「不正者の天国」事件・行政監察業務に関する文害の秘密文害指定が、行政監察制度の目的から見て合理的 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属

「不正者の天国」事件・行政監察業務に関する文害の秘密文害指定が、行政監察制度の目的から見て合理的理由があるとされた例

 

 

判定処分等取消請求上告事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和40年(行ツ)第52号

【判決日付】      昭和45年8月20日

【判示事項】      一、行政監察業務に関する文害の秘密文害指定が、行政監察制度の目的から見て合理的理由があるとされた例

             二、上掲文害から取材して、著書を刊行した行為等が、国家公務員法七八条三号に該当するとされた事例

【判決要旨】      行政管理庁行政監察局の職員が、上司の承認を得ることなく、同局保管の行政監察業務に関する文書で、その内容が秘密事項に属し、また、そのため適式に秘密文書として指定されたものから取材し、その内容を掲記した単行本または雑誌記事を著述発刊または掲載したときは、右職員は国家公務員法七八条三号に定める免職事由に該当する。

【参照条文】      国家公務員法78

【掲載誌】        訟務月報16巻12号1462頁

             最高裁判所裁判集民事100号399頁

 

国家公務員法

(本人の意に反する降任及び免職の場合)

第七十八条 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、人事院規則の定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。

一 人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合

二 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合

三 その他その官職に必要な適格性を欠く場合

四 官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合