取締役を選任する旨の株主総会決議が不存在である場合とその後の取締役を選任する旨の株式総会の決議の | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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取締役を選任する旨の株主総会決議が不存在である場合とその後の取締役を選任する旨の株式総会の決議の効力

 

 

地位確認等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和60年(オ)第1529号

【判決日付】      平成2年4月17日

【判示事項】      取締役を選任する旨の株主総会決議が不存在である場合とその後の取締役を選任する旨の株式総会の決議の効力

【判決要旨】      取締役に選任する旨の決議が不存在である場合に、その者を構成員の一員とする取締役会で選任された代表取締役が、その取締役会の招集決定に基づき招集した株主総会において取締役を選任する旨の決議がされたときは、右決議は、いわゆる全員出席総会においてされたなど特段の事情がない限り、不存在である。

【参照条文】      商法231

             商法252(昭和56年法律第74号による改正前のもの)

             商法254-1

             商法258-1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集44巻3号526頁

 

 

会社法

(株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え)

第八百三十条 株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。

2 株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。

 

(株主総会の招集の通知)

第二百九十九条 株主総会を招集するには、取締役は、株主総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、公開会社でない株式会社にあっては、一週間(当該株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、株主に対してその通知を発しなければならない。

2 次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。

一 前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合

二 株式会社が取締役会設置会社である場合

3 取締役は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該取締役は、同項の書面による通知を発したものとみなす。

4 前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

(招集手続の省略)

第三百条 前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第二百九十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。