新潟県条例事件・地方公共団体の制定する条例の効力は、法令または条例に別段の定めある場合、若しくは | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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新潟県条例事件・地方公共団体の制定する条例の効力は、法令または条例に別段の定めある場合、若しくは条例の性質上住民のみを対象とすること明らかな場合を除き、法律の範囲内において原則として属地的に生ずるものと解すべきである。

 

昭和24年新潟県条例第4号違反被告事件

 最高裁判所大法廷判決/昭和26年(あ)第3188号

 昭和29年11月24日

【判示事項】    1、昭和24年新潟県条例第4号の合憲性

          2、適用条例の公布並びに施行日時を審理し、判示することの要否

          3、条例の土地に関する効力

【判決要旨】    1、昭和24年新潟県条例第4号は、憲法第12条、第21条、第28条、第98条等に違反するものではない。

          2、裁判所が裁判するにあたり適用すべき条例の公布並びに施行日時については、特に必要ある場合のほかは、これを審理し、またはこれに対する判断を判示する必要はない。

          3、地方公共団体の制定する条例の効力は、法令または条例に別段の定めある場合、若しくは条例の性質上住民のみを対象とすること明らかな場合を除き、法律の範囲内において原則として属地的に生ずるものと解すべきである。(1、につき少数(反対)意見および補足意見がある。)

【参照条文】    日本国憲法12

          日本国憲法21

          日本国憲法28

          日本国憲法98

          日本国憲法92

          日本国憲法94

          行列行進集団示威運動に関する条例(昭和24年3月25日新潟県条例第4号)1

          行列行進集団示威運動に関する条例(昭和24年3月25日新潟県条例第4号)2

          行列行進集団示威運動に関する条例(昭和24年3月25日新潟県条例第4号)3

          行列行進集団示威運動に関する条例(昭和24年3月25日新潟県条例第4号)4

          行列行進集団示威運動に関する条例(昭和24年3月25日新潟県条例第4号)5

          行列行進集団示威運動に関する条例(昭和24年3月25日新潟県条例第4号)6

          行列行進集団示威運動に関する条例(昭和24年3月25日新潟県条例第4号)7

          行列行進集団示威運動に関する条例(昭和24年3月25日新潟県条例第4号)附則

          行列行進集団示威運動に関する条例施行手続(昭和24年3月25日新潟県公安委員会訓第1号)1

          行列行進集団示威運動に関する条例施行手続(昭和24年3月25日新潟県公安委員会訓第1号)2

          行列行進集団示威運動に関する条例施行手続(昭和24年3月25日新潟県公安委員会訓第1号)3

          行列行進集団示威運動に関する条例施行手続(昭和24年3月25日新潟県公安委員会訓第1号)4

          行列行進集団示威運動に関する条例施行手続(昭和24年3月25日新潟県公安委員会訓第1号)5

          行列行進集団示威運動に関する条例施行手続(昭和24年3月25日新潟県公安委員会訓第1号)6

          行列行進集団示威運動に関する条例施行手続(昭和24年3月25日新潟県公安委員会訓第1号)7

          行列行進集団示威運動に関する条例施行手続(昭和24年3月25日新潟県公安委員会訓第1号)附則

          刑事訴訟法335

          地方自治法1

          地方自治法2-2

          地方自治法2-3

【掲載誌】     最高裁判所刑事判例集8巻11号1866頁

 

日本国憲法

第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

 

第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

② 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

 

第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

 

第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

② 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

 

第九十四条 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

 

刑事訴訟法

第三百三十五条 有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。

② 法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の加重減免の理由となる事実が主張されたときは、これに対する判断を示さなければならない。

 

地方自治法

第二条 地方公共団体は、法人とする。

② 普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。

③ 市町村は、基礎的な地方公共団体として、第五項において都道府県が処理するものとされているものを除き、一般的に、前項の事務を処理するものとする。

 

第三章 条例及び規則

第十四条 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。

② 普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。

③ 普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の懲役若しくは禁錮こ、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。