共用設備が設置されている車庫が建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分にあたらないとはいえない | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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共用設備が設置されている車庫が建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分にあたらないとはいえないとされた事例

 

 

              所有権保存登記抹消等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和55年(オ)第554号

【判決日付】      昭和56年7月17日

【判示事項】      共用設備が設置されている車庫が建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分にあたらないとはいえないとされた事例

【判決要旨】      構造上他の建物部分と区分され、それ自体として独立の建物としての用途に供することができる外形を有する車庫内に、天井には排水管が取り付けられ、床下にはし尿浄化槽と受水槽があり、床面には地下に通ずるマンホール及び排水ポンプの故障に備えるための手動ポンプが設置されていて、右浄化槽等の点検、清掃、故障修理のため専門業者がその車庫に立ち入つて作業することが予定されている場合でも、右共用設備の利用管理によつて右車庫の排他的使用に格別の制限ないし障害を生じない限り、右車庫は、建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分にあたらないとはいえない。

【参照条文】      建物の区分所有等に関する法律

             建物の区分所有等に関する法律2-3

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集35巻5号977頁

 

建物の区分所有等に関する法律

第一節 総則

(建物の区分所有)

第一条 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

(定義)

第二条 この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第四条第二項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。

2 この法律において「区分所有者」とは、区分所有権を有する者をいう。

3 この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。

4 この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第四条第二項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。

5 この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び第五条第一項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。

6 この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。