全員出席総会 最高裁判所第2小法廷判決 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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全員出席総会

    敷金返還請求事件
【事件番号】    最高裁判所第2小法廷判決/昭和58年(オ)第1567号
【判決日付】    昭和60年12月20日
【判示事項】    1、株式会社のいわゆる全員出席総会における決議の効力
          2、株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議が有効となる場合
【判決要旨】    1、招集手続を欠くのに株主全員が株式総会の開催に同意して出席したいわゆる全員出席総会においてされた決議は、総会の決議として有効に成立する。
          2、株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議は、当該株主が会議の目的たる事項を了知したうえで委任をし、かつ、決議の内容が右事項の範囲内のものである場合には、総会の決議として有効に成立する。
【参照条文】    商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)230の2
          商法231
          商法232
          商法239-1
          商法239-3
          商法239-4
【掲載誌】     最高裁判所民事判例集39巻8号1869頁


会社法
(招集手続の省略)
第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。


(株主総会の決議の省略)
第三百十九条 取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。
2 株式会社は、前項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた日から十年間、同項の書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
3 株主及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 前項の書面の閲覧又は謄写の請求
二 前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
4 株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。
5 第一項の規定により定時株主総会の目的である事項のすべてについての提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなされた場合には、その時に当該定時株主総会が終結したものとみなす。