被告が投稿したインターネットの匿名掲示板の記事により,原告の名誉が毀損され,プライバシーが侵害さ | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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被告が投稿したインターネットの匿名掲示板の記事により,原告の名誉が毀損され,プライバシーが侵害されたとして,原告が被告に対し,損害賠償等を求めた事案。

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成28年(ワ)第7502号

【判決日付】      平成28年9月2日

【判示事項】      被告が投稿したインターネットの匿名掲示板の記事により,原告の名誉が毀損され,プライバシーが侵害されたとして,原告が被告に対し,損害賠償等を求めた事案。

裁判所は,本件記事の中には,顔写真や名前等が表示され,記事を見た者はこれが原告であると認識し,個人情報を入手でき,これによりプライバシーを侵害し,また,原告に対する性的表現を含む誹謗中傷を内容とする記事は,原告の社会的評価を低下させるものであるとした上で,本件掲示板は限られた範囲の者が閲覧することが想定される等の事情を考慮して,慰謝料30万円及び弁護士費用等9万円を認めた事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

 

 

民法

(不法行為による損害賠償)

第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

(財産以外の損害の賠償)

第七百十条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

 

 

 

       主   文

 

 1 被告は,原告に対し,39万円及びこれに対する平成26年12月28日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 2 原告のその余の請求を棄却する。

 3 訴訟費用はこれを10分し,その9を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。

 4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。