1 政治資金規正法(平成6年改正前)21条2項にいう収支報告書の「閲覧」の意義 2 政治資金規 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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1 政治資金規正法(平成6年改正前)21条2項にいう収支報告書の「閲覧」の意義

2 政治資金規正法に基づいて政治団体から大阪府選挙管理委員会に提出された収支報告書が大阪府公文書公開等条例(昭和59年大阪府条例第2号)9条3号所定の公文書の非公開事由となる「主務大臣等から公にしてはならない旨の明示の指示がある情報」が記録されている公文書に当たるとされた事例

 

最2小判平成7年2月24日民集49巻2号517頁

公文書非公開決定処分取消請求事件

【判示事項】 1 政治資金規正法(平成6年法律第4号による改正前のもの)21条2項にいう収支報告書の「閲覧」の意義

2 政治資金規正法に基づいて政治団体から大阪府選挙管理委員会に提出された収支報告書が大阪府公文書公開等条例(昭和59年大阪府条例第2号)9条3号所定の公文書の非公開事由となる「主務大臣等から公にしてはならない旨の明示の指示がある情報」が記録されている公文書に当たるとされた事例

【判決要旨】 1 政治資金規正法(平成6年法律第4号による改正前のもの)21条2項にいう収支報告書の「閲覧」には、写しの交付は含まれない。

2 自治省が、従来から、政治資金規正法の運用を含む機関委任事務等の処理に関し、個々の質問に対する回答という形で同省の見解を示した文書を各都道府県あてに送付することにより全国的に統1的な事務処理を図っており、自治大臣から同法の解釈等についての回答等の代理権を授与されている自治省選挙部政治資金課長が、問の欄に「地方公共団体は条例に基づき収支報告書の写しの交付をすることができるか。」答の欄に「できないと解する。」などと記載した「政治資金規正法関係質疑集」と題する文書を各都道府県選挙管理委員会あてに送付していたなど判示の事実関係の下においては、同法に基づいて政治団体から大阪府選挙管理委員会に提出された収支報告書は、大阪府公文書公開等条例(昭和59年大阪府条例第2号)9条3号所定の公文書の非公開事由となる「主務大臣等から公にしてはならない旨の明示の指示がある情報」が記録されている公文書に当たる。

【参照条文】 政治資金規正法(平成6年法律第4号による改正前のもの)21-2

       政治資金規正法30

       地方自治法186

       地方自治法(平成3年法律第24号による改正前のもの)別表第3の3の(2)

       政治資金規正法(昭和23年法律第194号)

       公開等条例9大阪府公文書公開等条例(昭和59年大阪府条例第2号)9

 

政治資金規正法

(会社等の寄附の制限)

第二十一条 会社、労働組合(労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)第二条に規定する労働組合をいう。第三項並びに第二十一条の三第一項及び第二項において同じ。)、職員団体(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百八条の二又は地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第五十二条に規定する職員団体をいう。第三項並びに第二十一条の三第一項及び第二項において同じ。)その他の団体は、政党及び政治資金団体以外の者に対しては、政治活動に関する寄附をしてはならない。

2 前項の規定は、政治団体がする寄附については、適用しない。

3 何人も、会社、労働組合、職員団体その他の団体(政治団体を除く。)に対して、政治活動に関する寄附(政党及び政治資金団体に対するものを除く。)をすることを勧誘し、又は要求してはならない。

4 第一項及び前項の規定の適用については、政党の支部で、一以上の市町村(特別区を含む。)の区域(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあつては、その区又は総合区の区域)又は公職選挙法第十二条に規定する選挙区の区域を単位として設けられる支部以外のものは、政党及び政治資金団体以外のそれぞれ一の政治団体とみなす。