すし処杉事件・被告に雇用されて就労していた原告らが,被告に対し,①原告の一方は,時間外割増賃金・ | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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すし処杉事件・被告に雇用されて就労していた原告らが,被告に対し,①原告の一方は,時間外割増賃金・付加金の各支払を,②相原告は,時間外割増賃金・付加金,解雇予告手当金・付加金,転居に伴う敷金相当額の各支払を,それぞれ求めた事案。

 

 

              割増金等請求事件

【事件番号】      大阪地方裁判所判決/昭和55年(ワ)第5884号、昭和55年(ワ)第5885号

【判決日付】      昭和56年3月24日

【判示事項】      被告に雇用されて就労していた原告らが,被告に対し,①原告の一方は,時間外割増賃金・付加金の各支払を,②相原告は,時間外割増賃金・付加金,解雇予告手当金・付加金,転居に伴う敷金相当額の各支払を,それぞれ求めた事案。

裁判所は,被告は原告らに対する時間外割増賃金支払義務を負っているのにこれを支払わないとして同割増賃金及び同額の付加金請求を認め,相原告請求について,予告期間なしに解雇していることから解雇予告手当金及び同額の付加金請求を認めたが,その解雇が解雇権を濫用したものとは認められず,本件解雇とは無関係の敷金請求は認められないとして,敷金請求を棄却した事例

【掲載誌】        労働経済判例速報1091号3頁

 

 

労働基準法

(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

第三十七条 使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

② 前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。

③ 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。

④ 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

⑤ 第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。

 

(解雇の予告)

第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

② 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。

③ 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。

 

(付加金の支払)

第百十四条 裁判所は、第二十条、第二十六条若しくは第三十七条の規定に違反した使用者又は第三十九条第九項の規定による賃金を支払わなかつた使用者に対して、労働者の請求により、これらの規定により使用者が支払わなければならない金額についての未払金のほか、これと同一額の付加金の支払を命ずることができる。ただし、この請求は、違反のあつた時から五年以内にしなければならない。