住宅地区改良法5条に基づく建設大臣の事業計画認可の行政処分性(消極) 最高裁判所第3小法廷判決 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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住宅地区改良法5条に基づく建設大臣の事業計画認可の行政処分性(消極)

 

最高裁判所第3小法廷判決昭和50年11月28日

住宅地区改良法に基づく事業計画認可処分取消請求上告事件

【判示事項】 住宅地区改良法5条に基づく建設大臣の事業計画認可の行政処分性(消極)

【判決要旨】 住宅地区改良法5条に基づく建設大臣の事業計画認可は、監督官庁の施行者に対してする行政庁相互間における内部的意思表示にすぎず、直接国民の権利義務に具体的な変動を与える行政処分であるということはできない。

【参照条文】 行政事件訴訟法3

       住宅地区改良法

【掲載誌】  訟務月報24巻2号317頁

       最高裁判所裁判集民事116号735頁

 

行政事件訴訟法

(抗告訴訟)

第三条 この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。

2 この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

3 この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求その他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

4 この法律において「無効等確認の訴え」とは、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう。

5 この法律において「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。

6 この法律において「義務付けの訴え」とは、次に掲げる場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。

一 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき(次号に掲げる場合を除く。)。

二 行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき。

7 この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。

 

住宅地区改良法

(事業計画の決定)

第五条 施行者は、国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に協議の上、事業計画を定めなければならない。この場合において、市町村がその協議をしようとするときは、都道府県知事を通じてしなければならない。

2 前項の規定は、施行者が事業計画を変更しようとする場合(政令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)に準用する。

 

「       主   文

 本件上告を棄却する。

  上告費用は上告人らの負担とする。

       理   由

 上告代理人の上告理由について

 住宅地区改良事業の事業計画の認可は抗告訴訟の対象となる行政庁の処分にあたらないとした原審の判断は、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、右違法があることを前提とする違憲の主張は、失当である。論旨は、採用することができない。