保険代理店において自動車損害保険の契約者に対する二六歳未満不担保特約についての告知義務違反がなか | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

保険代理店において自動車損害保険の契約者に対する二六歳未満不担保特約についての告知義務違反がなかったとして所属保険会社の損害賠償義務が認められなかった事例

 

 

              交通事故による保険金請求控訴、附帯控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/平成2年(ネ)第1922号、平成2年(ネ)第3022号

【判決日付】      平成3年6月6日

【判示事項】      保険代理店において自動車損害保険の契約者に対する二六歳未満不担保特約についての告知義務違反がなかったとして所属保険会社の損害賠償義務が認められなかった事例

【判決要旨】      保険募集取締法の立法趣旨からすれば、運転者の年齢制限についての特約に関する事項は、同法一六条一項一号にいう「重要な事項」に該当すると解され、右条項に基づく告知義務は各更新契約毎になされるべきであるが、右告知は、特段の事情のない限り、相当の方法、態様、程度により、通常の常識を持った保険申込者に右事項を認識、理解させうるものであって、右認識、理解のもとに当該申込者が契約につき任意の意思決定ができるものであれば足りる。

【参照条文】      保険募集の取締に関する法律11-1

             保険募集の取締に関する法律16-1

【掲載誌】        判例タイムズ767号236頁

             金融・商事判例889号31頁

             判例時報1443号146頁

 

 

 

保険募集の取締に関する法律(略称、募取法)は、保険業法に統合されました。

 

 

保険業法

(所属保険会社等及び保険募集再委託者の賠償責任)

第二百八十三条 所属保険会社等は、保険募集人が保険募集について保険契約者に加えた損害を賠償する責任を負う。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

一 所属保険会社等の役員である保険募集人(生命保険会社にあっては、当該役員の使用人である生命保険募集人を含む。)が行う保険募集については、所属保険会社等が当該役員の選任について相当の注意をし、かつ、これらの者の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。

二 所属保険会社等の使用人である保険募集人(生命保険会社にあっては、当該使用人の使用人である生命保険募集人を含む。)が行う保険募集については、所属保険会社等が当該使用人(生命保険会社の使用人の使用人を除く。)の雇用について相当の注意をし、かつ、これらの者の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。

三 所属保険会社等の委託に基づく特定保険募集人又はその役員若しくは使用人である保険募集人が行う保険募集については、所属保険会社等が当該特定保険募集人の委託をするについて相当の注意をし、かつ、これらの者の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。

四 保険募集再委託者の再委託に基づく特定保険募集人又はその役員若しくは使用人である保険募集人(以下この条において「保険募集再受託者等」という。)が行う保険募集については、所属保険会社等が当該保険募集再受託者等に対する再委託の許諾を行うについて相当の注意をし、かつ、当該保険募集再受託者等の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたとき。

3 保険募集再委託者は、保険募集再受託者等が保険募集について保険契約者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、当該保険募集再委託者が再委託をするについて相当の注意をし、かつ、当該保険募集再受託者等の行う保険募集について保険契約者に加えた損害の発生の防止に努めたときは、この限りでない。

4 第一項の規定は所属保険会社等から保険募集人に対する求償権の行使を妨げず、また、前項の規定は保険募集再委託者から保険募集再受託者等に対する求償権の行使を妨げない。

5 民法第七百二十四条(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)及び第七百二十四条の二(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)の規定は、第一項及び第三項の請求権について準用する。