2、船舶保険普通保険約款における不堪航の事実についての被保険者の過失の要否(消極)

【参照条文】      船舶保険普通保険約款4

             船舶職員法18

             船舶職員法別表第1

             商法738

【掲載誌】        判例時報664号90頁

【評釈論文】      ジュリスト596号161頁

             別冊ジュリスト42号250頁

             別冊ジュリスト70号170頁

             損害保険研究34巻4号7頁

             法学研究(慶応大)51巻2号93頁

 

 

船舶職員及び小型船舶操縦者法

(船舶職員の乗組みに関する基準)

第十八条 船舶所有者は、その船舶に、船舶の用途、航行する区域、大きさ、推進機関の出力その他の船舶の航行の安全に関する事項を考慮して政令で定める船舶職員として船舶に乗り組ませるべき者に関する基準(以下「乗組み基準」という。)に従い、船長及び船長以外の船舶職員として、それぞれ海技免状を受有する海技士を乗り組ませなければならない。ただし、第二十条第一項の規定による許可を受けた場合において、同条第二項の規定により指定された資格の海技士を指定された職の船舶職員として乗り組ませ、かつ、同項の規定により条件又は期限が付されている場合において、その条件を満たしており、又はその期限内であるときは、この限りでない。

2 船舶所有者は、国土交通省令で定める船舶には、二十歳に満たない者を船長又は機関長の職務を行う船舶職員として乗り組ませてはならない。

3 船舶所有者は、国土交通省令で定める船舶には、国土交通省令で定める電波法第四十条の資格について同法第四十一条の免許を受けた者以外の者を船長又は航海士の職務を行う船舶職員として乗り組ませてはならない。

 

 

商法

(航海に堪える能力に関する注意義務)

第七百三十九条 運送人は、発航の当時次に掲げる事項を欠いたことにより生じた運送品の滅失、損傷又は延着について、損害賠償の責任を負う。ただし、運送人がその当時当該事項について注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。

一 船舶を航海に堪える状態に置くこと。

二 船員の乗組み、船舶の艤装及び需品の補給を適切に行うこと。

三 船倉、冷蔵室その他運送品を積み込む場所を運送品の受入れ、運送及び保存に適する状態に置くこと。

2 前項の規定による運送人の損害賠償の責任を免除し、又は軽減する特約は、無効とする。

 

 

 

相続税申告の基礎となった遺産分割協議の無効を確認する判決が確定したことが国税通則法二三条二項一号に該当することを理由として更正の請求をすることはできないとされた事例

 

 

処分取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成13年(行ヒ)第230号

【判決日付】      平成15年4月25日

【判示事項】      相続税申告の基礎となった遺産分割協議の無効を確認する判決が確定したことが国税通則法二三条二項一号に該当することを理由として更正の請求をすることはできないとされた事例

【判決要旨】      通謀虚偽表示により遺産分割協議が成立した外形を作出し、これに基づいて相続税の申告を行った後、遺産分割協議の無効を確認する判決が確定したという事実関係の下においては、当該判決の確定が国税通則法二三条二項一号に該当することを理由として更正の請求をすることはできない。

【参照条文】      国税通則法23-1

             国税通則法23-2

             民法94

             民法907-1

【掲載誌】        訟務月報50巻7号2221頁

             最高裁判所裁判集民事209号689頁

             裁判所時報1338号147頁

             判例タイムズ1121号110頁

             金融・商事判例1180号25頁

             判例時報1822号51頁

             税務訴訟資料253号順号9333

 

 

国税通則法

(更正の請求)

第二十三条 納税申告書を提出した者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該申告書に係る国税の法定申告期限から五年(第二号に掲げる場合のうち法人税に係る場合については、十年)以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等又は税額等(当該課税標準等又は税額等に関し次条又は第二十六条(再更正)の規定による更正(以下この条において「更正」という。)があつた場合には、当該更正後の課税標準等又は税額等)につき更正をすべき旨の請求をすることができる。

一 当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつたことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過大であるとき。

二 前号に規定する理由により、当該申告書に記載した純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に純損失等の金額の記載がなかつたとき。

三 第一号に規定する理由により、当該申告書に記載した還付金の額に相当する税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に還付金の額に相当する税額の記載がなかつたとき。

2 納税申告書を提出した者又は第二十五条(決定)の規定による決定(以下この項において「決定」という。)を受けた者は、次の各号のいずれかに該当する場合(納税申告書を提出した者については、当該各号に定める期間の満了する日が前項に規定する期間の満了する日後に到来する場合に限る。)には、同項の規定にかかわらず、当該各号に定める期間において、その該当することを理由として同項の規定による更正の請求(以下「更正の請求」という。)をすることができる。

一 その申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となつた事実に関する訴えについての判決(判決と同一の効力を有する和解その他の行為を含む。)により、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したとき その確定した日の翌日から起算して二月以内

二 その申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算に当たつてその申告をし、又は決定を受けた者に帰属するものとされていた所得その他課税物件が他の者に帰属するものとする当該他の者に係る国税の更正又は決定があつたとき 当該更正又は決定があつた日の翌日から起算して二月以内

三 その他当該国税の法定申告期限後に生じた前二号に類する政令で定めるやむを得ない理由があるとき 当該理由が生じた日の翌日から起算して二月以内

3 更正の請求をしようとする者は、その請求に係る更正後の課税標準等又は税額等、その更正の請求をする理由、当該請求をするに至つた事情の詳細、当該請求に係る更正前の納付すべき税額及び還付金の額に相当する税額その他参考となるべき事項を記載した更正請求書を税務署長に提出しなければならない。

4 税務署長は、更正の請求があつた場合には、その請求に係る課税標準等又は税額等について調査し、更正をし、又は更正をすべき理由がない旨をその請求をした者に通知する。

5 更正の請求があつた場合においても、税務署長は、その請求に係る納付すべき国税(その滞納処分費を含む。以下この項において同じ。)の徴収を猶予しない。ただし、税務署長において相当の理由があると認めるときは、その国税の全部又は一部の徴収を猶予することができる。

6 輸入品に係る申告消費税等についての更正の請求は、第一項の規定にかかわらず、税関長に対し、するものとする。この場合においては、前三項の規定の適用については、これらの規定中「税務署長」とあるのは、「税関長」とする。

7 前二条の規定は、更正の請求について準用する。

 

 

民法

(虚偽表示)

第九十四条 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。

2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

 

(遺産の分割の協議又は審判)

第九百七条 共同相続人は、次条第一項の規定により被相続人が遺言で禁じた場合又は同条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。

 

 

内縁関係にあった被告人らは,共謀の上,橋上ないし公衆トイレ内で出産したばかりの新生児2名を,いずれも裸のままタオル等でくるんだ状態で児童相談所の玄関前に置き去りにしたとして保護責任者遺棄罪に問われた事案。

 

 

              各保護責任者遺棄被告事件

【事件番号】      前橋地方裁判所判決/平成29年(わ)第85号

【判決日付】      平成29年6月27日

【判示事項】      内縁関係にあった被告人らは,共謀の上,橋上ないし公衆トイレ内で出産したばかりの新生児2名を,いずれも裸のままタオル等でくるんだ状態で児童相談所の玄関前に置き去りにしたとして保護責任者遺棄罪に問われた事案。

裁判所は,本件各犯行は被害児らの生命に危険を生じさせかねない危険なものであり,経済的な理由による犯行経緯や動機は短絡的で身勝手であり,刑事責任を軽く見ることはできないが,いずれも罪を認め反省し,両名に対する更生支援計画もあることなどを考慮し,被告人両名を懲役3年・執行猶予4年とし,うち1名の被告人に対し猶予期間中保護観察に付した事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

 

 

刑法

(保護責任者遺棄等)

第二百十八条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。

 

新株発行不存在確認の訴えの被告適格

 

 

              新株発行不存在確認、新株発行無効請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成5年(オ)第316号

【判決日付】      平成9年1月28日

【判示事項】      新株発行不存在確認の訴えの被告適格

【判決要旨】      新株発行不存在確認の訴えは、会社を被告としてのみ提起することができる。

             (補足意見がある。)

【参照条文】      商法280の15

             民事訴訟法45

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集51巻1号40頁

 

 

会社法

(会社の組織に関する行為の無効の訴え)

第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。

一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内

二 株式会社の成立後における株式の発行 株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)

三 自己株式の処分 自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内)

四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行 新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内)

五 株式会社における資本金の額の減少 資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内

六 会社の組織変更 組織変更の効力が生じた日から六箇月以内

七 会社の吸収合併 吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内

八 会社の新設合併 新設合併の効力が生じた日から六箇月以内

九 会社の吸収分割 吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内

十 会社の新設分割 新設分割の効力が生じた日から六箇月以内

十一 株式会社の株式交換 株式交換の効力が生じた日から六箇月以内

十二 株式会社の株式移転 株式移転の効力が生じた日から六箇月以内

十三 株式会社の株式交付 株式交付の効力が生じた日から六箇月以内

2 次の各号に掲げる行為の無効の訴えは、当該各号に定める者に限り、提起することができる。

一 前項第一号に掲げる行為 設立する株式会社の株主等(株主、取締役又は清算人(監査役設置会社にあっては株主、取締役、監査役又は清算人、指名委員会等設置会社にあっては株主、取締役、執行役又は清算人)をいう。以下この節において同じ。)又は設立する持分会社の社員等(社員又は清算人をいう。以下この項において同じ。)

二 前項第二号に掲げる行為 当該株式会社の株主等

三 前項第三号に掲げる行為 当該株式会社の株主等

四 前項第四号に掲げる行為 当該株式会社の株主等又は新株予約権者

五 前項第五号に掲げる行為 当該株式会社の株主等、破産管財人又は資本金の額の減少について承認をしなかった債権者

六 前項第六号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において組織変更をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は組織変更後の会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは組織変更について承認をしなかった債権者

七 前項第七号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収合併後存続する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収合併について承認をしなかった債権者

八 前項第八号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設合併をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設合併により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設合併について承認をしなかった債権者

九 前項第九号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において吸収分割契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は吸収分割契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは吸収分割について承認をしなかった債権者

十 前項第十号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において新設分割をする会社の株主等若しくは社員等であった者又は新設分割をする会社若しくは新設分割により設立する会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは新設分割について承認をしなかった債権者

十一 前項第十一号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交換契約をした会社の株主等若しくは社員等であった者又は株式交換契約をした会社の株主等、社員等、破産管財人若しくは株式交換について承認をしなかった債権者

十二 前項第十二号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式移転をする株式会社の株主等であった者又は株式移転により設立する株式会社の株主等、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者

十三 前項第十三号に掲げる行為 当該行為の効力が生じた日において株式交付親会社の株主等であった者、株式交付に際して株式交付親会社に株式交付子会社の株式若しくは新株予約権等を譲り渡した者又は株式交付親会社の株主等、破産管財人若しくは株式交付について承認をしなかった債権者

 

(新株発行等の不存在の確認の訴え)

第八百二十九条 次に掲げる行為については、当該行為が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。

一 株式会社の成立後における株式の発行

二 自己株式の処分

三 新株予約権の発行

 

 

(被告)

第八百三十四条 次の各号に掲げる訴え(以下この節において「会社の組織に関する訴え」と総称する。)については、当該各号に定める者を被告とする。

一 会社の設立の無効の訴え 設立する会社

二 株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴え(第八百四十条第一項において「新株発行の無効の訴え」という。) 株式の発行をした株式会社

三 自己株式の処分の無効の訴え 自己株式の処分をした株式会社

四 新株予約権の発行の無効の訴え 新株予約権の発行をした株式会社

五 株式会社における資本金の額の減少の無効の訴え 当該株式会社

六 会社の組織変更の無効の訴え 組織変更後の会社

七 会社の吸収合併の無効の訴え 吸収合併後存続する会社

八 会社の新設合併の無効の訴え 新設合併により設立する会社

九 会社の吸収分割の無効の訴え 吸収分割契約をした会社

十 会社の新設分割の無効の訴え 新設分割をする会社及び新設分割により設立する会社

十一 株式会社の株式交換の無効の訴え 株式交換契約をした会社

十二 株式会社の株式移転の無効の訴え 株式移転をする株式会社及び株式移転により設立する株式会社

十二の二 株式会社の株式交付の無効の訴え 株式交付親会社

十三 株式会社の成立後における株式の発行が存在しないことの確認の訴え 株式の発行をした株式会社

十四 自己株式の処分が存在しないことの確認の訴え 自己株式の処分をした株式会社

十五 新株予約権の発行が存在しないことの確認の訴え 新株予約権の発行をした株式会社

十六 株主総会等の決議が存在しないこと又は株主総会等の決議の内容が法令に違反することを理由として当該決議が無効であることの確認の訴え 当該株式会社

十七 株主総会等の決議の取消しの訴え 当該株式会社

十八 第八百三十二条第一号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社

十九 第八百三十二条第二号の規定による持分会社の設立の取消しの訴え 当該持分会社及び同号の社員

二十 株式会社の解散の訴え 当該株式会社

二十一 持分会社の解散の訴え 当該持分会社

 

 

ビジネス法務2023年9月号【特集1】アプリ開発・運用を成功させるためのリーガルガイド

 

 

中央経済社

定価:1,800円(税込)

 

発行日:2023/07/21

 

【特集1】

アプリ開発・運用を成功させるためのリーガルガイド

 

デジタルデバイスが欠かせなくなったいま,アプリ市場は大きなビジネスチャンスを秘めています。企業活動の武器となり得るアプリですが,その開発・運用をめぐっては特商法,電通法,消費者契約法といったさまざまな法律の理解が必須。さらに,自社以外の業種・業態も含めた幅広いビジネスニーズをつかんで,ユーザーの動向に乗り遅れないよう心がけたいところです。

 

欧州におけるデジタル市場法などと足並みを揃えるように,日本でもアプリをめぐる法整備が進む一方で,生成AIの搭載も急速に進み,ますますにぎわいをみせるアプリの世界に迫ります!

 

 

コメント

アプリ開発・運用をめぐる各法律についての意欲的な論文集。

 

 

 

債務者が弁済期に債務の弁済をしないときは弁済に代えて確定的に目的不動産の所有権を債権者に帰せしめる旨の譲渡担保契約における債権者の清算義務および右清算義務と債務者の不動産引渡義務との関係

 

 

              建物収去土地明渡請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和42年(オ)第1279号

【判決日付】      昭和46年3月25日

【判示事項】      債務者が弁済期に債務の弁済をしないときは弁済に代えて確定的に目的不動産の所有権を債権者に帰せしめる旨の譲渡担保契約における債権者の清算義務および右清算義務と債務者の不動産引渡義務との関係

【判決要旨】      貸金債権担保のため債務者所有の不動産につき、譲渡担保契契約を締結し、債務者が弁済期に債務を弁済すれば、右不動産を債務者に返還するが、弁済をしないときは右不動産を債務の弁済に代えて確定的に債権者の所有に帰せしめるとの合意のもとに所有権移転登記が経由されている場合において、債務者が弁済期に債務の弁済をしないときは、債権者は、目的不動産の換価処分するかまたはこれを適正に評価することによつて具体化する価額から債権額を差し引き、残額を清算金として債務者に支払うことを要するのであつて、債権者が、この担保目的実現の手段として、債務者に対し右不動産の引渡ないし明渡を請求する訴を提起した場合に、債務者が清算金の支払と引換えにその履行をなすべき旨を主張したときは、特段の事情のある場合を除き、債権者の右請求は、債務者への清算金の支払と引換えにのみ認容されるべきものと解するのが相当である。

【参照条文】      民法369

             民法482

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集25巻2号208頁

             最高裁判所裁判集民事102号311頁

             判例タイムズ261号196頁

 

 

民法

(抵当権の内容)

第三百六十九条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。

 

(代物弁済)

第四百八十二条 弁済をすることができる者(以下「弁済者」という。)が、債権者との間で、債務者の負担した給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をした場合において、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。

 

法人税の確定申告において,法人税法(平成15年改正前)68条1項に基づき配当等に係る所得税額を控除するに当たり,計算を誤ったために控除を受けるべき金額を過少に記載したとしてされた更正の請求が,法人税法68条3項の趣旨に反するということはできず,国税通則法23条1項1号所定の要件を満たすとされた事例

 

 

              更正すべき理由がない旨の処分の取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成19年(行ヒ)第28号

【判決日付】      平成21年7月10日

【判示事項】      法人税の確定申告において,法人税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)68条1項に基づき配当等に係る所得税額を控除するに当たり,計算を誤ったために控除を受けるべき金額を過少に記載したとしてされた更正の請求が,法人税法68条3項の趣旨に反するということはできず,国税通則法23条1項1号所定の要件を満たすとされた事例

【判決要旨】      法人税の確定申告において、法人税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)68条1項に基づき配当等に係る所得税額を控除するにあたり、法人税法施行令(平成18年政令第125号による改正前のもの)140条の2第3項所定の方法(いわゆる銘柄別簡便法)による計算を誤ったために控除を受けるべき金額を過少に記載したとしてされた更正の請求は、次の(1)、(2)などの判示の事実関係のもとでは、所得税額控除制度の適用を受ける範囲を追加的に拡張する趣旨のものではなく、法人税法68条3項の趣旨に反するということはできず、国税通則法23条1項1号所定の要件を満たす。

             (1)当該法人は、確定申告書に添付した所得税額の控除に関する明細書中に、その所有する株式の全銘柄を記載し、配当等として受け取った収入金額およびこれに対して課された所得税額を各銘柄別にすべて記載した。

             (2)確定申告書に控除を受ける所得税額を過少に記載したのは、所有株式数につき、配当等の計算の基礎となった期間の期末および期首の各時点におけるものを記載すべきところ、確定申告に係る事業年度の期末および期首の各時点におけるものを記載したことに起因するものであった。

【参照条文】      国税通則法23-1

             法人税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)68-1

             法人税法68-3

             法人税法施行令(平成18年政令第125号による改正前のもの)140の2-1

             法人税法施行令(平成18年政令第125号による改正前のもの)140の2-3

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集63巻6号1092頁

 

 

国税通則法

(更正の請求)

第二十三条 納税申告書を提出した者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該申告書に係る国税の法定申告期限から五年(第二号に掲げる場合のうち法人税に係る場合については、十年)以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等又は税額等(当該課税標準等又は税額等に関し次条又は第二十六条(再更正)の規定による更正(以下この条において「更正」という。)があつた場合には、当該更正後の課税標準等又は税額等)につき更正をすべき旨の請求をすることができる。

一 当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつたことにより、当該申告書の提出により納付すべき税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過大であるとき。

二 前号に規定する理由により、当該申告書に記載した純損失等の金額(当該金額に関し更正があつた場合には、当該更正後の金額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に純損失等の金額の記載がなかつたとき。

三 第一号に規定する理由により、当該申告書に記載した還付金の額に相当する税額(当該税額に関し更正があつた場合には、当該更正後の税額)が過少であるとき、又は当該申告書(当該申告書に関し更正があつた場合には、更正通知書)に還付金の額に相当する税額の記載がなかつたとき。

2 納税申告書を提出した者又は第二十五条(決定)の規定による決定(以下この項において「決定」という。)を受けた者は、次の各号のいずれかに該当する場合(納税申告書を提出した者については、当該各号に定める期間の満了する日が前項に規定する期間の満了する日後に到来する場合に限る。)には、同項の規定にかかわらず、当該各号に定める期間において、その該当することを理由として同項の規定による更正の請求(以下「更正の請求」という。)をすることができる。

一 その申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となつた事実に関する訴えについての判決(判決と同一の効力を有する和解その他の行為を含む。)により、その事実が当該計算の基礎としたところと異なることが確定したとき その確定した日の翌日から起算して二月以内

二 その申告、更正又は決定に係る課税標準等又は税額等の計算に当たつてその申告をし、又は決定を受けた者に帰属するものとされていた所得その他課税物件が他の者に帰属するものとする当該他の者に係る国税の更正又は決定があつたとき 当該更正又は決定があつた日の翌日から起算して二月以内

三 その他当該国税の法定申告期限後に生じた前二号に類する政令で定めるやむを得ない理由があるとき 当該理由が生じた日の翌日から起算して二月以内

3 更正の請求をしようとする者は、その請求に係る更正後の課税標準等又は税額等、その更正の請求をする理由、当該請求をするに至つた事情の詳細、当該請求に係る更正前の納付すべき税額及び還付金の額に相当する税額その他参考となるべき事項を記載した更正請求書を税務署長に提出しなければならない。

4 税務署長は、更正の請求があつた場合には、その請求に係る課税標準等又は税額等について調査し、更正をし、又は更正をすべき理由がない旨をその請求をした者に通知する。

5 更正の請求があつた場合においても、税務署長は、その請求に係る納付すべき国税(その滞納処分費を含む。以下この項において同じ。)の徴収を猶予しない。ただし、税務署長において相当の理由があると認めるときは、その国税の全部又は一部の徴収を猶予することができる。

6 輸入品に係る申告消費税等についての更正の請求は、第一項の規定にかかわらず、税関長に対し、するものとする。この場合においては、前三項の規定の適用については、これらの規定中「税務署長」とあるのは、「税関長」とする。

7 前二条の規定は、更正の請求について準用する。

 

 

法人税法

(所得税額の控除)

第六十八条 内国法人が各事業年度において所得税法第百七十四条各号(内国法人に係る所得税の課税標準)に規定する利子等、配当等、給付補塡金、利息、利益、差益、利益の分配又は賞金(次項において「利子及び配当等」という。)の支払を受ける場合には、これらにつき同法の規定により課される所得税の額(当該所得税の額に係る第六十九条の二第一項(分配時調整外国税相当額の控除)に規定する分配時調整外国税相当額を除く。)は、政令で定めるところにより、当該事業年度の所得に対する法人税の額から控除する。

2 前項の規定は、内国法人である公益法人等又は人格のない社団等が支払を受ける利子及び配当等で収益事業以外の事業又はこれに属する資産から生ずるものにつき課される同項の所得税の額については、適用しない。

3 第一項の事業年度において第七十二条第一項各号(仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等)に掲げる事項を記載した中間申告書の提出により第七十八条第一項(所得税額等の還付)又は第百三十三条第一項(更正等による所得税額等の還付)の規定による還付金がある場合の第一項の所得税の額には、当該還付金の額を含まないものとする。

4 第一項の規定は、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用する。この場合において、同項の規定による控除をされるべき金額は、当該金額として記載された金額を限度とする。

 

 

法人税法施行令

(法人税額から控除する所得税額の計算)

第百四十条の二 法第六十八条第一項(所得税額の控除)の規定により法人税の額から控除する所得税の額(その所得税の額に係る法第六十九条の二第一項(分配時調整外国税相当額の控除)に規定する分配時調整外国税相当額を除く。以下第三項までにおいて同じ。)は、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める金額とする。

一 法人から受ける剰余金の配当(特定公社債等運用投資信託(所得税法第二条第一項第十五号の三(定義)に規定する公募公社債等運用投資信託以外の同項第十五号の二に規定する公社債等運用投資信託をいい、投資信託及び投資法人に関する法律第二条第二十四項(定義)に規定する外国投資信託を除く。以下この号及び第三項において同じ。)の受益権及び資産の流動化に関する法律第二百三十条第一項第二号(特定目的信託契約)に規定する社債的受益権(第三項において「社債的受益権」という。)に係るもの、資本剰余金の減少に伴うもの並びに分割型分割によるもの及び株式分配を除く。)若しくは利益の配当(分割型分割によるもの及び株式分配を除く。)若しくは剰余金の分配(法第二十四条(配当等の額とみなす金額)の規定により法第二十三条第一項第一号(受取配当等の益金不算入)に掲げる金額とみなされるものを除く。)若しくは金銭の分配(投資信託及び投資法人に関する法律第百三十七条(金銭の分配)の金銭の分配(法第二十四条の規定により同項第二号に掲げる金額とみなされるものを除く。)又は資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配をいう。)又は集団投資信託(合同運用信託、所得税法第二条第一項第十五号に規定する公社債投資信託及び同項第十五号の二に規定する公社債等運用投資信託(特定公社債等運用投資信託を除く。)を除く。第三項及び第六項において同じ。)の収益の分配(以下この条において「配当等」という。)に対する所得税 その元本を所有していた期間に対応するものとして計算される所得税の額

二 前号に掲げるもの以外の所得税 その所得税の額の全額

2 前項第一号に定める所得税の額は、配当等に対する所得税の額(その内国法人が元本を所有していなかつた期間についてのみ課される所得税の額を除く。次項において同じ。)に、当該配当等の計算の基礎となつた期間(当該配当等が同号に規定する剰余金の配当若しくは利益の配当若しくは剰余金の分配又は金銭の分配(以下この項において「剰余金配当等」という。)である場合には、当該剰余金配当等(以下この項において「判定対象配当等」という。)の前に最後に当該判定対象配当等をする法人によりされた剰余金配当等の基準日等(第二十二条第二項第二号(関連法人株式等の範囲)に規定する基準日等をいう。以下この項において同じ。)の翌日(同日が当該判定対象配当等の基準日等から起算して一年前の日以前の日である場合又は当該判定対象配当等が当該一年前の日以前に設立された法人からその設立の日以後最初にされる剰余金配当等である場合には当該一年前の日の翌日とし、当該判定対象配当等が当該判定対象配当等の基準日等以前一年以内に設立された法人からその設立の日以後最初にされる剰余金配当等である場合には当該設立の日とし、当該判定対象配当等がその元本である株式又は出資を発行した法人から当該判定対象配当等の基準日等以前一年以内に取得した株式又は出資につきその取得の日以後最初にされる剰余金配当等である場合には当該取得の日とする。)から当該判定対象配当等の基準日等までの期間。以下この項及び次項において同じ。)の月数のうちにその内国法人がその元本を所有していた期間の月数(株式移転により設立された株式移転完全親法人が当該株式移転に係る株式移転完全子法人からその設立の日後最初にされる剰余金の配当(以下この項及び次項第二号イにおいて「株式移転後の初回配当」という。)にあつては、当該株式移転後の初回配当の計算の基礎となつた期間の開始の日から当該設立の日の前日までその元本の全てを所有していたものとみなして計算した月数)の占める割合(当該割合に小数点以下三位未満の端数があるときは、これを切り上げる。次項において同じ。)を乗ずる方法により計算する。

3 内国法人は、第一項第一号に定める所得税の額を前項に規定する方法により計算することに代えて、その所得税の額に係る配当等の元本を株式及び出資(特定公社債等運用投資信託の受益権及び社債的受益権を除く。)と集団投資信託の受益権とに区分し、さらにその元本を当該配当等の計算の基礎となつた期間が一年を超えるものと一年以下のものとに区分し、その区分に属する全ての元本について、その銘柄ごとに、その所得税の額に、第一号に掲げる数のうちに第二号に掲げる数の占める割合を乗ずる方法により計算することができる。

一 その内国法人がその所得税の額に係る配当等の計算の基礎となつた期間の終了の時において所有していたその元本の数(口数の定めがない出資については、金額。次号において同じ。)

二 イに掲げる数とロに掲げる数とを合計した数(前号に掲げる数がイに掲げる数に満たない場合には、同号に掲げる数)

イ その内国法人がその所得税の額に係る配当等の計算の基礎となつた期間の開始の時(株式移転後の初回配当に係る第一項第一号に定める所得税の額を計算する場合にあつては、株式移転完全親法人の株式移転による設立の時)において所有していたその元本の数

ロ 前号に掲げる数からイに掲げる数を控除した数の二分の一(その内国法人の所得税の額に係る配当等の計算の基礎となつた期間が一年を超えるものについては、十二分の一)に相当する数

4 内国法人が次の各号に掲げる事由により当該各号に定める法人から配当等の元本の移転を受けた場合には、当該法人の当該元本を所有していた期間は当該内国法人の当該元本を所有していた期間とみなして、前三項の規定を適用する。この場合において、当該内国法人が当該配当等の計算の基礎となつた期間の中途で当該元本の移転を受けたときは、前項第二号イ中「元本の数」とあるのは、「元本の数(次項各号に掲げる事由により当該各号に定める法人が所有していた配当等の元本の全部又は一部の移転を受けた場合には、当該法人が当該開始の時において所有していたその元本の数に当該法人が当該事由の直前に所有していたその元本の数のうちに当該事由によりその内国法人に移転をしたその元本の数の占める割合を乗じて計算した数を加算した数)」とする。

一 適格合併 当該適格合併に係る被合併法人

二 適格分割 当該適格分割に係る分割法人

三 適格現物出資 当該適格現物出資に係る現物出資法人

四 適格現物分配 当該適格現物分配に係る現物分配法人

五 特別の法律に基づく承継 当該承継に係る被承継法人

六 通算法人への他の通算法人からの移転(前各号に掲げる事由によるものを除く。) 当該他の通算法人

5 内国法人が配当等の計算の基礎となつた期間の中途で前項第二号から第六号までに掲げる事由により当該事由に係る分割承継法人、被現物出資法人、被現物分配法人、承継法人又は通算法人(当該内国法人との間に通算完全支配関係があるものに限る。)に当該配当等の元本の全部又は一部の移転をした場合における第三項の規定の適用については、同項第二号イ中「元本の数」とあるのは、「元本の数(次項第二号から第六号までに掲げる事由により当該事由に係る分割承継法人、被現物出資法人、被現物分配法人、承継法人又は第五項に規定する通算法人(以下この号において「分割承継法人等」という。)に配当等の元本の全部又は一部の移転をした場合には、その内国法人が当該開始の時において所有していたその元本の数にその内国法人が当該事由の直前に所有していたその元本の数のうちに当該事由により当該分割承継法人等に移転をしたその元本の数の占める割合を乗じて計算した数を控除した数)」とする。

6 第二項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。ただし、集団投資信託の終了又は集団投資信託の一部の解約による収益の分配により委託者又は集団投資信託の契約若しくは当該契約に係る約款に基づき委託者若しくは受託者が指定する金融商品取引法第二十八条第八項(通則)に規定する有価証券関連業を行う法人若しくは同法第三十三条第二項各号(金融機関の有価証券関連業の禁止等)に掲げる有価証券若しくは取引につき当該各号に定める行為を行う同条第一項に規定する金融機関の受ける収益の分配については、その所有した期間の全期間が十五日以下であるときは、これを切り捨てる。

 

逮捕当日に採取された被疑者の尿に関する鑑定書の証拠能力が逮捕手続に重大な違法があるとして否定された事例

 

 

              覚せい剤取締法違反、窃盗被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成13年(あ)第1678号

【判決日付】      平成15年2月14日

【判示事項】      一 逮捕当日に採取された被疑者の尿に関する鑑定書の証拠能力が逮捕手続に重大な違法があるとして否定された事例

             二 捜索差押許可状の発付に当たり疎明資料とされた被疑者の尿に関する鑑定書が違法収集証拠として証拠能力を否定される場合において同許可状に基づく捜索により発見押収された覚せい剤等の証拠能力が肯定された事例

【判決要旨】      一 被疑者の逮捕手続には、逮捕状の呈示がなく、逮捕状の緊急執行もされていない違法があり、これを糊塗するため、警察官が逮捕状に虚偽事項を記入し、公判廷において事実と反する証言をするなどの経緯全体に表れた警察官の態度(判文参照)を総合的に考慮すれば、本件逮捕手続の違法の程度は、令状主義の精神を没却するような重大なものであり、本件逮捕の当日に採取された被疑者の尿に関する鑑定書の証拠能力は否定される。

             二 捜索差押許可状の発付に当たり疎明資料とされた被疑者の尿に関する鑑定書が違法収集証拠として証拠能力を否定される場合であっても、同許可状に基づく捜索により発見され、差し押さえられた覚せい剤及びこれに関する鑑定書は、その覚せい剤が司法審査を経て発付された令状に基づいて押収されたものであり、同許可状の執行が別件の捜索差押許可状の執行と併せて行われたものであることなど判示の事情の下では、証拠能力を否定されない。

【参照条文】      刑事訴訟法

             刑事訴訟法317

             刑事訴訟法73-3

             刑事訴訟法201

             刑事訴訟法221

             刑事訴訟法218-1

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集57巻2号121頁

 

 

刑事訴訟法

第一条      この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。

 

第七十三条 勾引状を執行するには、これを被告人に示した上、できる限り速やかに且つ直接、指定された裁判所その他の場所に引致しなければならない。第六十六条第四項の勾引状については、これを発した裁判官に引致しなければならない。

② 勾留状を執行するには、これを被告人に示した上、できる限り速やかに、かつ、直接、指定された刑事施設に引致しなければならない。

③ 勾引状又は勾留状を所持しないためこれを示すことができない場合において、急速を要するときは、前二項の規定にかかわらず、被告人に対し公訴事実の要旨及び令状が発せられている旨を告げて、その執行をすることができる。但し、令状は、できる限り速やかにこれを示さなければならない。

 

第二百一条 逮捕状により被疑者を逮捕するには、逮捕状を被疑者に示さなければならない。

② 第七十三条第三項の規定は、逮捕状により被疑者を逮捕する場合にこれを準用する。

 

第二百十八条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。

② 差し押さえるべき物が電子計算機であるときは、当該電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、当該電子計算機で作成若しくは変更をした電磁的記録又は当該電子計算機で変更若しくは消去をすることができることとされている電磁的記録を保管するために使用されていると認めるに足りる状況にあるものから、その電磁的記録を当該電子計算機又は他の記録媒体に複写した上、当該電子計算機又は当該他の記録媒体を差し押さえることができる。

③ 身体の拘束を受けている被疑者の指紋若しくは足型を採取し、身長若しくは体重を測定し、又は写真を撮影するには、被疑者を裸にしない限り、第一項の令状によることを要しない。

④ 第一項の令状は、検察官、検察事務官又は司法警察員の請求により、これを発する。

⑤ 検察官、検察事務官又は司法警察員は、身体検査令状の請求をするには、身体の検査を必要とする理由及び身体の検査を受ける者の性別、健康状態その他裁判所の規則で定める事項を示さなければならない。

⑥ 裁判官は、身体の検査に関し、適当と認める条件を附することができる。

 

第二百二十一条 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、被疑者その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。

 

第三百十七条 事実の認定は、証拠による。

 

特定目的会社の取締役の第三者に対する責任に関し,取締役が資産流動化計画の作成に関与しなかったことについて任務懈怠がないとされた事例

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      大阪地方裁判所判決/平成16年(ワ)第12135号

【判決日付】      平成18年5月30日

【判示事項】      特定目的会社の取締役の第三者に対する責任に関し,取締役が資産流動化計画の作成に関与しなかったことについて任務懈怠がないとされた事例

【判決要旨】       資産流動化に関する法律に基づく特定目的会社に対し、Xらが不動産を売却したのに同社の資金調達ができず契約解除になった場合において、同社の取締役が資産流動化計画の策定に関与しなかったことなどの任務懈怠に関するXらの主張に対し、取締役が、最終的に作成された資産流動化計画について特定社員の承認を受け、特定目的会社を代表して資産流動化計画等を添付して業務開始の届出をすることになるとしても、取締役が資産流動化計画の作成に実質的に関与することが通常期待されているものとはいえず、従前の取締役がアレンジャーの関係者であり、倒産隔離の点から適当でないことから、当該取締役がY会社の取締役に就任したこと、就任時期は、特定社員から本件資産流動化計画の承認を受ける約10日前にすぎないこと、特定資産の購入や証券化のアレンジメントといった計画作成の実質的な作業はアレンジャーが行ったほか、優先出資証券を取り扱い、社債引受予定者である信託銀行も本件資産流動化計画の基本的構成の作成に関与していたこと、取締役の報酬は、年額75万円にすぎなかったことからすると、当該取締役は、資産流動化計画の策定に実質的に関与することは期待されておらず、本件資産流動化計画の策定に実質的に関与することは期待されたおらず、本件資産流動化計画の実施を主たる任務として就任したものである、などとして、Xら主張の任務懈怠が否定された事例。

【参照条文】      資産の流動化に関する法律(平成17年法律第87号による改正前のもの)69-1

             資産の流動化に関する法律(平成17年法律第87号による改正前のもの)73-1

             資産の流動化に関する法律(平成17年法律第87号による改正前のもの)74-1

             資産の流動化に関する法律(平成17年法律第87号による改正前のもの)118の2-1

             資産の流動化に関する法律(平成17年法律第87号による改正前のもの)118の2-2

             資産の流動化に関する法律(平成17年法律第87号による改正前のもの)118の2-3

【掲載誌】        判例タイムズ1250号325頁

             金融・商事判例1252号38頁

 

 

資産の流動化に関する法律

(特定目的会社と役員等との関係)

第六十九条 特定目的会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。

 

(会計監査人の資格等)

第七十三条 会計監査人は、公認会計士又は監査法人でなければならない。

2 会計監査人に選任された監査法人は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、これを特定目的会社に通知しなければならない。この場合においては、次項第二号に掲げる者を選定することはできない。

3 次に掲げる者は、会計監査人となることができない。

一 公認会計士法の規定により、特定目的会社の第百二条第二項に規定する計算書類について監査をすることができない者

二 資産流動化計画に定められた特定資産の譲渡人、当該特定資産の管理及び処分に係る業務を行わせるために設定された信託の受託者である信託会社等(第二百条第二項の規定に基づき同項各号の財産に係る管理及び処分に係る業務を委託した場合にあっては、その受託者)若しくは当該特定資産が信託の受益権である場合における当該信託の受託者(以下この号並びに第九十一条第四項第二号及び第三号において「特定資産譲渡人等」という。)若しくは特定資産譲渡人等の取締役、会計参与、監査役若しくは執行役から公認会計士若しくは監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者又はその配偶者

三 監査法人でその社員の半数以上が前号に掲げる者であるもの

4 会社法第三百三十八条(会計監査人の任期)の規定は、特定目的会社の会計監査人について準用する。この場合において、同条第一項及び第二項中「定時株主総会」とあるのは、「定時社員総会」と読み替えるものとする。

 

(解任)

第七十四条 役員及び会計監査人は、いつでも、社員総会の決議によって解任することができる。

2 前項の規定により解任された者は、その解任について正当な理由がある場合を除き、特定目的会社に対し、解任によって生じた損害の賠償を請求することができる。

3 役員の職務の執行に関し不正の行為又は法令、資産流動化計画若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が社員総会において否決されたときは、次に掲げる社員は、当該社員総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。

一 総特定社員(次に掲げる特定社員を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する特定社員(次に掲げる特定社員を除く。)又は総優先出資社員(次に掲げる優先出資社員を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する優先出資社員(次に掲げる優先出資社員を除く。)

イ 当該役員を解任する旨の議案について議決権を行使することができない特定社員又は優先出資社員

ロ 当該請求に係る役員である特定社員又は優先出資社員

二 特定出資(次に掲げる特定社員の有する特定出資を除く。)の総口数の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の口数の特定出資を有する特定社員(次に掲げる特定社員を除く。)又は発行済優先出資(次に掲げる優先出資社員の有する優先出資を除く。)の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の口数の優先出資を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する優先出資社員(次に掲げる優先出資社員を除く。)

イ 当該特定目的会社である特定社員又は優先出資社員

ロ 当該請求に係る役員である特定社員又は優先出資社員

4 会社法第八百五十五条(被告)、第八百五十六条(訴えの管轄)及び第九百三十七条第一項(第一号ヌに係る部分に限る。)(裁判による登記の嘱託)の規定は、前項の役員の解任の訴えについて準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

 

 

(取締役の責任等についての会社法の準用)

第百十九条 会社法第四百六十二条第二項及び第三項(剰余金の配当等に関する責任)の規定は第百十七条の規定による特定目的会社の取締役の責任について、同法第四百六十三条(株主に対する求償権の制限等)の規定は特定目的会社の社員について、同法第四百六十四条(買取請求に応じて株式を取得した場合の責任)の規定は第三十八条において準用する同法第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じた特定目的会社の取締役の責任、第五十条第一項において準用する同法第百八十二条の四第一項の規定による請求に応じた特定目的会社の取締役の責任及び第百五十三条第一項の規定による請求に応じた特定目的会社の取締役の責任について、同法第四百六十五条第二項(欠損が生じた場合の責任)の規定は前条の規定による特定目的会社の取締役の責任について、それぞれ準用する。この場合において、同法第四百六十二条第二項中「前項」とあるのは「資産流動化法第百十七条」と、「業務執行者」とあるのは「同条に規定する取締役」と、「同項各号に定める者」とあるのは「同条各号に掲げる者」と、「同項の」とあるのは「同条の」と、同条第三項中「第一項の」とあるのは「資産流動化法第百十七条の」と、「業務執行者」とあるのは「同条に規定する取締役」と、「同項各号に定める者」とあるのは「同条各号に掲げる者」と、「前条第一項各号に掲げる行為の時における分配可能額」とあるのは「資産流動化法第百十四条第一項又は第百十五条第三項に規定する額」と、「総株主」とあるのは「総社員」と、同法第四百六十三条第一項中「前条第一項に」とあるのは「資産流動化法第百十七条に」と、「第四百六十一条第一項各号に掲げる行為」とあるのは「資産流動化法第百十四条の規定による利益の配当又は中間配当」と、「金銭等の帳簿価額の総額」とあるのは「配当金の額又は分配金の額」と、「当該行為がその効力を生じた日における分配可能額」とあるのは「同条第一項又は資産流動化法第百十五条第三項に規定する額」と、「前条第一項の金銭を支払った業務執行者」とあるのは「資産流動化法第百十七条に規定する取締役」と、「同項各号に定める者」とあるのは「同条各号に掲げる者」と、同条第二項中「前条第一項」とあるのは「資産流動化法第百十七条」と、「同項」とあるのは「同条」と、「金銭等の帳簿価額」とあるのは「配当金の額又は分配金の額」と、同法第四百六十四条第一項中「当該支払の日における分配可能額」とあるのは「当該支払が属する事業年度(その事業年度の直前の事業年度が最終事業年度でないときは、その事業年度の直前の事業年度)に係る資産流動化法第百十四条第一項の額」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

2 第九十七条第三項及び第四項並びに会社法第七編第二章第二節(第八百四十七条第二項、第八百四十七条の二、第八百四十七条の三、第八百四十九条第二項、第三項及び第六項から第十一項まで、第八百四十九条の二、第八百五十一条並びに第八百五十三条第一項第二号及び第三号を除く。)(株式会社における責任追及等の訴え)の規定は、第百十七条の規定による同条に規定する特定目的会社の取締役の責任を追及する訴え並びに前条の規定及び前項において準用する同法第四百六十四条の規定による特定目的会社の取締役の責任を追及する訴えについて準用する。この場合において、同法第八百四十七条第一項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)」とあるのは「特定社員又は六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き優先出資を有する優先出資社員」と、同条第三項中「株主」とあるのは「特定社員又は優先出資社員」と、同条第四項中「株主」とあるのは「特定社員若しくは優先出資社員」と、同条第五項中「株主」とあるのは「特定社員又は優先出資社員」と、同法第八百四十七条の四第二項中「株主等(株主、適格旧株主又は最終完全親会社等の株主をいう。以下この節において同じ。)」とあるのは「特定社員又は優先出資社員」と、「当該株主等」とあるのは「当該特定社員又は優先出資社員」と、同法第八百四十九条第一項中「株主等」とあるのは「特定社員若しくは優先出資社員」と、同条第四項中「株主等」とあるのは「特定社員又は優先出資社員」と、同条第五項中「株主」とあるのは「特定社員及び優先出資社員」と、同法第八百五十条第三項及び第八百五十二条中「株主等」とあるのは「特定社員又は優先出資社員」と、同法第八百五十三条第一項第一号中「株主」とあるのは「特定社員若しくは優先出資社員」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。