デイトレーダーが他人の証券取引口座を利用して「見せ玉」という手法により行った相場操縦事案 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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デイトレーダーが他人の証券取引口座を利用して「見せ玉」という手法により行った相場操縦事案

福岡高等裁判所判決/平成24年(う)第244号
平成25年1月25日
金融商品取引法違反,詐欺,犯罪による収益の移転防止に関する法律違反,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件
【判示事項】    いわゆるデイトレーダーが他人の証券取引口座を利用して「見せ玉」という手法により行った相場操縦事案で,①他人の証券取引口座を利用した相場操縦行為による収益を同口座から口座名義が同一の別の銀行口座に移動することは,組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)第10条第1項前段の犯罪収益等の取得または処分についての事実の仮装に当たる旨判示し,②金融商品取引法第198条の2第2項の追徴につき,「同法第198条の2第1項ただし書を適用して,売買代金から買付代金相当額を控除した売買差益相当額に限定すべきである。」旨の弁護人の主張を排斥したもの
【判決要旨】    1 他人の証券取引口座を利用した相場操縦行為による収益を同口座から別の銀行口座に移動することは,その口座名義が同一であったとしても,組織的犯罪処罰法所定の犯罪収益等の取得または処分についての事実の仮装に当たる。
2 相場操縦の手段として,信用取引によって,膨大な株式の買付,売付が繰り返されたことで株式売却代金の合計額が膨大なものになっており,買付株式,売付代金のいずれも証券会社の担保とされていて,被告人が実際に取得できる利益が売買差益相当額に過ぎないとしても,1審判決が,株式売付代金の全額を追徴の対象とし,金融商品取引法第198条の2第1項ただし書を適用しなかったことは,1審の合理的な裁量の範囲内と認められ,弁護人らが追徴額について,株式売却代金から買付代金相当額を控除した売買差益相当額に限定すべきであるとの主張には理由がない。
【参照条文】    組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律10-1前段
          金融商品取引法198の2-1ただし書
【掲載誌】     高等裁判所刑事裁判速報集平成25年237頁