東宝スバル事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属

              公正取引委員会の審決取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和26年(オ)第665号

【判決日付】      昭和29年5月25日

【判示事項】      1、映画劇場の賃借が一定の取引分野における競争を実質的に制限すると認められた一事例

             2、公正取引委員会の審判開始決定書記載の事実と審判の範囲

【判決要旨】      1、原判決認定のような事実関係のもとでは、原判示の映画劇場賃借は、原判示の取引分野における映画興行上の競争を実質的に制限するものと解すべきである。

             2、公正取引委員会が、審判開始決定書記載の事実を訂正しないで、これと多少異なる違反事実を認定しても、事実の同一性が害せられず、かつ被審人の防禦の機会をとざしていないかぎり違法ではない。

【参照条文】      私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和28年法律第259号による改正前のもの)15-1

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律16

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律50-1

             私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律54

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集8巻5号950頁

 

 

独占禁止法

昭和二十二年法律第五十四号(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律目次

第一章 総則(第一条・第二条)

第二章 私的独占及び不当な取引制限(第二条の二―第七条の九)

第三章 事業者団体(第八条―第八条の三)

第三章の二 独占的状態(第八条の四)

第四章 株式の保有、役員の兼任、合併、分割、株式移転及び事業の譲受け(第九条―第十八条)

第五章 不公正な取引方法(第十八条の二―第二十条の七)

第六章 適用除外(第二十一条―第二十三条)

第七章 差止請求及び損害賠償(第二十四条―第二十六条)

第八章 公正取引委員会

第一節 設置、任務及び所掌事務並びに組織等(第二十七条―第四十四条)

第二節 手続(第四十五条―第七十条の

 

第十六条 会社は、次に掲げる行為をすることにより、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合には、当該行為をしてはならず、及び不公正な取引方法により次に掲げる行為をしてはならない。

一 他の会社の事業の全部又は重要部分の譲受け

二 他の会社の事業上の固定資産の全部又は重要部分の譲受け

三 他の会社の事業の全部又は重要部分の賃借

四 他の会社の事業の全部又は重要部分についての経営の受任

五 他の会社と事業上の損益全部を共通にする契約の締結

② 会社であつて、その会社に係る国内売上高合計額が二百億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるものは、次の各号のいずれかに該当する場合には、公正取引委員会規則で定めるところにより、あらかじめ事業又は事業上の固定資産(以下この条において「事業等」という。)の譲受けに関する計画を公正取引委員会に届け出なければならない。ただし、事業等の譲受けをしようとする会社及び当該事業等の譲渡をしようとする会社が同一の企業結合集団に属する場合は、この限りでない。

一 国内売上高が三十億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超える他の会社の事業の全部の譲受けをしようとする場合

二 他の会社の事業の重要部分又は事業上の固定資産の全部若しくは重要部分の譲受けをしようとする場合であつて、当該譲受けの対象部分に係る国内売上高が三十億円を下回らない範囲内において政令で定める金額を超えるとき。

③ 第十条第八項から第十四項までの規定は、前項の規定による届出に係る事業等の譲受けの制限及び公正取引委員会がする第十七条の二第一項の規定による命令について準用する。この場合において、第十条第八項及び第十項から第十四項までの規定中「株式の取得」とあるのは「事業又は事業上の固定資産の譲受け」と、同条第九項中「株式の取得」とあるのは「事業又は事業上の固定資産の譲受け」と、「株式取得会社」とあるのは「事業又は事業上の固定資産の譲受けをしようとする会社」と読み替えるものとする。