抵当権が設定された債務者所有の土地の適正価格による売買につきその全部の否認権行使が否定された事例
東京高等裁判所判決/平成4年(ネ)第1157号
平成5年5月27日
否認権行使等請求控訴事件
【判示事項】 抵当権が設定された債務者所有の土地の適正価格による売買につきその全部の否認権行使が否定された事例
【判決要旨】 破産者が唯一の資産である土地を売却し、費消・隠匿しやすい金銭に変えることは、特段の事情がない限り、原則的に破産債権者に対する詐害行為に該当するが、破産者が相当代価で抵当不動産を売却し、その代金の大部分を当該債務の弁済に充てた場合には、その部分については詐害性を有しないのみならず、仮に、破産者及び買受人が土地の売買により破産債権者が害されることにつき悪意である場合でも、右土地の売買については、抵当債務の弁済に充てられた分を超える限度のみが否認権行使の対象となり得るにすぎないところ、抵当不動産は不可分であるから土地全部の売買契約を否認することはできない。
【参照条文】 破産法72
【掲載誌】 金融・商事判例928号24頁
判例時報1476号121頁